■米ドル/円の安値118.06円は価格的にも重要なサポート
もう一点、米ドル/円の10月15日(木)につけた118.06円という安値は時間軸の観点からだけでなく、価格的にも重要なサポートとなっています。
前述の2014年10月15日安値105.19円と、2015年8月24日のチャイナショック時の安値である116.15円でサポートラインを引くと、10月15日(木)のサポートは118.05円であり、同日の安値118.06円と合致するのです。
(出所:ヒロセ通商)
米ドル/円の118.00円には、118.00-122.00円のダブル・ノータッチ・オプション(DNT option、※)があったから割れなかったという意味もありますが、118.05円という値と、10月15日という日柄にはこのように重要な意味があったわけです。
(※編集部注:一定期間中に、上下2つの価格のどちらかへ到達するか否かをかけるオプション取引のこと)
■NYダウは週足終値での61.8%戻し達成がカギ
前述のように、2015年年末に向けて、米ドル/円は底堅く推移する可能性が高いと想定していますが、注意すべきは外的要因。
10月最終週には、FOMC(米連邦公開市場委員会)、五中全会、日銀金融政策決定会合と、重要イベントが続き、マーケットは乱高下を余儀なくされそうです。
そこで注目されるのが、本丸であるNYダウの動向。
以前のコラムでもご紹介しましたが、8月21日(金)にNYダウの重要サポートである1万7000ドルが決壊。それが、翌週8月24日(月)のチャイナショックを誘引しました。
【参考記事】
●NYダウはさらに暴落するリスクあり!?株高のカギを握る本邦当局の一手とは?(8月27日、西原宏一)
1万7000ドルというマジノ線(※)が決壊したNYダウは、一気に1万5370ドルまで暴落。
(※編集部注:「マジノ線」とは第二次世界大戦前にフランスがドイツとの国境に築いた難攻不落と言われた要塞のこと)
本丸であるNYダウの急落に連れて、米ドル/円も118.00円を割り込むと、一気に下落が加速したのは記憶に新しいところ。
NYダウは、2015年10月22日(木)現在、1万7100ドル台で推移。
(出所:CQG)
NYダウは、チャイナショックで急落しましたが、200週移動平均線が位置している1万5370ドルがサポートとなり反発し、先週(10月12日~)、1万7000ドル台を回復。
ただ、NYダウは今年(2015年)5月の高値と8月の安値の下落幅の61.8%戻しである1万7212ドルを大きく上抜けられず、週足ベースでここを越えられるかどうかが重要なカギとなりそうです。
(出所:CQG)
■NYダウ1万7000ドル割れなら、米ドル/円は調整も…
来週(10月26日~)、多くの重要イベントを控える中、仮にNYダウが61.8%戻しを越えられず、1万7000ドルを再び割り込むような展開になれば、外的環境の悪化により、日経平均と米ドル/円も調整を余儀なくされる可能性が高まります。
(出所:ヒロセ通商)
NYダウが1万7000ドル台で底固めできるかどうかには注視したいところです。
10月最終週は多くのイベントを控え、2015年年末に向けての日経平均と米ドル/円の動向を占う意味で重要な週となりそうです。
(※筆者の都合で、来週はこのコラムを休載させていただきます。次回は、11月5日(木)から再開の予定です)
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