■ついにテーパリング開始決定! 予想よりも早い?
日本時間12月19日(木)明け方、FOMC(米連邦公開市場委員会)はついに「テーパリング(※)」の開始を決定しました。
FOMC声明文によれば、2014年1月より資産買入れ額を「MBS(不動産担保証券)を月額400億ドルから350億ドル」、「長期国債を月額450億ドルから400億ドル」にそれぞれ50億ドルずつ、計100億ドル減額させることになりました。
12月6日(金)に発表された11月米雇用統計で非農業部門雇用者数の20.3万人という増加もさることながら、失業率が一気に7.0%にまで改善したことを受けて、市場では12月FOMCでのテーパリング開始を予想する声が高まっていたことは確かです。
(※ 編集部注:「テーパリング」とは、米量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
しかし、実際の市場予想としては、約半数のエコノミストが2014年3月のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)体制になってからの開始を予想していただけに、考えていたより早い決定にやや意外感は残ります。
ただ、先述の失業率の急低下や自動車販売を中心とした小売セクターの好調さに加え、住宅価格の上昇などがテーパリングを正当化させる決定打となったのかもしれません。
■NYダウ300ドル近い急騰! 米ドル/円は年初来高値へ!
また、バーナンキFRB議長が定例記者会見でも述べていたように、「イエレン次期FRB議長とも今回の決定について緊密に協議した」ほか、「本日の措置を全面的に支持している」ことを強調。「次回以降もFOMC開催ごとに資産買入れの減額ペースを検討していく」ことを表明しています。
市場の反応は「テーパリング開始」の一報を受けて、FOMC声明文の公表直後こそ、NYダウが売られたものの、内容が読み込まれるにつれて一転、買い戻しの動きが強まる展開となりました。
NYダウは、一時300ドル近い急騰劇を演じています。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円は、発表直前に思惑的な売りから102.75円まで値を下げたものの、その後は一気に買い戻しが加速。一時104.37円の年初来高値まで急上昇しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
マクロファンド勢中心に年末のポジション調整が強まる時期ではありますが、そういった売りも一気に吹き飛ばしてしまった状況だと思っています。
テーパリングの規模が100億ドルと極めて小額に…
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