■英ポンド/円は節目の190円に急接近
みなさん、こんにちは。
前々回の当コラムでご紹介させていただいた英ポンド/円ですが、英国の総選挙前後から上げ幅を拡大して、一時、188.60円まで急騰。
【参考記事】
●英ポンド/円は190円へ上昇濃厚! なぜ、ここに来て、英ポンドは注目を集めている?(4月30日、西原宏一)
●ポンド/円取引が熱い熱い熱い熱い! 急上昇中のポンドを取引するならここだ!
5月に入って、英ポンド/円はすでに9円弱高騰しており、節目の190円に急接近。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
そして、先週のコラムで取り上げたユーロですが、ユーロ/英ポンドの影響で下落する局面もありましたが、今週(5月11日~)に入って再び上値追いが続き、ユーロ/円も英ポンド/円の上昇に遅れながらも、135円台を回復しました。
【参考記事】
●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 1時間足)
■ドイツ国債利回り再び上昇で、ユーロ高に
こちらも先週のコラムでご紹介させていただいた、ドイツ10年物国債ですが、いったん0.80%付近まで利回りが急騰した後は、あっという間に反落。
【参考記事】
●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)
しかし、今週(5月11日~)に入っても、ECB(欧州中央銀行)トレードの調整が続き、ドイツ10年物国債利回りは、13日(水)に再び0.74%まで上昇してきました。

(出所:CQG)
ドイツ10年物国債利回り急騰から、独DAXは反落。そして、ユーロ/米ドルは1.14ドル台まで回復しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ECBが大量に資金を供給していることから、ドイツ10年物国債にはいずれ買いが戻ってくるというのがコンセンサス。
ただ、今年(2015年)に入って、急激に展開されたデフレトレード(独国債ロング、独DAXロング、ユーロショート)によるポジションのアンワインド(巻き戻し)がもうしばらく続きそうです。
■ユーロ反発の中、上昇するユーロ/円に注目
こうしたユーロ反発の中、注目は英ポンド/円と同様、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)であるユーロ円。
ユーロ/円は、米ドル/円とユーロ/米ドルを合成した通貨ペアです。
先ほど述べたとおり、ECBトレードの巻き戻しで、ドイツ10年物国債利回りは0.74%まで高騰し、ユーロ/米ドルは1.14ドル台まで回復。
ドイツ10年物国債利回り上昇のあおりを受けて、米10年物国債利回りも2.29%と底堅く推移していることで、米ドルがユーロに対して大きく下落しているにもかかわず、米ドル/円の下落は限定的となっています。

(出所:CQG)

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結果、ユーロ/円がじわじわと上昇し、本稿執筆時点で、135円台を回復しています。

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■ドイツ10年物国債の混乱はいずれ収束も、時間を要するか
ドイツ10年物国債急落のきっかけは前回のコラムでご紹介したビル・グロス氏のコメントが影響しています。
【参考記事】
●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)
加えて、「新債券王」といわれる、投資家のジェフリー・ガンドラック氏(※)が「ドイツ2年物国債の空売りで高い収益を得る可能性がある」とコメントしたことも大きく影響している模様。
(※編集部注:「ジェフリー・ガンドラック氏」は、米国の資産運用会社「ダブルライン・キャピタル」の共同創業者。世界的に有名なファンドマネージャーで「債券王」の異名を持つビル・グロス氏に代わり、「新債券王」として市場の注目を集めている)
繰り返しになりますが、ECBが大量に資金供給をしていることから、ドイツ10年物国債の混乱も収束すると想定されています。

(出所:CQG)
ただ、2013年4月の日銀による異次元緩和から2カ月を経て、日経平均と米ドル/円が急落し、再びメイントレンドに回復するまで、しばらく時間を必要としたように(前回のコラムを参照)、今回のドイツ国債とユーロの混乱も5月末ごろまで調整に時間がかかるのではないでしょうか?
【参考記事】
●人生最大の売りチャンスで独国債急落! 独国債利回り急騰でユーロは上値追いか(5月7日、西原宏一)
ユーロ/円は、2014年12月8日(月)高値149.78円から2015年4月13日(月)安値126.09円の38.2%戻しが135.10円レベルであり、本稿執筆時点ではこのレベルをブレイクしつつあります。
(※編集部注:本記事が執筆者の西原宏一氏より寄稿された5月14日(木)15:30以降、ザイFX!編集部が編集作業をしている最中にユーロ/円は、上記で西原氏がポイントとしている135.10円を上抜け、136円台まで上昇しています)

(出所:米国FXCM)
英ポンド/円に加えて、豪ドル/円も堅調に推移しており、96円台を回復。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
ECBトレードのアンワインド(巻き戻し)が続く中、反発を続けるユーロ/円に注目。
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