■2015年はECBのQEに始まり追加緩和で終わる…
みなさん、こんにちは。
先週、12月3日(木)、2015年年内最後のビッグイベントであるECB(欧州中央銀行)理事会が終了。
振り返ってみれば、今年(2015年)は、年初のECBのQE(量的緩和策)に始まり、12月のECBの追加緩和で終了となりました。
2015年1月に発表され、3月に開始されたECBのQEでは15年来のユーロ/米ドルのサポートが抜けずに反発。
【参考記事】
●ドラギマジック炸裂! ECBが予想以上のオープンエンドQEを決定してユーロ急落!(1月29日、西原宏一)
●すさまじいECBのQE開始でユーロ急落!ユーロ/円は120円に向けて続落か(3月12日、西原宏一)
(出所:CQG)
その後、8カ月の調整を経て、10月にドラギ総裁の事前の追加緩和予告もあり、12月のECB理事会へのマーケットの期待値が高まります。
【参考記事】
●欧米2大中銀の金融政策が逆行する中、ユーロ/米ドルはパリティ割れも視野に!?(11月26日、西原宏一)
マーケットが勝手に追加緩和期待を高めたわけではなく、ECB関係者筋からとされる多くの追加緩和報道で期待を上げざるをえないという相場展開。
【参考記事】
●ドラギの失敗は欧州各国にどう影響する? ユーロは長期サポート抜けられず上昇へ(12月8日、西原宏一&松崎美子)
そのため、ユーロ/米ドルの1.0600ドル、1.0550ドル、1.0500ドルには多くの巨大なオプションが設定され、ECB理事会を迎えます。
【参考記事】
●欧米2大中銀の金融政策が逆行する中、ユーロ/米ドルはパリティ割れも視野に!?(11月26日、西原宏一)
これだけマーケットがECBの追加緩和を織り込んでいたため、想定以上の緩和策に加え、ドラギ総裁が、かなりハト派なコメントをしなければ前述の長期サポートラインを抜くのは難しいだろうというのが多くのマーケット参加者の見解でした…。
(出所:CQG)
ただ、ECB関係者からのコメントでは、想定以上の緩和策を出すのであろうというのがコンセンサスでした。
■ECB理事会は想定以下の内容で、相場は逆流…
ECB理事会の結果は読者のみなさんもご存知のとおり、マーケットの想定以下の内容…。
そのため、前回に続き、今回もユーロ/米ドルは15年来のサポートラインを抜けずに急反発して、2015年年内最後のビッグイベントは終了。
このECB理事会の結果は、ユーロのみならず、他市場に大きな影響を与えます。
ECBの追加緩和期待に連れ、マーケットの流れは「追加緩和による株高、ユーロ安、米ドル高、円安、資源国通貨高」でした。
【参考記事】
●鉄鉱石価格を筆頭に商品市況は低迷…。でも、なぜ豪ドルは底堅く推移しているのか(12月3日、西原宏一)
失望のECB理事会の結果を受け、マーケットのその流れは逆流し、「株安、ユーロ高、米ドル安、円高、資源国通貨安」という調整相場へ。
その文脈どおり、今週(12月7日~)のNYダウ、日経平均ともに反落。
(出所:CQG)
(出所:株マップ.com)
12月11日(金)は「メジャーSQ(※)」。今回は買い残が最高水準に積み上がっていることもあり、今週(12月7日~)、日経平均もNYダウも、調整が懸念されていましたが、それも下落に大きな影響を与えた模様。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと。株価指数先物は3月、6月、9月、12月の第2金曜日、オプション取引は毎月第2金曜日がSQ算出日となっている。12月の第2金曜日のように株価指数先物とオプション取引のSQが重なる日は「メジャーSQ」と呼ばれる)
そして、米ドル/円もその調整の影響を大きく…
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