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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

トランプ米大統領へのお土産は文句なし!?
日米首脳会談乗り切れば「株高・円安」へ

2017年02月09日(木)17:40公開 (2017年02月09日(木)17:40更新)
西原宏一

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■トランプ大統領への日本からのお土産は文句なし!

 みなさん、こんにちは。

 今月(2月)のマーケットの焦点は、なんといっても2月10日(金)に予定されている日米首脳会談。

 今回の首脳会談には麻生財務相も同行する模様。

 この報道により、会談では「為替が協議される」ことが連想され、今週(2月6日~)じわじわと円高が進行。

一時、トランプラリーの38.2%戻しとなる112.00円を割り込んでいます。

【参考記事】
日米首脳は友好ムードも会談は予測不能! 相場の乱高下に巻き込まれないよう要注意(2月6日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 ただ、そうしたマーケット参加者の懸念とは裏腹に、漏れ伝えられる報道は、ポジティブなものが多数。

 まず大型のインフラ投資について。

4500億ドルの市場・70万人の雇用創出効果、米に表明へ

政府が日米首脳会談に向けて作成を進めている「日米成長雇用イニシアチブ」の中に、米国内におけるインフラ投資で4500億ドル(約51兆円)の市場創出効果があり、70万人の雇用を生み出すと明記されることがわかった。政府筋が明らかにした。
同イニシアチブは、日米首脳会談でトランプ米大統領に示される。巨額投資を進める資金に関しては「日本のファイナンス(資金)力を最大限に活用する」と明記される。
この部分に関しては、口頭で外国為替資金特別会計の資金活用も念頭にあることを説明する。

出所:ロイター

 雇用を重視するトランプ米大統領にとって、文句のない日本からのお土産です。

 マーケット関係者によれば、本邦当局はかなりトランプ米大統領に配慮してお土産(?)を慎重に作成しているようですが、ゴルフも含めて長時間に渡って会談することが必ずしも友好的な結果に終わるとは限りません。

 先日、トランプ米大統領に電話を切られたターンブル豪首相のことも話題になりました。

 そのため、今回ばかりは安倍首相の外交手腕にかなりの比重が置かれている模様。

■日米首脳会談を経て、早晩「株高・円安」回帰へ

 そして、これらの一連の報道に対して「日本のお金で米国の雇用を作り出すというのはおかしい」という批判がありますが、これは、マーケット参加者の誤解だと考えています。

 本邦機関投資家が米国にインフラ投資をするのは急遽決まったわけではなく、運用先に困っている担当者にとって、老朽化が進んでいるジョン・F・ケネディ空港などの米国の空港や刑務所などを筆頭としたインフラ投資は魅力的な運用先。

つまり、本邦機関投資家は、政府から指示されたため急遽、米国に投資を決めたわけではありませんので、前述の批判は当てはまらないわけです。

 ただ、トレードの観点から考えれば、こうしたインフラ投資は、長期に渡った投資であるため、即為替に影響を及ぼすものではないことも事実です。


 一方、日米首脳会談に向けての交渉という意味においては、たとえば米ドル/円が120円を超えて円安が進行しているといった相場で会談に入るより、今週(2月6日~)のように111円台という円高気味で首脳会談を迎えたほうが、会談はいいムードで進行します。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 これが、米当局からの圧力をかわすために、本邦当局が考えたシナリオの一部だとするとすごいと言わざるを得ませんが…。

 どちらにせよ、日米首脳会談は、友好的かつ建設的に進行し、マーケットは早晩「株高・円安」トレンドに戻ると想定しています。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 ただ、想定以上に今回の日米首脳会談はマーケットの注目を集めているため、首脳会談前はリスクを抑える必要があるでしょう。

■NZ中銀は政策金利を据え置き、総裁の発言はハト派的

 日米首脳会談を迎えて、方向感なく膠着している主要通貨を横目に、動意をみせてきたのがオセアニア通貨のNZドル。

 本日(2月9日)早朝、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の金融政策決定会合が行われました。

 RBNZは先日、インフレ見通しの上方修正をしていたため、一部利上げの可能性を指摘する参加者もいましたが、ウィーラー総裁のコメントはかなりハト派。

2月9日早朝に開催された金融政策決定会合では政策金利を据え置き。そして、ウィーラー総裁のコメントはかなりのハト派だった 
(C)Bloomberg/Getty Images

2月9日早朝にNZ中銀は金融政策決定会合を開催。ウィーラー総裁のコメントがかなりのハト派だったため、NZドルは下落した (C)Bloomberg/Getty Images

 まず、政策金利はコンセンサスどおり、据え置き。

NZ政策金利

 声明では「インフレ率は目標へと緩やかに回復する」とした上で、「金融政策は今後もかなりの期間、緩和的になる」との見通し。

 ウィーラー総裁はインフレ率を目標レンジである1~3%の中央値2%へと回復させようとしているのですが、NZドルの上昇がRBNZの利上げの決断を抑制している形。

 NZドル/米ドルは2015年8月に0.6130ドルの安値に到達したあと、じり高で推移。

 ただ0.74ドル台を攻めきれず、徐々に上値が重くなってきていました。

NZドル/米ドル 月足
NZドル/米ドル 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 月足

■NZドルは0.7000ドル割れに向けて下落中

 しかし今年(2017年)に入り、前述のように一部の市場参加者の間でRBNZの利上げ予測が台頭したことから、再び上昇トレンドが加速するも、今回は0.7400ドルにも届かず反落しました(高値は0.7376ドル)。

 そして、本日(2月9日)、RBNZの利上げ予測が後退したため、NZドルは反落。

 加えて、マクダーモットRBNZ総裁補佐が「NZドルは高すぎる」と発言したことで、NZドルの下落が鮮明となり、一時0.7200ドルを割り込んでいます。

NZドル/米ドル 4時間足
NZドル/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足

 TDシーケンシャル(※)の日足は、あと1週間ほどで上昇相場の終了を示唆しています。

(※編集部注:「TDシーケンシャル」とは、トーマス・R・デマーク氏が開発したテクニカル指標の1つ)

 インフレ見通しが上方修正され、利上げ予測も台頭してきたNZドルですが、そうした予測をRBNZが否定したことから、NZドルは調整を開始し、0.7000ドル割れに向けて下落中。

 日米首脳会談に向けて、神経質に動いている米ドル/円に加え、NZドルの動向にも注目です。


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