■米ドル/円の115円上抜けは時間要する
みなさん、こんにちは。
今月(2月)の米ドル/円は本稿執筆時点(=2月23日)まで大きな動きはなし。
注目された日米首脳会談はコンセンサスどおり、成功裏に終了し、円高リスクは大きく後退。
【参考記事】
●日米首脳会談成功で円高リスクが後退。「暗黙のドイツマルク」のような存在とは?(2月16日、西原宏一)
米ドル/円は115円台回復間際まで急反発したのですがブレイクできず。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
この要因は、前回のコラムでもご紹介させていただいた115.00円のオプション。
【参考記事】
●日米首脳会談成功で円高リスクが後退。「暗黙のドイツマルク」のような存在とは?(2月16日、西原宏一)
先週(2月13日~)の為替市場では、米ドル/円の115.00円に約60~70億ドルとウワサされるオプションが設定されているといわれていました。
マーケットはこのオプションから供給される米ドル売りを吸収できず反落。
先週末で、115.00円のオプションの一部は行使期限を迎え、影響は減少すると想定されていましたが、今週(2月20日~)も115.00円のオプションはまだかなり残存している模様で、このレベルを抜くのにもうしばらく時間を要するのかもしれません。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■米3月利上げ織り込み度は、まだ34%
米ドル/円の上昇になかなか弾みがつかないもうひとつの要因が米金利。
昨年(2016年)末の段階では、「3月の利上げ確率もさらに上昇しており、米金利は堅調、呼応して、米ドルはもっと堅調に推移する」というのがマーケットのコンセンサスでした。
ところが実際の米金利の上昇は緩慢であり、2月23日(木)現在で、3月の米利上げ織り込み度も、まだ34%までしかいっていない状態。
(出所:Bloomberg)
これはFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに関して、かなり慎重なスタンスで臨んでいるためなのですが、この影響でマーケット環境はゴルディロックス(※)状態。米国株は続伸中。
(※編集部注:ゴルディロックスとは、過熱もしすぎず、低迷もしていない、居心地のいい状態のこと)
(出所:Bloomberg)
結果、資金は高金利の通貨に流れ、呼応して豪ドルが堅調な…
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