■イースター休暇明けはユーロ/米ドルが急落
みなさん、こんにちは。
前回コラムのとおり、イースターホリデー明けのマーケットでは、ユーロ/米ドルの軟調な展開が続き、わずか1週間で、約470ポイントも急落。
【参考記事】
●ナチス時代の賠償金を払えとドイツへ要求!? ギリシャ問題の泥沼化でユーロ下落再開!(4月9日、西原宏一)

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ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)も続落し、ユーロ/円は、一時、126.09円まで急落しました。

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■米ドル/円は120円台では確実に当局からコメント
今週(4月13日~)に入ってからのユーロ/円下落の要因は、米ドル/円の下落が大きく影響しています。

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以前、コラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円は122円でトップアウトして調整局面入りしています。
【参考記事】
●米当局から米ドル高牽制コメント相次ぐ!米ドル/円は115円に向けて下落開始か(3月26日、西原宏一)
今週(4月13日~)に入って、浜田内閣官房参与が円安の限界についてコメントしていることも、米ドル/円の120円台が重たくなっている要因。
【参考記事】
●浜田参与の発言もあり円安は調整局面。ドル/円よりユーロ/円の売りに妙味?(4月14日、西原宏一&松崎美子)
「円安は徐々に限界に近づいている。125円、130円になるだろうと思っている人はある程度本当かなと注意してみなくちゃいけないんでしょうね」
出所:Bloomberg
ただ、このコメントは以下のロイターのインタビューで一部修正されています。
「米ドル/円、120円程度は許容範囲」
「125~130円は購買力平価と乖離している」
「需給ギャップ改善遅れれば追加緩和必要」
「(日銀の追加緩和について)4月末でも反対はしない」
「次回消費増税で景気落ち込み懸念なら、その前に金融緩和を全開にする必要」
「金融政策は国内需給を重視、短期的な円安は仕方ない」
出所:ロイター
修正されたとはいえ、米ドル/円が120円台に入ると、本邦当局からのコメントが確実に入ることで、米系短期筋も米ドル/円での米ドル買いには消極的…。

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■米ドル/円は当面下値を模索する展開が続くか
加えて、現時点(4月16日)での為替相場の焦点はユーロであり、ユーロが対米ドルに加え、対円でも下落基調を続けていることが、米ドル/円の上昇を抑制しています。

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122円でトップアウトした米ドル/円は、当面、下値を模索する展開が続きそうです。

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■ギリシャの「Grexit」の可能性はさらに高まる
一方、今週(4月13日~)に入ってもギリシャの「Grexit」(ユーロ圏離脱)の可能性はさらに高まっています。
【参考記事】
●ギリシャが5月中旬以降、ヤバい理由とは? 鉄鉱石価格暴落で豪ドルはまだまだ下がる
4月13日(月)には、米大手銀行モルガン・スタンレーが、ユーロ/米ドルは年内にパリティ(1ユーロ=1米ドル)まで下落すると予測。
ゴールドマンサックスはすでに「ユーロ/米ドルは2015年年内にパリティまで急落」と予想しており、米大手銀行が揃って、ユーロ/米ドルは2015年年内にパリティを突破すると予測していることになります。

(出所:米国FXCM)
4月14日(火)のフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)では、「4月末までにギリシャと債権者の合意がまとまらないと、5月と6月にIMF(国際通貨基金)に返済する償還資金が準備できず、デフォルト(債務不履行)の準備を進めている」と報道。
ギリシャ政府関係者はこの報道を否定していますが、現状のままだと、ギリシャの国庫が空になるのは時間の問題で、債権者と合意できなければ、ユーロ圏で前代未聞のデフォルトとなる可能性が高まっています。
■ドラッケンミラー氏の「Grexit」に関するコメントが話題に
そして昨晩(4月15日)は、ブルームバーグテレビジョン(Bloomberg TV)に、ドラッケンミラー氏(※)が登場。このインタビューの中で彼が「Grexit」について「たぶんね(Probably)」と答えたことが話題に。
報道によれば、彼は他の市場については
(1)中国経済の改善
(2)原油価格の上昇
(3)FRB(米連邦公開市場委員会)の年内の利上げはない
と予測している模様。
その原油価格は彼の予測どおり、昨日(4月15日)、56ドル台へと大幅反発。
(※編集部注:ドラッケンミラー氏はヘッジファンドのファンドマネジャーとして、長年に渡って高い収益を上げてきた人。1992年にはジョージ・ソロス氏の片腕として、英ポンドを売り浴びせ、英国を欧州通貨制度(ERM)から離脱させて、10億ドル以上を稼ぎ出したと言われている。これがいわゆる「ポンド危機」)

(出所:米国FXCM)
ドラッケンミラー氏を筆頭に、多くのヘッジファンド、大手米銀も「Grexit」が既定路線であるかのように予測。
「Grexit」の可能性が高まることに加えて、ECB(欧州中央銀行)が、マイナス金利とQE(量的緩和策)でユーロ安政策を進めている、ユーロ/米ドルの行方に注目です。
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