■今年の米ドルはトリッキーな動き
米ドル/円は今週(7月16日~)、一時113.14円まで米ドル高・円安が進行しました。実に、今年(2018年)の1月以来の水準です。
(出所:Bloomberg)
今年の米ドルを見ると、非常にトリッキーな動きであったことがわかります。
まず、年初に112円台でスタートした米ドル/円は、1月8日(月)に113.39円をつけて、前年(2017年)11月につけた114円台をうかがう動きをしていました。背景には、米国の政策金利の上昇がありました。
しかし、相場はその後、大方の予想に反して、米ドル安・円高に向かい、3月まではほぼ、一方的な動きとなりました。
そして、3月23日(金)と翌営業日26日(月)の両日に、104.64円の年初来最安値をつけました。
その後、相場は反転し、ここまで逆に、ほぼ一本調子に米ドル高・円安が進行してきて、113円台回復となっています。
(出所:Bloomberg)
■米政策金利の上昇では理解し難い相場
今回の米ドル高の背景は、米国の政策金利の上昇ということになっていますが、この流れは年初からありました。
そして、政策金利に関しては、ほぼ市場の予想どおりに上がってきています。
※FRBのデータを基にザイFX!が作成
それにも関わらず、年の前半は米ドル安、そして、中盤からは米ドル高という、まったく逆の反応を見せています。
(出所:Bloomberg)
非常に、理解が難しい相場展開でした。
■IMMのポジション動向と米ドル/円に相関が!
実は、このことを考えるのに興味深いのは、いつも当コラムで紹介している、IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向です。
IMMのポジションには、「商業ベース」と「非商業ベース」があります。
商業ベースは、通常の商取引に関連した売買であると考えると、投機目的のポジションは、非商業ベースを見れば良いということになります。
このIMMのポジションは、毎週金曜日に、その週の火曜日の段階での数値が、週次の結果として発表されています。
そこで、米ドル/円の非商業ベースのポジションの推移を見てみると、1月9日(火)の段階で円ショート(=売り越し)、つまり、米ドル/円のロング(=買い)ポジションが約12万5000枚と、今年(2018年)最大となっています。
※CFTCのデータを基にザイFX!が作成
これは、米ドル/円が今年(2018年)の年初来高値をつけた1月8日(月)と、ほぼ同時期です。
そして、その後は、ほぼ毎週、米ドル/円のロングポジション(=円の売り越し)は…
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