■米中間選挙を控える中、米国株は急落
みなさん、こんにちは。
こちらのコラムでも何度かご紹介させていただきましたが、多くのヘッジファンドの思惑どおり、米中間選挙前の米国株は急落。
【参考記事】
●中国経済悪化の影響が欧州にまで波及…!? リスクオフ継続で、ユーロ/円続落に警戒!(10月25日、西原宏一)
NYダウは、今年(2018年)1月26日(金)に到達した高値である2万6616ドルをブレイク。しかし、マーケットがブルに傾いた局面で急反落しました。

(出所:Bloomberg)
つまり、ブルトラップにダブルトップで急落した展開。
日経平均も、同様です。
今年(2018年)1月23日(火)に到達した2万4129円という高値を10月2日(火)に、ご丁寧に上抜いて、2万4448円まで到達。
今回こそ、2万5000円、3万円への道が開けたとマーケットが想定した局面で、こちらもブルトラップになって暴落しました。

(出所:Bloomberg)
日経平均の下落は凄まじく、10月26日(月)には2万971円まで急落。
下落幅は、驚愕の3477円です。

(出所:Bloomberg)
株の下落に呼応して、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も反落。
ここまではヘッジファンドの思惑のとおり。
本稿執筆時点のマーケットは、急激な下落の反動で、株やクロス円は反発過程にあります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
■上院、下院ともに共和党勝利の確率が上昇中
そして、来週(11月5日~)、6日(火)には注目の米中間選挙を控えています。
米中間選挙前は、多くのヘッジファンドの思惑のとおり、「株、クロス円」は急落しました。
それでは、米中間選挙後は、アノマリーどおりに米国株は反発し、リスク許容度が改善して、クロス円も反発するのでしょうか?
米中間選挙は、大統領が所属する政党が負けるというのがコンセンサス。そのため、事前の世論調査では、民主党が下院で、共和党が上院で過半数を取ると見られているようです。
【参考記事】
●米中間選挙で金融市場はどう動くのか? さらなる株安で米利上げが止まる可能性も!?
ただ、最近のメディアの報道では、共和党の勢いが増してきており、上院、下院とも、共和党が勝利する確率が徐々に上がってきているようです。

最近のメディア報道では、共和党の勢いが増してきているという。上院、下院ともに共和党が勝利する確率が徐々に上がってきているようなのだが、果たして… (C)Mark Wilson/Getty Images
■失速する民主党……いったい何が?
つまり、民主党の失速……。
では、民主党に何が起こっているのか?
まず、サンダース報道官の入店拒否報道。
料理店が報道官を入店拒否 「トランプ政権で働いているから」
サンダース米大統領報道官は23日、米バージニア州レキシントンのレストランを前夜訪れた際、女性経営者がトランプ大統領の下で働いていることを理由に入店を断ったとの一幕を明かした。
出所:CNN
考え方が違っても、入店を拒否するというのは、明らかにやりすぎではないかというのが一般的な印象ではないでしょうか?
加えて、意外だったのは、この報道について民主党から自粛のコメントが出ないこと。
こうしたことは、民主党支持者を減らす結果につながっていると想定されます。
■「#WalkAway」で民主党離れが進む
現在、ツイッターのハッシュタグで「#WalkAway」というのが話題になっています。
これは、「民主党から#WalkAway(遠ざかる)」という意味になります。
現在、米国では「#WalkAway」という新しい草の根運動が起こっている模様。
政治色が強くなるため詳細は割愛しますが、これは、リベラルに愛想をつかした一般市民が民主党を捨てる運動のようです。
実際、「#WalkAway」と検索するとかなりの数でヒットするので、「#WalkAway」運動というのは、拡大しているのではないでしょうか。
前述の報道官を入店拒否するという報道なども、「#WalkAway」に影響を及ぼしているようです。
■テイラー・スウィフトが民主党支持を表明
これに対して、民主党サイドもいろいろと反撃をしている模様。
たとえば、テイラー・スウィフト。
米歌手T・スウィフトが民主支持表明、政治に関する沈黙破る
米人気歌手テイラー・スウィフト(28)は7日、政治に関する沈黙を破り、自身のインスタグラムで、11月6日の米中間選挙ではテネシー州の民主党候補に投票すると明らかにした。
出所:ロイター
しかし、この報道で、投票率が上がり、民主党が有利になるとは言い切れません。
こうしたセレブの民主党支持の報道は、共和党支持者の反感を招くことにもつながり、彼らの投票率が上がり、結果として、共和党が有利になるのではないか?という意見もあります。
こうした民主党の後退が、共和党の勢いを増す形になっています。
■現状、上院は共和党、下院は民主党がメインシナリオ
では、「米中間選挙」で想定されるシナリオに対して、本稿執筆時点での確率と、マーケットがどのような反応をするのかをまとめてみます。
(1)上院は共和党、下院は民主党が勝利する(85%)
これはコンセンサスどおりで、マーケットへのインパクトはなさそう。
ただ、民主党が大勝した場合は、株売りに傾くと想定されます。
(2)上院、下院とも民主党が勝利する(ほぼ0%)
可能性は、ほぼゼロ。
ただ、実現すれば、大規模なリスクオフへと傾斜。
(3)上院、下院とも共和党が勝利する(15%)
これは、2016年のトランプラリーの縮小版になります。
つまり、「株高、円安」の展開。
(2)の上院、下院とも民主党が勝利する可能性は、ほぼゼロなので除外します。
マーケットが大きく動きそうなのが、(3)の上院、下院とも共和党が勝利し、「株高、円安」の展開になること。
ただ、これも2016年のトランプラリーのミニ版であるため、株高、円安も大相場には、なりそうもありません。
それは、10月の日米株価の急落のショックが大き過ぎて、記憶に新しいことも影響しています。
■中期では、株、米ドル/円の上値は重い…
結果として、米中間選挙後も、短期的には結果に左右されるものの、中期では、株、米ドル/円とも、上値は限定的だと想定しています。

(出所:Bloomberg)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
2016年の米大統領選同様に、今回の米中間選挙も事前の世論調査があてにならないため、予断を許さない展開だと想定されます。
しかし、米中間選挙をきっかけに、マーケットのボラティリティが高まる公算が高いこと、そして、10月の株急落で、株、米ドル/円とも上値は限定的であることは変わりません。
来週(11月5日~)の米中間選挙の行方に、注目です。
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