■好調な米雇用統計でも米ドル/円反落、要因に米長期金利
みなさん、こんにちは。
先週、5月2日(金)の米雇用統計後の相場は金融関係者にとって、サプライズな結果となりました。
5月2日(金)に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が28.8万人増、失業率も6.3%と良好。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
当然、最初のリアクションは米ドル買いで、米ドル/円は一時103.02円まで上昇しました。
ただその後、米ドル/円は急落。この要因は米金利の低下にあります。
(出所:CQG)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
好調な米経済指標にも関わらず、米長期金利(10年物国債の利回り)は2.6%前後に低下しました。
米長期金利の低下に伴い、米ドル/円は102円割れ。
■米ドル/円の上昇には「円」にまつわる要因の強化が必要
5月7日(水)には日経平均の急落も伴い、米ドル/円は一時101.425円まで下落。
(出所:株マップ.com)
米ドル/円は依然として101円-103円の狭いレンジ内での推移に終始しており、値動きとしての驚きはありません。ただ、先週の好調な米雇用統計を受けて、逆に米ドル/円が反落していることで、マーケット参加者の注目を集めているわけです。
つまり、米経済指標の改善で米ドル/円が上昇するというシナリオは現実味がないということ。
繰り返しになりますが、2014年年初のシナリオどおり、米ドル/円が上昇するためには、アベノミクスの成長戦略と日銀の追加緩和という円にまつわる要因が強化されないと難しいということになります。
米ドル/円のサポートは当コラムで何度かご紹介した101.20円と100.70円。このレベルを割り込んでくるとストップロスを誘発して大きく値を下げる可能性があるため、要注意です。
【参考記事】
●ナスダック急落! 黒田総裁タカ派的発言!ドル/円は100.70円を割り込んだら要注意(4月10日、西原宏一)
(出所:米国FXCM)
今のところ、米ドル/円は変わらず狭いレンジ圏で推移しています。ただ、米長期金利の低下により、他通貨では広範に米ドル安が進行しているため、米ドル/円のみが上記のレベルでサポートされるかどうかに注目です。
さて、他通貨に目を向けると…
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