■社畜の妖精「にほんばっしー」だバシ!?
突然ですが、みなさんは、日本屈指の金融街・東京日本橋に生息する金融社畜の妖精、「にほんばっしー」をご存知でしょうか?

Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのSNSを駆使して、めちゃくちゃ精緻なガチンコのマーケット情報(指標予想や概況解説)を配信しながら、たまにゆる~く日本橋界隈に降臨する「にほんばっしー」。SNSでは、「中の人」が素顔を隠して登場することもしばしば…。
特に、米雇用統計の重要指標、NFP(非農業部門雇用者数変化)の数値を予測する「にほんばっしーモデル」は、よく当たるとフォロワーのみなさんの間でも評判。
シュールな「にほんばっしー」の出で立ちとは裏腹に、明らかにプロっぽい視点で提供される予測データや解説コメントは魅力的です。
ただ者でない匂いはプンプンするものの、「にほんばっしー」、と言うか「中の人」は、いったい何者なのか!? ものすごく気になる…。
そこで、ザイFX!編集部は、2015年5月某日、満を持して「にほんばっしー」に突撃取材を敢行しました!
■日本橋の外資系金融機関があるオフィスの応接室で…
取材場所となったのは、もちろん「にほんばっしー」が生息している東京・日本橋。

東京証券取引所や日本銀行がある東京中央区の日本橋。日本屈指の金融街であるとともに、江戸時代から栄えた歴史ある街で、老舗百貨店・三越をはじめとする商業施設も数多く立ち並んでいる
「にほんばっしー」から指定された、とあるオフィスビルの応接室に行くと、そこには…。
いました! 社畜の妖精「にほんばっしー」。

これまでSNSに投稿された写真のとおり、スーツの袖がちょっと出ています。「にほんばっしー」いわく、「これがデフォルトバシ!」だそう。
記者個人としては、それよりも、「にほんばっしー」の頭部あたりにあるのぞき穴からチラリと見える「中の人」の様子が気になります。真夏ではありませんし、空調の効いたビル内ではありますが、「中の人」の体感温度はかなりのものになっているはずです…。

記者の心配をよそに、取材に訪れたザイFX!一行を歓迎してくれる「にほんばっしー」。なんだかとっても良い人、いや、良い妖精のようです。
ちなみに、「にほんばっしー」の頭の後ろにチラリと見える灰色のぬいぐるみ(?) は、2012年に映画化された東野圭吾さんの推理小説「麒麟の翼」で有名になった日本橋のシンボル、麒麟なのだそうです。日本橋にある本物の麒麟はかなり迫力がありますが、こちらの麒麟はずいぶん、かわいらしいですね。
■喜怒哀楽、表情豊かな社畜の妖精「にほんばっしー」
さて、そんな「にほんばっしー」は、立つとこんな感じ。

あぐらもかけます。

見た目的にちょっと動作は鈍いのかな? と思いきや、思いのほか軽やかな身のこなしで、颯爽と歩くことだってできます。

喜んだり。

怒ったり。

哀しんだり。

楽しみ過ぎて飛んじゃったり。

表情豊かな「ゆるキャラ」です。
■「にほんばっしー」の「中の人」、その正体は?
そんなふうに「にほんばっしー」を撮影していたら、中から人の頭のようなものが…!!!!

む?

むむむむむ?

あれれ! 中から人が出てきちゃいました。着ぐるみの「中の人」が出てくるのは、着ぐるみ業界ではご法度なんじゃないんですか!?
「いいんです(笑)」
そう話すのは、Aさん(仮名)。某外資系金融機関に勤める会社員にして、「にほんばっしー」の「中の人」! Aさんが、「にほんばっしー」の「中の人」として登場するのは、全世界のメディアの中でザイFX!が初めてです!

ここからは、「中の人」ことAさんへのインタビュー取材の様子をAさんと「にほんばっしー」の写真を織り交ぜながら綴っていきたいと思います。
諸事情あり、A氏のお名前と顔写真は、非公開とさせていただきます。ご了承ください。
■趣味でひとネタ!? 「にほんばっしー」発想の原点とは?
記者自身、2014年からずっと気になっていたキャラクター、「にほんばっしー」。「にほんばっしー」は、いつ頃、どうやって誕生したのでしょうか? Aさんにうかがったところ、「にほんばっしー」誕生の裏には、意外な(!?) 原点がありました。
「元々、僕は毎朝、投資家向けに情報をアップデートしているんですが、それと同時に、2011年頃からは、個人的な趣味で、よくひとネタ、おもしろいことをやって業界向けに発信していたんですよ」
たとえば、どんな?
「全身金色のタイツで新宿アルタ前を走ったり、加湿器で日本酒を蒸留すると焼酎になるかを試したり(笑)。ただ、3年くらいそんなことをやっているとネタ切れになって。
周囲にも、『なんだ、お前は、また金タイツか?』 などと言われるようになり…。そこで新たなネタとして、ゆるキャラに進出しても良いのでは? と思い立ちました」

もはや誰だかわからないが…。全身金色のタイツを身につけてアルタ前を走るAさんの姿が写真に映っている(出所: 「筆者の戯言傑作集 2013」 Aさん作)
紹介したのは、ほんの一部…。ひとネタとはいえ、かなり、力の入ったひとネタですね。
■ゆるキャラと言えば、あのキャラクターを意識?
ゆるキャラと言えば、少し前まで頻繁にメディアに登場した某市の非公認キャラクターを想像するのは、きっと記者だけでないはず。「にほんばっしー」は、やはり、あのキャラクターを意識してできあがったキャラクターなんでしょうか?
「『にほんばっしー』のアイデアが出てきたのは、2014年2月頃。この頃、僕は、はじめて「ゆるキャラ」の存在を知ったんです。『ふ●っしー』というキャラクターがいるというのを聞いて、うちでやるなら、『にほんばっしー』だろうということで」
記者自身、やはり…という思いもありましたが、やはり、「ふ●っしー」が「にほんばっしー」誕生のヒントになったようです。

「にほんばっしー」の誕生秘話を語るAさん。個人的な趣味でやってきたという、かなり気合の入った「ひとネタ」がベースにあったものの、やはりあのキャラクターの存在がヒントになった!?
「当初は、単発のネタとして、『ふ●っしー』が出そうなイベントに乱入し、『ふ●っしー』の中に入ってやろうくらいの構想を持っていました。『ふ●っしー』の敷居の高さを認識していなくて(笑)」
それはずいぶん大胆なひとネタですね…。Aさんのお話をうかがっていると、どうやら「にほんばっしー」は、元々長期的な活動を展望して生まれたキャラクターではなかった様子。思いがけず、長く続いてしまった(!?) ようです。
(「金融社畜の妖精「にほんばっしー」に突撃(2)午前3時半に出社! 睡眠時間は1~2時間」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・向井友代 撮影/和田佳久)
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