■米ドル/円は122円台での攻防に注目
みなさん、こんにちは。
米ドル/円は6月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、125.86円まで急騰。その後、6月10日(水)の黒田総裁の円安けん制コメントをきっかけに、一転、122.48円まで急落しました。
【参考記事】
●ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)
過去2年間の米ドル/円は、突然、ボラティリティが上昇し、短期間で急騰した後、急速にもみ合いに入る傾向があります。
(出所:米国FXCM)
今回も、118円で底入れした米ドル/円は、わずか3週間で7円もの急騰を演じた後、122~125円のもみ合い相場となっています。
(出所:米国FXCM)
日経平均が続伸していることから、現状、米ドル/円も122円台での底堅さを維持。でも、仮に122.00円を割り込むと、時間ではなく、値幅での調整幅が深くなります。
米ドル/円は、122円台での攻防に注目です。
■ギリシャ政府の選択肢はあまり多くない
ギリシャ政府が6月22日(月)に提出した改革案が前向きであったことをマーケットは好感し、独DAXを筆頭に、グローバルに株が反発。
ただ、リスクオンとなっても、通貨であるユーロは買い進まれるどころか反落しています。
(出所:米国FXCM)
これは、ギリシャ問題に対するマーケットのコンセンサスが背景にあります。
ギリシャのチプラス首相がいろいろと発言していますが、ギリシャ政府の選択肢はあまり多くありません。
結局は、ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります。
【参考記事】
●ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(西原宏一&松崎美子)
そのため、リスクオフを想定したユーロショートのポジションがじわじわと縮小しています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
上の画像でもわかるように、ユーロショートは大幅に縮小しています。
しかし、結果として、マーケットの思惑に反して、仮にデフォルトや、「Grexit」(ギリシャのユーロ離脱)のような、強い負荷がマーケットにかかると、多くの参加者はヘッジとしてのユーロを再びショートにせざるを得ない環境に陥ってきてしまうのです。
■マーケットで話題の「Frexit」とは?
ギリシャは、まだデフォルト懸念が色濃く残っていますが、本日(6月25日)のマーケットで話題となったのが「Frexit」(フランスのユーロ圏とEU離脱)というワード。
「マダムFrexit」の世界観-フランスもギリシャ後に離脱
2017年のフランス大統領選挙の有力候補であるマリーヌ・ルペン氏は、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)は不可避だと考えている。そして、自分が決めてよいものならフランスもあまり後れを取ることなく、ギリシャに続くと言う。
極右の国民戦線(FN)を率いる同氏はパリ近郊にある同党本部で23日インタビューに応じ、ギリシャについて「数カ月の猶予を得たが、問題は戻ってくるだろう」とした上で、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とフランスのユーロ圏離脱に言及した。
出所:Bloomberg
このルペン氏の意見は極端であり、そもそも彼女の当選の可能性は低いのですが、「Grexit」はまだしも、「Frexit」なる言葉も飛び出し、マーケットはさらに神経質な展開に。
加えて、可能性としての話ですが、ギリシャがデフォルトしたとすると…
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