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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

トランプ氏が失脚してもしなくてもドル安は
続かず。大統領辞任なら大幅なドル高に!

2017年05月19日(金)16:49公開 (2017年05月19日(金)16:49更新)
陳満咲杜

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■結局、トランプ氏が失脚してもしなくてもドル安は続かない

 逆にトランプ氏がこの困難な局面を乗り越えれば、大型減税や財政出動など経済政策において手柄を立てることを急ぐはずだ。スキャンダルの影響を薄めるには、何らかの実績を作らなければならないが、それには外交より内政の方が評価され、また、歓迎される

 選挙時に掲げた経済政策をどれぐらい推進できるかが肝心なので、トランプ政権は正念場を迎える。既述のように、トランプ氏は米ドル高を繰り返し牽制してきたが、氏が掲げた政策のほとんどは米ドル高に寄与するから、結果的にそれは米ドルを下支えして、また、米ドル高をもたらす材料として再度評価されよう

【参考記事】
仏大統領選・ルペン候補の支持率が市場を翻弄!? 勝てばユーロ/米ドルはパリティへ!?

 要するに、トランプ氏が失脚してもしなくても米ドル安は続かない公算が高いと思われ、足元の「トランプ・ショック」がもたらした米ドル安自体も、最終局面にあると推測できる。

■買われすぎている米国債、解消されれば金利も急騰!?

 その上、先週末(5月12日)に発表された米4月小売売上高の不振をはじめ、最近の米経済指標のまだら模様が米景気回復や6月利上げへの疑念を浮上させたことも、米ドル安の一因だと思う。

 それと相まって、CFTC(米商品先物取引委員会)統計の米10年物国債の投機ポジションがロングに傾き、先週(5月8日~)にかけて2012年以来の最高水準を更新するまで積み上げられた。

 このような状態においては、いくら「トランプ・ショック」とはいえ、米金利を継続的に押し下げる(国債価格を押し上げる)余力はそう残っておらず、むしろ、その反動で一気にポジションの解消があることを警戒すべきではないだろうか。

 要するに、これ以上に米国債が買われる余地が限定されている以上、大きく傾いているロング筋の撤退が推測されやすく、米金利の低下局面もそろそろ終焉し、持ち直し、場合によっては急騰する局面が想定される

米10年物国債利回り(米長期金利) 日足
米10年物国債利回り 日足

(出所:Bloomberg)

 トランプ氏の弾劾懸念が高まるに連れて、米国債には「ウワサの買い」が生じてきたが、いざ本当に弾劾されると、「事実の売り」を生じやすい。それは米長期金利が反発するということであり、米ドル高をもたらす公算が高い。

 このような連想も、結果的に前述の「トランプ氏辞任=米ドル高」といったロジックと整合性がとれるから、軽視できないと思う。

■米ドル/円の押しは完成したのか!?

 肝心の米ドル/円について、2016年11月9日(水)の安値が101.17円であったことから考えると、「トランプ・ラリー」の消滅といった感じにはほど遠い

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 要するに、2017年年初来、米ドルの反落が大きく推進してきたが、それは主に対ユーロなど外貨に対しての米ドル安がメインであり、対円での米ドル安は限定的だった。

 だからこそ、ユーロ/円はまた高値更新を果たしており、4月安値をもって円高局面がすでに終焉したという従来の判断は不変だ。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:Bloomberg)

 となれば、残った問題はただ1つ、今回の「トランプ・ショック」でどの程度の押しがあるか、また、昨日(5月18日)安値110.23円をもって、すでに押しを完成したのかどうかであろう。

 状況はなお流動的であるが、仮に弾劾のシナリオが続き、またトランプ氏が辞任を拒否した場合のリスクオフの継続から考えると、4月最終週の週明け(4月24日)に形成された「ギャップ」をいったん埋める形での調整が想定される。

 半面、何らかの形で騒動が収まり、トランプ氏弾劾のシナリオが消える場合、110円の節目前後の押しをもって米ドル/円の調整が完了し、ブル(上昇)基調への復帰もあり得る。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 いずれにせよ、米ドル/円は4月安値から上昇トレンドにすでに復帰し、足元まで続く反落はスピード調整の途中といった位置づけは変わらない。

 前述のように、トランプ氏が大統領の職に留まるかどうかよりも、騒動自体が長引くかどうかが材料視されるから、当面材料次第でなお波乱含みだが、基本的にじっくり米ドルの安値を拾う時期であると思う。

■ユーロ/円、英ポンド/円はブルトレンドをしばらく維持できる

 2016年11月9日(水)の価格との距離から考えると、米ドル全体が底打ちしやすいと思う場合、ユーロ/米ドルのショートよりも米ドル/円のロングの方が勝率が高いことも明らかであろう。

 この意味では、ユーロ/円にしても、英ポンド/円にしても、メインのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の方がスピード調整の余地が大きいものの、ブルトレンド自体はしばらく維持できる見通しだ。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:Bloomberg) 

英ポンド/円
英ポンド/円

(出所:Bloomberg)

 もちろん、繰り返し指摘してきたように、「出遅れた」豪ドル/円は「出遅れ」のままなので、別の視点でフォローしなければならないだろう。

【参考記事】
米ドル/円のGMMAでイワシがクジラに食われた!? 115.50円のブレイクは近い!(2017年5月12日、陳満咲杜)
年初来の円高局面が円安局面へ転換! でも、出遅れの豪ドル/円は出遅れのまま!?(2017年5月8日、陳満咲杜)

 市況はいかに。

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