また、イケダハヤト(イケハヤ)氏の術中にはまってしまった。イケダハヤト氏に頼まれてしまったのである。
井口稔編集長、またネタにしてください。
と。
筆者(井口稔)はあのネット上で高名なイケダハヤト氏に名指しでお願いされてしまった(!?)のだ。これはもう応えるしかないではないか。
イケダハヤト氏が「井口稔編集長、またネタにしてください」と書いていたのは、以下のようなタイトルの記事の最後のことだった。
イケハヤを「靴磨きの少年」呼ばわりした「ザイFX!」の井口稔編集長、息してる~?
なんと、イケダハヤト氏が書いた記事タイトルに筆者の名前が登場しているのだ! これはコーフンせずにはいられない。
イケダハヤト氏はこの記事のなかで「井口稔さんはひどい人だ!まったくもう」とも書いている。筆者がイケダハヤト氏にいったいナニをしたというのだろうか? 話の見えない読者のために、順を追って説明していこう。
■なぜ、イケハヤ氏は井口稔編集長、息してる~?と書いた?
筆者が以下の記事を書いて、ザイFX!で公開したのは本年(2017年)1月6日のことだった。
【参考記事】
●急上昇していたビットコインが大暴落! イケダハヤト氏が買ったところがド天井!?
このとき、ビットコイン相場は急上昇後に急落していた。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
そして、その天井付近のところで、イケダハヤト氏は「ビットコインを買った」ということを盛んにツイートしたり、ブログ記事に書いたりしていたのだ。
この一連の出来事などを上の記事で筆者は伝え、イケダハヤト氏は「靴磨きの少年」(※)ではないかと書いたのだった。
(※「靴磨きの少年」とは何かについては、「急上昇していたビットコインが大暴落! イケダハヤト氏が買ったところがド天井!?」の記事を参照)
この記事を書いたころのビットコイン/円は10万円~14万円近辺で推移していた。それがいろいろと紆余曲折はありながらも、今は40万円近辺まで上昇している。
2017年1月の急落がハナクソのような調整にしか見えないほどの大変なアゲアゲっぷりだ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 週足)
そして、ここへ来て、ビットコイン相場がうんと上昇してきたところで、イケダハヤト氏は「イケハヤを『靴磨きの少年』呼ばわりした『ザイFX!』の井口稔編集長、息してる~?」という記事を書いたというわけだった。
今回、イケダハヤト氏は以下のようなツイートをしていた。
もちろん、年初に14万で買ったBTCは余裕で倍以上になってます。もろもろ合わせて+50万くらいになってるかな?あの時は愚かな人たちにdisられたな?。 / 急上昇していたビットコインが大暴落!イケダハヤト氏が買ったところがド天井!? https://t.co/xNClzWICFN
— イケダハヤト (@IHayato) 2017年8月5日
また、これを見て、イケハヤ大好きな広瀬隆雄さんは以下のようにツイートしていた。ちなみに、広瀬さんは米国在住の株式の専門家で、ザイ・オンラインにて「世界投資へのパスポート」というコラムを長期連載しているが、その初代担当者は筆者だった。
ZAi FXの井口編集長、イケハヤ砲の洗礼を浴びる
— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2017年8月8日
wwwhttps://t.co/kkqqWN2sYy@Neko_Iguchi
■イケダハヤト氏は「ネタになってるw」と喜んでいた
しかし! イケハヤ砲を浴びてばかりもいられない。反撃だ。筆者としても「イケハヤさんはひどい人だ! まったくもう」とおそるおそる言っておきたい。
前述した記事「急上昇していたビットコインが大暴落! イケダハヤト氏が買ったところがド天井!?」のなかで、筆者はちゃんと自分の保身のためにイケダハヤト氏の名誉のために以下のとおり、補足の文章をつけ加えていたのだ(あとから書き加えたわけではない)。
とはいえ、イケダハヤト氏の名誉のため、ここで2つのことを指摘しておきたい。
まず、同氏のブログ記事によれば、イケダハヤト氏は短期トレードをやるつもりはなく、「基本的には数年にわたって積立していく方向」とのことだ。ならば、これぐらいの下落は問題ないのだろう。むしろ、買い増しのチャンスと言えるのかもしれない。
また、ビットコインがこれ以降、続落していくとは限らず、巻き返して高値をとっていく可能性も、もちろん否定はできない。
しかも、ザイFX!にこの記事を公開した直後、イケダハヤト氏は以下のとおり、「ネタになってるw」とツイートしており、自分がネタになっていることを喜んでいたのだ。
ネタになってるw / 急上昇していたビットコインが大暴落!イケダハヤト氏が買ったところがド天井!? https://t.co/7X6VGxFpvS pic.twitter.com/22eZ47WEOk
— イケダハヤト (@IHayato) 2017年1月7日
おそらくイケダハヤト氏はこの記事に、同氏の名誉のために補足した箇所があったことをわかっていながら、スルーしているのだとは思うが…。
■相場の先行きはわからない
相場の先行きはわからないもの。ザイFX!としては八方手を尽くして、相場の先行きの参考になるような記事やニュースを配信しているが、それでも究極的には相場の先行きは人間にはわからないものだと筆者は考える。
筆者もわからない、わからないと思いながら、毎日相場を見ている。
わからなくても「投資は余裕資金でする」、「ストップロスを入れる」、「分散投資する」などなどの方法で大きく負けない工夫はできる。
ビットコイン相場がここまで急上昇するとは正直、筆者は思っていなかったが、「相場はわからないもの」という基本観(※)があるため、前述した記事でも「ビットコインがこれ以降、続落していくとは限らず、巻き返して高値をとっていく可能性も、もちろん否定はできない」と書いていた。
(※これは相場をまったくやったことがない人には、なかなかわかってもらえないことかもしれない。けれど、「神様および神のごとき投資家・トレーダー」以外の「一般的な投資家・トレーダー」にはわかってもらえることではないかと思う)
ちなみに先ほども登場した広瀬隆雄さんは自身のメディア「Market Hack」にて8月8日に公開した記事「既成勢力は、変化を頑なに拒む側にまわるより、突き崩す側に回った方が面白いし、儲かる!」のなかで、以下のように書いている。
ながく相場をやっている立場からすれば、いまハヤトがドヤ顔して井口さんに仕返し出来るのは、たまたまビットコイン相場が良いからであって、明日は誰にもわからないと思います。
(僕としては未だ上があると思っています)
■株や為替には割安・割高を示す指標がある
株にはPER、PBRといった割安・割高を示す指標がある。
それは万能ではないが、少なくとも大まかには使えるものだ。たとえば、特殊要因がないケースにおいて、もしも日経平均が急上昇していて、そのPERが100倍だったとしたら、それは間違いなくバブルだろう。その相場はいずれ崩壊する。
また、為替では購買力平価という指標がある。
米国で価格1ドルのハンバーガーがあったとしよう。まったく同じハンバーガーが日本で売られていれば、1ドル相当の価格になるように為替相場は調整されると考える、これが購買力平価のザックリとした考え方だ。
【参考記事】
●JPモルガン・佐々木融さんに聞く(1) なぜ、「弱い日本の強い円」なのか?
購買力平価にはいくつかの問題もあり、短期のトレーディングに使えるような精密なものとは言えないが、少なくとも、なぜ、今の米ドル/円が1ドル=110円程度であって、1ドル=1000円ではないのかという大ざっぱな問いには答えてくれる指標にはなっている。
■仮想通貨には割安・割高の目安となるような指標はない
では、仮想通貨はどうか。
筆者の知る限り、仮想通貨には株におけるPER、為替における購買力平価のような割安・割高の目安となるような指標はないように思える。目安がないから、どこまでも相場が上昇するような現象が起きやすいとも言えそうだ。
以下は2017年5月25日に筆者がツイートしたものだ。
急上昇中のビットコインのチャート(日足)。上昇の仕方を見る限りバブルに見えます。
— 井口稔@ザイFX!編集部 (@Neko_Iguchi) 2017年5月25日
どれぐらい価値があるのかよくわからない=バブルになりやすい特質を持っていると言えそうです。「夢がひろがりんぐ」現象です
ビットコイン/円 日足https://t.co/I2wPhlB3Uq pic.twitter.com/aOpPoSzPix
今のビットコイン相場がバブルなのか、バブルでないのか。それはあとになってみないとわからない。上のツイートでも上昇の仕方を見る限りにおいて「バブルに見えます」と書いているだけだ。そして、ビットコイン相場はその後、急落したが、結局、今はまた再び最高値をうかがってきている。
■イケハヤ=靴磨きの少年アゲイン!
ただ、このような根源的価値が今一つよくわからない相場において、おもな目安になるものは何だろうか? それはチャートではないだろうか。相場は人間が行う取引によって形成されるもの。その人間はチャートを見ている。
すると、ビットコイン/円は5月下旬に30万円台後半の高値をつけ(※)、そこから長~い上ヒゲを形成して、急落していることが気になってこないだろうか。この5月下旬の高値はターゲットになりやすい存在ではないかと思える。
(※ビットコインは値が荒く、取引所によって、このときの高値の値は結構違うようではあるが、この付近で高値をつけたことには変わりがない)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
そして、現在(2017年8月8日)のビットコイン相場はその近辺にあるのだ。このあたりで相場はいったんの天井をつけるということはないだろうか?
何よりこのタイミングで、あのイケダハヤト氏が(広瀬隆雄氏の表現によると)ドヤ顔で「イケハヤを『靴磨きの少年』呼ばわりした『ザイFX!』の井口稔編集長、息してる~?」という記事を書いたのである。
この展開は………。イケダハヤト氏はまたしても「靴磨きの少年」になってしまうということはないだろうか???
このまま、5月下旬の高値を単なる通過点のようにして、ビットコイン/円相場がするするとさらに上昇してしまったら、筆者としては息もできなくなるような恥ずかしい話になるが、ここで「イケハヤ=靴磨きの少年アゲイン!」と書いてみたいという欲望を筆者はどうしても抑え込むことができなかった。
この話が外れたら外れたで、当たったら当たったで、「イケハヤさん、またネタにしてください」と最後に書いておきたいと思う。
(ザイFX!編集長・井口稔)
本件の続きについては以下の記事をご覧ください。
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