ボリ平ドラゴン式のおかげで余裕のある生活に
FXをやっていれば、どこかで聞いたことがあるであろう“ボリ平ドラゴン式”。
名古屋のFXトレーダー・ボリ平さんとそのブログ読者などが磨き上げた珠玉のスキャルピング手法だ。
「私、もともとは『ボリ平』じゃなかったんですよね。『fxlife30000』という名前だったんですが、いつの間にかみんなに『ボリ平さん』って呼ばれるように(笑)」
手法が個人の存在を追い抜いてしまったという感じか。
ボリ平さんは3人の子どもを抱えるシングルマザーであり、昼間は会社で働くOLトレーダーでもあるのだが、ボリ平ドラゴン式という武器を手にしてから生活が一変した。
食べ盛りの3人の子どもたちには不自由のない食生活と、進路選択の自由を提供。安定した生活の象徴であるボリ平さんの大好物、高級チーズの「パルミジャーノ・レジャーノ」も冷蔵庫に常備できるようになり―。
生活がかかっているから大きなリスクは負いたくない!
「FXをやっていて良かったなぁと幸せを感じる日々です。でも余裕資金で始めたわけじゃないから、絶対にFXで損はできない! なるべく小さなリスクで勝てる方法を! と考えて生まれたのがボリ平ドラゴン式なんです」
FXで大損するようじゃ、3人の子どももろとも路頭に迷いかねない。だからボリ平ドラゴン式はリスク限定だし、すぐに利益になるよう、超短期のスキャルピングだ。
気になるのはその詳細だが、ヒントはすでに提示済み。
「ボリンジャーバンドと、平均足を使う手法なので『ボリ平』、ドラゴンは一目均衡表の遅行スパンを私が勝手にそう呼んでいるんです」
一目均衡表の達人が最重要視することも多い遅行スパン
一目均衡表の中でも遅行スパンは不思議なラインだ。遅行スパンの引き方は超カンタン。終値を26本前のローソク足にシフトさせるだけ。それを結ぶと遅行スパンになる。
非常に単純なラインの遅行スパンだが、一目使いの達人たちでも遅行スパンを最重要視する人は多い。
「最初は何気なく一目均衡表を見ていたんです。でも、雲や基準線、転換線が邪魔だなと思って消していって、たまたま残ったのが遅行スパンだったんです。
遅行スパンを見ていると不思議と値動きがわかりやすくて。ウネウネと動く様子が龍のようだったので、『ドラゴン』と呼ぶことにしたんです」
ドラゴンこと遅行スパンをシンプルに示したのが下のチャート。このチャートではローソク足とピンク色の遅行スパンのみを表示している。これは確かにチャートの空を自由に飛び回る龍のように見えなくもない。
遅行スパン(ドラゴン)の位置は常に現在のローソク足よりも26本後ろ。「ラインチャートを26本後ろにズラした」とも考えられる。
ボリ平ドラゴン式を自分のチャートで再現してみよう
遅行スパンだけを表示させるには、一目均衡表を表示させて、雲や基準線、転換線を非表示にする方法が1つ。でも、もっと単純なのは移動平均線のパラメーターを「1」にして、後ろに26本分シフトさせる方法だ。これで遅行スパンが再現できる。
メタトレーダーの移動平均線を使って遅行スパンを描くには、「期間」を「1」に、「表示移動」を「-26」にすればOK。メタトレーダーは高性能なFXトレードツールの1つ。さらに詳しい情報は特設サイト「ザイFX!×メタトレーダー(MT4)」をご覧ください。
「メタトレーダー用のボリ平ドラゴン式テンプレートをブログで配布していますし、FXトレーディングシステムズやヒロセ通商、マネーパートナーズ、アイネット証券、ライブスター証券、FXCMジャパン証券などのチャートでも再現できると思います」
1分足チャートを平均足にして、ボリンジャーバンド(1~3σ、センターラインは20EMA)を加えたら、ボリ平ドラゴン式チャートの完成だ。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ボリ平氏のブログで配布しているメタトレーダー用のテンプレートを使うとこんな感じのチャートに。ただし、このチャートを含め、これ以降に掲載するチャートでは都合により、±4σのラインも表示しているが、今現在の「ボリ平ドラゴン式」では±4σは使わない。
チャートの準備ができたら、いよいよボリ平ドラゴン式の肝心要の部分を聞いていこう。
ドラゴンの「カクン」で値動きが反転する
「平均足の色を見て、平均足が同じ色で揃っていたらチャンスです。そのままドラゴンがボリンジャーバンドの3σを勢いよく突き抜けたとき、順張りでエントリーします」
ここで大切なのはドラゴンの勢い。あまり角度なく、だらだらと抜けるようなときは見送りだし、垂直に近いような急角度で抜けていったらかなり有望だ。
たとえば、陽線と陰線が入り交じっていた平均足の色が揃ってきて、ボリンジャーバンドのセンターラインも急角度になり始め、ドラゴンが直角に近い角度で勢いよく3σを突き抜けた――そんな感じが理想の順張りエントリー。
「利益確定するときはドラゴンの角度を気にして、カクンとなったところで決済するのが基本です。あとは直近高値を抜けるかどうかや、平均足の色も参考にします」
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
マルチタイムフレームでボリ平ドラゴン式を使い利を伸ばす
時間にして数分、5pips、10pipsといった利幅でのスキャルピング中心のボリ平さんだが、ときにデイトレになることもある。
「順張りだと、ときに大きな利益が狙えることもあるので、5分足や15分足でボリ平ドラゴン式を見て、長い足でもドラゴンが勢いよく伸びているようならそのままホールドすることもあります」
しかし、そうそういつもうまくいくわけじゃない。忘れちゃいけないのが損切りだ。
「ボリンジャーバンドの3σを勢いよく抜けてエントリーしたのなら、損切りはドラゴンが逆に3σの内側へ戻ってきてしまったときです」
「ボリ平ドラゴン式」の逆張りパターンとは?
順張りドラゴンの難点は、理想的なエントリーポイントがなかなかないこと。むしろチャンスが多いのは逆張りドラゴンだ。
「ドラゴンが勢いよく動いていたのに3σ付近で跳ね返されてしまうのはよくある動き。そんなときは逆張りでエントリーできます」
ドラゴンが上向いて、ボリンジャーバンドのセンターラインも上向き、あとは3σ抜けを待つだけ! なんて気合いを入れていたのにドラゴンがカクンとなって反落しちゃったら、逆張りで売ってみよう。
もし、ドラゴンがさらなる気まぐれぶりを発揮して3σを抜けたら損切りだ。
逆バリドラゴンは利益は少額だが、チャンスは多い
「逆張りの場合は、ボリンジャーバンドのセンターラインを目安に、5pips程度の小さな利益で決済することもよくあります。ただ、やっぱりドラゴンの動きを注視して、ドラゴンが勢いよく動いている限りはなるべく利益を伸ばします」
逆張りドラゴンはチャンスが多いが、利益は少額になりがち。欲張らずに早めの決済を心がけておこう。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
ドラゴンを観察し、生態をつかむのがマスターの秘訣
以上がボリ平ドラゴン式の基本。ボリンジャーバンドの角度や平均足の色、そして何よりドラゴンの動きといったところがポイント。興味を持った人はリアルタイムで動くチャートを数多く見て、ドラゴンの生態、習性を観察してみよう。
(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
こんな感じで、主要通貨ペアのチャートを並べてドラゴンに注目し、ドラゴンが動き出したチャートを大きくして見るのが効率がいいかも。
ボリ平さんが取引するのはユーロ/米ドルや米ドル/円、英ポンド/米ドルなど。主要通貨ペアならどれでもイケるし、ボリ平さんのような1分足でのスキャルだけでなく、5分足や15分足でのデイトレ、さらには1時間足、4時間足といった長めの足でのスウィングトレードにも使える。
バイナリーオプションでも使えるドラゴン
「ドラゴンはホントに頼りになる。最近はバイナリーオプション(※)もよく取引しているのですが、そのときもドラゴンを見ながらやっています」
「ドラゴン使い」はボリ平さんだけじゃない。ブログやSNS、動画サイトなどでの交流を通じ、日本人だけでなく外国人トレーダーも交えた議論の末に行き着いたのが現在のボリ平ドラゴン式のカタチ。みんなが育てたドラゴンなのだ。
スキャルピングにはクセのある手法も多いが、みんなが育てたという事実は使いやすさの裏返しでもある。ボリ平ドラゴン式、ぜひ試してみて!
(※編集部注:「バイナリーオプション」にはいくつかの種類があるが、「購入時もしくは購入締切時」の為替レートよりも「判定時」の為替レートが「上がったか、下がったか」だけで当たりはずれが決まるものが代表的。
(「ロンドンコーリング手法、ハイロウズOCO手法を使って、相場にワナを仕掛けよう!」へつづく)
(取材・文/高城泰(ミドルマン) 撮影/倉部和彦)
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※スプレッドはすべて例外あり。この表は2024年11月5日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、各FX会社の公式サイトなどで確認してください |
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