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ハイパーニート・ポイン氏はどのように
仮想通貨に出会い、億り人になったのか?

2018年10月22日(月)15:15公開 (2018年10月22日(月)15:15更新)
ザイFX!編集部

【副業FXで勝つためのメルマガ】田向宏行さんのFXメルマガは儲かるのか? ダウ理論の転換トレードで検証したらこうなった!

■仮想通貨ブロガー・ポインさん登場!

 2018年9月中旬、30円だったリップルが2日後には2倍近い55円に、さらに次の日には一部の取引所で86円の高値をつけた。4日間で30円から86円への暴騰だ。

リップル/円 日足
リップル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:リップル/円 日足

 「久しぶりにリップラーが活気づきましたよね。ただ、リップルはボラティリティがすごい。上がった時にはこまめに利益確定しないといけません。

 僕も保有していたリップルの一部をビットコインに交換しました」

 と教えてくれたのは、仮想通貨ブロガーのポインさん@poipoikunpoi)。ブロックチェーン関連のイベントにパネリストとして参加したり、書籍『仮想通貨1年生の教科書』(ポイン著 扶桑社、税込み1620円)を出版したりと、個人投資家の枠を超えて活躍。仮想通貨バブルのド真ん中にいたのがポインさんだ。

ポインさんプロフィール

 「以前はイベントに参加するとき、お面をつけて登壇していたんです。仮想通貨の世界では物騒な事件も起きていましたし、顔出しすることのリスクもあるなと。

 でも最近はもう開き直っています。イベントではお面をつけずに出るし、その写真がSNSにアップされたこともあるので、もういいや、と。

 でも、こうしてメディアで顔を出すのは、今回が初めてです。どうせ仮想通貨バブルもはじけましたし(笑)」

 そう、今回ポインさんは、ザイFX!の取材に、メディアでは初となる「顔出しOK」で応じてくれたのだ。

これまでメディアの取材にはお面をつけていたポインさんだが、今回、ザイFX!の取材で初めて顔出しで登場してくれた

これまでメディアの取材時にはお面をつけていたポインさんが、今回、「ザイFX!×ビットコイン」で初の顔出し!

 イベントや書籍を通じて仮想通貨の啓蒙活動を行なうポインさん。仮想通貨バブルとその崩壊を自身の投資歴とともに振り返ってもらいながら、未来を展望してもらおう。

ポインさんと仮想通貨の出会いから仮想通貨バブルに乗って億り人になるまでの道のりがギュギュっと詰まった1冊。仮想通貨トレードの解説もあるので、これから始めようと思っている人にもピッタリ!

⇒Amazon.co.jpで『億り人ハイパーニートポインの 仮想通貨1年生の教科書 』(ポイン著)を見る

■仮想通貨バブルでいくらでも資産が増える気がした

 「去年(2017年)の仮想通貨バブルではいくらでも稼げる気がしたし、資産がどこまでも増えるのでは…と思うくらいでした。

 結果的にバブルにうまく乗れたと思いますし、投資経験のない素人だから市場のセオリーから反するような行動ができたのかなとも思います。

1年もかからずに100倍の値上がりなんて、通常の金融市場では考えられないことですよね」

ビットコイン/円 月足
ビットコイン/円 月足

(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:ビットコイン/円 月足

リップル/米ドル 週足
リップル/米ドル 週足

(出所:TradingViewによるXRPUSDチャート

■仮想通貨との出会いは詐欺セミナー

 こう振り返るようにポインさんは仮想通貨が初めての投資だった。扉を開いたのはリップルだ。

 「2016年12月でした。あまりの激務に会社を休職していた際、友人に連れられて足を運んだのが、仮想通貨のセミナーだったんです。『仮想通貨は有望だけどビットコインはもう高い、リップルは次世代の仮想通貨だから上がるよ』と、そんな話を聞かされました。

 でも、そのセミナー、『リップルは、うちの会社からしか買えません!』と言っていて、仮想通貨については何も知らない状態の僕でも『これは詐欺だ』とわかりました(笑)」

仮想通貨が初めての投資だったと話すポインさん。きっかけは、友人に誘われて行った、詐欺セミナーだったそうだ

 リップルに心を奪われたポインさんは家に帰ると早速、自分でも調べてみた。

 「やはり有望だと思えたし、その会社からでなくても買えることがわかったので早速、口座を開いて購入しました。最初は5万円分くらいだったと思います。

 それから少しずつ、資金を追加して100万円分ほどの仮想通貨を購入しました。リップルが中心、それにビットコインとイーサリアムです」

 購入の3か月後、0.6円付近で購入したリップルは8円へと上昇する。10倍超の値上がりだ。

■リップル400円で時価評価資産は億越えへ!

 「それどころか、ゴールデンウィークには50円台に上昇しました。期待以上の上昇でした。資産は2500万円ほどになり、原資の100万円を抜いて、借金を返済しました」

 しゃ、借金……?

 「じつは奨学金や資格を取得するための費用など600万円の借金がありました。それにリップルへ投じた100万円も半分はカードローンから借りたお金だったんです。

 今思えば無謀としか思えないし、決して推奨できる行為ではありませんが……」

購入したリップルがグングン上昇し、利益で借金を返したというポインさん。リップルへ投じた資金も半分は借金だったとか…。「絶対、マネしないでください!」とのこと

 さらに2017年末、リップルは400円へとタッチする。ポインさんが最初に買った価格から700倍近い上昇だ。

 「時価評価した資産は億越えになっていました。ただ、その頃にはリップルだけでなく、ICOや取引所トークンなど、他の仮想通貨にも資産を分散するようになっていました」

リップル/円 週足
リップル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:リップル/円 週足

■仮想通貨内のプチバブルを乗りこなす

 2017年の仮想通貨バブルでは、バブル内バブルともいうべき動きが起きていた。そのひとつが「ICOバブル」だ。

 2017年で見てみると、最近、67億円相当の仮想通貨が不正消失した「Zaif」を運営するテックビューロは100億円以上を集めたし、「Filecoin」は約257億円を調達した。2018年は、暗号化メッセージアプリ「テレグラム」が17億ドル=約1904億円(1ドル=112円換算)を調達している。

【参考記事】
流出事件のZaifはフィスコ仮想通貨取引所に吸収! テックビューロは廃業へ。70億円分の補償は?
「またか!?」 Zaifで67億円相当の仮想通貨消失! フィスコ、50億円の金融支援で顧客損失補填へ!?

 「昨年(2017年)はICOトークン全盛期。リップルの一部を利益確定し、ICOで利用されるイーサリアムへ移してICOに応募する、ということを繰り返し行なっていました。

 購入したICOトークンが取引所へ上場すると、即座に2倍、3倍になる。本当にバブルでした。STATUSやTenX、それに日本企業が行なう初めての本格的なICOとして話題になったALIS――かなり高い勝率で資産を増やせました」

2017年はICOトークン全盛期だったと話すポインさん。購入したICOトークンが取引所へ上場すると即座に2倍、3倍になったとか。ポインさんもこの流れに乗ってしっかり利益を出していた

2017年はICOトークン全盛期だったと話すポインさん。購入したICOトークンが取引所へ上場すると即座に2倍、3倍になったとか。ポインさんもこの流れに乗ってしっかり利益を出していた

■2018年前半に起きていた取引所トークンの波

 しかし、そんなICOバブルも終焉を迎えたようだ。

 「世界的なICO規制強化の流れもあって、一般の個人投資家向けに募集するものが減りましたね。今は大口の投資家やファンドを対象にしたクローズドなICOが中心ですし、逆にパブリックに集めるものは『ファンドから調達できなかったからだろうか』と猜疑心を持たれてしまう。

 個人的にも、今はまったくICOに資金を入れていません。その代わりに昨年(2017年)末から今年(2018年)前半、よく取引していたのが『取引所トークン』でした」

 取引所トークンは、仮想通貨取引所が発行する独自の仮想通貨だ。

 「プロダクトやサービスが未完成のまま資金調達を行なうICOと異なり、取引所トークンはすでにサービスインしていることが特徴。

 世界最大手の一角であるバイナンスやOKEx、ビットトレードを買収したHuobiなどが発行しています」

 取引所ごとに特徴は異なるが、取引所トークンを利用すると取引手数料が割り引かれたり、取引所の利益の一部を配当として受け取れたりといった特徴がある。

 「仮想通貨を利用したエコシステムがすでに完成しているのが、取引所トークンの魅力でした。しかし、盛り上がりすぎたのか、新興の取引所までトークンを発行して乱立状態となり、資金が分散するようになってきた。

『取引所マイニング』と呼ばれる取引量に応じてキャッシュバックのようにトークンを支払うしくみも出てきて末期状態となっています」

ICOに代わり、昨年(2017年)末から2018年前半にかけて、ポインさんがよく取引していたのが「取引所トークン」。取引所トークンを利用すると、取引手数料が割り引かれたり、利益の一部を配当として受け取れるなどの特徴があるという

■次なる期待はビットコインと――

 2016年末からビットコインがバブルを起こし、アルトコインへと飛び火し、さらにICOでもバブルがふくれ、今年(2018年)は取引所トークンが盛り上がりと、仮想通貨市場で次々に浮上するテーマをポインさんはうまく乗りこなしてきた。

 「今はどうかというと、正直、それほど取引していないんです。9月のリップルのようにまれに吹き上がるコインもありますが、長い足を見ても下落基調。

 去年(2017年)のように吹き上がってのヨコヨコからまた吹き上がる、ということもなく、吹き上がったら急落するような相場です。保有コインが吹いたらビットコインに変えるくらいですね」

最近はそれほど取引していないという ポインさんだが、次に大きく値上がり するのはビットコインだろうと考えて いるという。ただ、バブルの後遺症も あるので、すぐにグングン上がって いくようなイメージはないそうだ

 フィアット(法定通貨)ではなく、ビットコインに変えるのはどんな意図があるのだろう。

 「主要な仮想通貨を見渡すと、次に大きく値上がりするのはビットコインだろうと考えています。今年(2017年)、イーサリアムはビットコイン以上に下落しています。ICOバブルのツケを払いきれていないためです。

 昨年(2017年)、ICOを行なったプロジェクトは大量のイーサリアムを保有しています。そのうち、まだ25%程度は売却されず保有されているとの推計があり、今後の売り圧力も無視できない」

イーサリアム/円&ビットコイン円
イーサリアム/円 ビットコイン円 日足

(出所:TradingViewによるチャート

■「あの時、買っておいてよかった」と思える日

 残り75%のイーサリアムが今後、市場で売却されるのだとすれば下落余地は大きい。

 「リップルは9月に急騰、急落したようにボラティリティが非常に大きい。長期保有で放ったらかすというよりは上がった時は利益確定し、下げたところで買い直して…と細かなオペレーションが必要です」

 時価総額トップ3のうち、2位のイーサリアムと3位のリップルがそうした状況だと、残るのはビットコインということになる。

 「そうはいっても昨年(2017年)のバブルがすごすぎた。2019年末に200万円台へ復帰できれば…くらいの気持ちでいますし、あれだけのバブルであれば後遺症も大きい。4、5年はヨコヨコの相場が続く可能性もあると思います。

 しかし、仮想通貨のポテンシャルは大きい。いずれ『あの時、買っておいてよかった』と思う日がくるのでしょう」

 ポインさんがビットコインへ期待を寄せている様子はポジション比率を見るとよくわかる。アルトコイン祭りと呼ばれる暴騰劇が起きた昨年(2017年)のゴールデンウィークには半分近くがリップルだったのに対して、現在はビットコインが過半数。アルトコインを徐々にビットコインへと変えているためだ。

ポインさんのポートフォリオの変化

■PoS採用で先行するアルトコインに注目

 「アルトコインで期待しているのはEOS。イーサリアムと似たスマートコントラクトなどを得意とする仮想通貨で、『DApps』と呼ばれる分散型アプリケーションのやり取りでの利用が期待されています。最近勢いを感じますし、イーサリアムと違うのはコンセンサスの形成方法です」

 イーサリアムは現在、ビットコインと同じくハッシュパワーが多いほど採掘しやすい「PoW」(プルーフ・オブ・ワーク)だが、近い将来、「PoS」(プルーフ・オブ・ステーク)への移行が計画されている。PoSではハッシュパワーではなく、保有する仮想通貨の量が多いほど採掘しやすくなる

 「EOSはすでにPoSを採用しています。PoSを実装していて、現時点で時価総額が最も大きな仮想通貨はEOSです。PoSがきちんとワークするのなら、EOSには期待が持てそうです」

■3大取引所すべてが新規口座開設停止の影響

 しかし、2018年1月にはコインチェックが、同9月にはZaifが、相次いで大規模な不正流出事件に見舞われた。

【参考記事】
コインチェック事件は全額返金で一転解決!? 消えた580億円分の仮想通貨NEMどうなる?
流出事件のZaifはフィスコ仮想通貨取引所に吸収! テックビューロは廃業へ。70億円分の補償は?
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 個人投資家にとって、仮想通貨は安心して投資できる対象とはいい難い面がある。そんな状況でも、再びビットコインが買われるターンが来るのだろうか。

 「Zaifの盗難はコインチェックほどのニュースにもなっていません。そこまで大きな影響があるとは思いませんが、これで国内の3大取引所であるビットフライヤー、コインチェック、Zaifがいずれも新規の口座開設ができない状況となってしまった(※)

 いずれ再開するのでしょうが、初心者の入り口がなくなってしまった影響は、短期的にはあるでしょう」

(※編集部注:この取材は2018年9月28日(金)に行いました。Zaifを運営するテックビューロは10月10日(水)に、金融支援についてフィスコと正式契約を締結したと発表しています。詳しくは以下の【参考記事】をご覧ください)

【参考記事】
「またか!?」 Zaifで67億円相当の仮想通貨消失! フィスコ、50億円の金融支援で顧客損失補填へ!?
流出事件のZaifはフィスコ仮想通貨取引所に吸収! テックビューロは廃業へ。70億円分の補償は?

■退職した途端のバブル崩壊で生活への影響は…

 今年(2018年)、ポインさんは休職中だった会社を正式に退職した。仮想通貨バブル崩壊の影響はないのだろうか。

 「瞬間的に億越えとなった資産は激減していますが、それは計算済み。今はブログからの収入もあり、生活に大きな影響はありません。

 今年(2018年)はマルタに行ってきたんです。海外取引所の大手が拠点を置く国はどんなだろうかと、様子を見ておきたかったので」

友人の結婚式もありマルタを訪れたポインさん。規制のゆるいマルタには少なからぬ仮想通貨取引所が拠点を置いている

■仮想通貨とは貧者の武器である

 激務による休職、億越えへの到達と陥落、SNSでの影響力獲得、セミナーへの登壇、著書の刊行、退職――2年間でポインさんの人生は激変した。すべては仮想通貨がもたらした変化だ。

 「仮想通貨とは、『貧者の武器』だと痛感しています。仕事がなく、資産もない僕が今、こうして『ハイパーニート』を自称しながら温泉三昧の日々を送れるのは、2年前には考えられなかったこと。

 すべて仮想通貨のおかげです。本当に人生を救われました」

(編集担当:庄司正高 特記以外の撮影:小島真也)

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