今週からコラムを再開させていただきます。
本年もよろしくお願いします。
■フラッシュ・クラッシュをこなし、米ドル/円はもみ合いへ…
2018年11月~12月のコラムでご紹介させていただいたとおり、2019年の注目通貨の1つは米ドル/円。ターゲットは、まず、105.00円。
株の動向次第では100.00円割れの可能性もあるというのが、米系のマーケット参加者のコンセンサスでした。
【参考記事】
●2019年の米ドル/円は105円台へ下落か。リスクオフ相場到来なら100円近くまで想定(2018年12月27日、西原宏一)
そして、その最初のターゲットである105円台に、今年(2019年)のマーケットが始まった直後に到達しました。
1月3日(木)の米ドル/円は、早朝の薄い時間帯にあっという間に104円台まで暴落しています。
この短時間での急落は「フラッシュ・クラッシュ」の動きとなり、その後の米ドル/円は急速に値を戻す展開。
(出所:Bloomberg)
本稿執筆時点での米ドル/円は、109.70円で推移。
このレベルは、今年(2019年)の米ドル/円のスタート時点のレートです。
過去のユーロ/スイスフランや英ポンド/米ドルで起きたように、一度、フラッシュクラッシュで急落を演じた相場は、当面、方向感のない持ち合い相場に終始する傾向があります。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
米ドル/円の中期トレンドは、変わらず「米ドル安・円高」。
ただ、前述のように、年初の米ドル/円はフラッシュ・クラッシュで5円超の暴落を演じたため、当面108.00~111.00円での調整相場を演じる公算が高まっています。
(出所:Bloomberg)
■合意なきEU離脱懸念後退で英ポンドは上昇
そして、その米ドル/円の代わりに、為替相場の主役に躍り出たのが英ポンドです。
年末、年始の英ポンドは「合意なきEU離脱」懸念が拡大し、続落。
1月3日(木)に米ドル/円がフラッシュクラッシュを引き起こした局面では、英ポンド/円は、一時131.70円台まで急落しています。
しかし、急落後の英ポンドは一転して大きく値を戻し、本稿執筆時点では143円台まで急反発しています。
(出所:Bloomberg)
その要因は「合意なきEU離脱」懸念の後退。
後述するように、ゴールドマン・サックスを筆頭に、英ポンドに対する強気、もしくは楽観的なコメントが増えてきました。
ポンドは全面高へ-ゴールドマンが「ソフト」か「ノー」ブレグジット予想
ゴールドマン・サックス・グループは、ポンドが今年すべてのG10通貨に対して上昇する可能性があると指摘する。
英国の合意なき欧州連合(EU)離脱(ハードブレグジット)のリスクが後退したとみているためだ。
出所:Bloomberg
たしかに、英ポンド/米ドルは…
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