■米ドル買い需要高まり、米ドル/円は110円が妙に底堅い
みなさん、こんにちは。
このところの米中通商協議の改善を背景に、上海株、米国株が牽引する形で、グローバルに株は堅調ですが、リスクオフに傾斜する局面も多く見られます。
【参考記事】
●日経平均は買えないが、短期的にドル/円は買ってもいいと考えるワケは?(2月25日、西原宏一&大橋ひろこ)
たとえば、昨日(2月27日)の相場では、インドとパキスタンの緊張の高まりから、マーケットは一時リスクオフへ。
米ドル/円は、一時110.36円まで下落しました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
同日(2月27日)のNY市場では、ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が「中国の経済モデルに『著しい構造的変化』をもたらす合意を米国は求めている」と議会で証言。
彼の中国に対する強硬なコメントを受けて、米国株は、やや売りが優勢な展開に。こちらも「リスクオフ要因」で、米ドル/円の売り材料です。
ただ、このところの米ドル/円は、110円台前半が妙に底堅く、リスクオフに傾斜する報道が相次いでも米ドル買いが引かずに、再び110円台後半に押し上げられています。
これは、前回のコラムでもご紹介させていただいた、本邦機関投資家と思われる米ドル買い需要の高まりが影響していると想定しています。
【参考記事】
●米中協議進展でリスク環境は徐々に好転。中国人民元安定化が豪ドル反発を後押し!?(2月21日、西原宏一)
■本邦勢の手当て遅れ、米ドル/円は早晩111円回復へ
米ドル/円は、1月3日(木)のフラッシュ・クラッシュで急落したときの安値が104.87円。
それ以降、反発を続けているのですが、反発を支えた形になっているのが、本邦機関投資家からの米ドル買いです。
フラッシュ・クラッシュからの反発過程の中で、彼らが米ドル買いを持ち込んだとウワサされ、そのレベルは107.50円、108.50円と徐々に切り上がっています。
それにしたがって、米ドル/円の下落幅も限定的に。
ただ、彼らは上値を追うことはなく、あくまでも米ドル/円の反落局面を待っていたのですが、先週(2月18日~)から、その米ドル買い注文が110円台前半まで上がってきており、本稿執筆時点では110.00円がかなり底堅い展開となっています。
マーケットの憶測では、彼らが米ドル買い注文のレベルを110円台まで押し上げてきたのは、3月期末が近くなったためだとされています。
既報のように、年初の米ドル/円は、104.87円までの暴落からスタートしています。
よって多くの機関投資家は、米ドルの反落局面を待つというスタンスをとっていたのですが、そうした思惑とは相違し、米ドル/円は大きな押し目もなく、110円台まで反発。
結果、多くの本邦機関投資家の米ドルの手当が遅れていることから、3月の期末に向けて米ドル/円は底堅い動きを続け、早晩111円を回復してくるのではないかと想定しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
一方、今週(2月25日~)の…
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