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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

EU離脱を巡る再国民投票の可能性浮上!
英ポンド/円は節目の150円突破も視野に!?

2019年02月28日(木)16:35公開 (2019年02月28日(木)16:35更新)
西原宏一

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■米ドル買い需要高まり、米ドル/円は110円が妙に底堅い

 みなさん、こんにちは。

 このところの米中通商協議の改善を背景に、上海株、米国株が牽引する形で、グローバルに株は堅調ですが、リスクオフに傾斜する局面も多く見られます。

【参考記事】
日経平均は買えないが、短期的にドル/円は買ってもいいと考えるワケは?(2月25日、西原宏一&大橋ひろこ)

 たとえば、昨日(2月27日)の相場では、インドとパキスタンの緊張の高まりから、マーケットは一時リスクオフへ。

 米ドル/円は、一時110.36円まで下落しました。

米ドル/円 1時間
米ドル/円 1時間

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

 同日(2月27日)のNY市場では、ライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が「中国の経済モデルに『著しい構造的変化』をもたらす合意を米国は求めている」と議会で証言。

 彼の中国に対する強硬なコメントを受けて、米国株は、やや売りが優勢な展開に。こちらも「リスクオフ要因」で、米ドル/円の売り材料です。

 ただ、このところの米ドル/円は、110円台前半が妙に底堅く、リスクオフに傾斜する報道が相次いでも米ドル買いが引かずに、再び110円台後半に押し上げられています。

 これは、前回のコラムでもご紹介させていただいた、本邦機関投資家と思われる米ドル買い需要の高まりが影響していると想定しています。

【参考記事】
米中協議進展でリスク環境は徐々に好転。中国人民元安定化が豪ドル反発を後押し!?(2月21日、西原宏一)

■本邦勢の手当て遅れ、米ドル/円は早晩111円回復へ

 米ドル/円は、1月3日(木)のフラッシュ・クラッシュで急落したときの安値が104.87円。

 それ以降、反発を続けているのですが、反発を支えた形になっているのが、本邦機関投資家からの米ドル買いです。

 フラッシュ・クラッシュからの反発過程の中で、彼らが米ドル買いを持ち込んだとウワサされ、そのレベルは107.50円、108.50円と徐々に切り上がっています。

 それにしたがって、米ドル/円の下落幅も限定的に。

 ただ、彼らは上値を追うことはなく、あくまでも米ドル/円の反落局面を待っていたのですが、先週(2月18日~)から、その米ドル買い注文が110円台前半まで上がってきており、本稿執筆時点では110.00円がかなり底堅い展開となっています。

 マーケットの憶測では、彼らが米ドル買い注文のレベルを110円台まで押し上げてきたのは、3月期末が近くなったためだとされています。

 既報のように、年初の米ドル/円は、104.87円までの暴落からスタートしています。

 よって多くの機関投資家は、米ドルの反落局面を待つというスタンスをとっていたのですが、そうした思惑とは相違し、米ドル/円は大きな押し目もなく、110円台まで反発。

 結果、多くの本邦機関投資家の米ドルの手当が遅れていることから、3月の期末に向けて米ドル/円は底堅い動きを続け、早晩111円を回復してくるのではないかと想定しています。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

■英ポンド上昇の3つの要因とは?

 一方、今週(2月25日~)の為替マーケットの主役は英ポンド。

 英ポンド上昇の背景としては、3点あります。

 まず、(1)ノーディールブレグジットの可能性が急低下したこと、(2)EU(欧州連合)離脱期限延期の可能性が急浮上したこと、そして、ロンドンの友人がもっとも影響が大きかったと言っているのが、(3)再国民投票の実施の道筋が見えてきたこと。

 再国民投票の可能性が浮上したのは、労働党党首のコービン氏の方針転換。

英労働党党首、EU離脱で再国民投票支持-「有害な離脱阻む」

英最大野党・労働党のコービン党首は、党内からの圧力に屈する形で、英国の欧州連合(EU)離脱を問う2回目の国民投票実施を支持することに同意した。

出所 Bloomberg

 同じく野党の自民党は、もともと再国民投票を主張、そして、コービン党首の方針変換により、労働党も90%程度、再国民投票を支持することになったため、実施の可能性が浮上したのです。

(※90%というのは、コービン党首が方針変換をしたことを100%信頼できないため。)

 保守党は、ざっくりと6対4ぐらいでEU離脱派といえるので、再投票に対する抵抗は相当強いのですが、労働党のコービン党首の方針変更は、再国民投票の可能性を高めたことには変わらず、マーケットはこの報道を好感。

 英ポンド/米ドルは、一時1.3350ドル、英ポンド/円で148.04円まで上昇。ユーロ/英ポンドでは0.8529まで英ポンドが急落しました。英ポンド/米ドルは1.35~1.38ドルに向けて上昇中です。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

■英ポンド/円は150円を超えて続伸する可能性が高い

 注目は、英ポンド/円。

 3月期末に向けて、本邦機関投資家の米ドル買い需要の高まりで、米ドル/円の下値が限定的な環境下、再国民投票の可能性が浮上したことで英ポンド/米ドルが続伸すれば、必然的に英ポンド/円は高騰。

 英ポンド/円は、節目の150円を超えて続伸する可能性が高いと考えています。

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足

(出所:Bloomberg)

 3月期末に向けて、底堅く推移している米ドル/円と、英ポンド/円の動向に注目です。


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