■米中貿易協議、Brexit、米債務上限などの「期限」迫る
今週(2月25日~)はさまざまな「期限」の週ですね。3月1日(金)は米中貿易協議の交渉期限ですし、アメリカの債務上限の適用再開が3月2日(土)。Brexit(英国のEU離脱)も3月29日(金)が期限です。
いちばんは米中貿易協議でしょうね。週末にはトランプ米大統領がライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表への不満を爆発させる場面もありましたが、今朝(2月25日)は「中国との貿易協議で十分な進展があった」として1~2週間程度、期限を延長させる方針を示しています。
【参考記事】
●米中協議進展でリスク環境は徐々に好転。 中国人民元安定化が豪ドル反発を後押し!?(2月21日、西原宏一)
米中貿易協議の期限延長についてはある程度、織り込まれていましたし、それを受けて市場はリスクオンに傾いていました。NYダウの週足は9週連騰です。

(出所:Bloomberg)
■トランプ大統領とライトハイザー代表に不協和音
トランプ大統領の発言を聞くかぎり、交渉は進んでいるのでしょう。株式市場にはポジティブですし、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)にもポジティブです。
それに昨年(2018年)、米中の関係悪化で主要通貨中、もっとも売られたのは豪ドル。
「キミは中国の通貨なのか?」と言いたくなるほど中国と一心同体でした。逆に交渉の進展で豪ドル買いが強まってもおかしくありません。

(出所:BloombergのデータよりザイFX!編集部が作成)
今週(2月25日~)はFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言が2月26日(火)、27日(水)に予定されていますが、ライトハイザー代表の議会証言も27日。
米中貿易交渉の覚書を巡ってトランプ大統領との不協和音が報じられているのが気がかりですし、27日には注目ですね。
■英国のEU離脱は「最大2カ月延期」も
Brexitについては、今週(2月25日~)予定されていた議会採決を3月12日(火)に延期するとメイ英首相が表明しました。
3月末のBrexitそのものも「離脱日を最長で2カ月延期する案を検討している」と英紙が報じています。
アクシンデタル(偶発的)に「ノーディール」となる可能性も残っていますが、それを避けるには延期しかないのでしょう。
ユーロ/米ドルは、1.12ドルから1.15ドルで膠着していますが、Brexitがはっきりしないと、ユーロが動けないということだと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
次回3月7日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会ではTLRTO(条件付き長期リファイナンスオペ)について議論されるのでしょうし、それを考えるとベアなんですけどね……。
TLTROがあるし、イタリアはリセッション入り、中国の影響でドイツ経済も危うい、スペインでは4月に総選挙――ベア材料がそろっているのですがユーロは落ちません。やはりBrexit待ちなのでしょう。
(次ページでは、米ドル/円の戦略やビットコイン急落の話題が…)
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