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南アフリカランドの特徴や為替見通しを
徹底解説。FXで取引するポイントは?

2020年05月29日(金)12:30公開 (2021年05月10日(月)12:16更新)
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【2021年5月10日(月)更新】

 先進国通貨に比べて金利水準が相対的に高く、スワップポイント(スワップ金利)狙いの通貨として、多くのFX投資家に人気の南アフリカランド(南アランド)

南アフリカ共和国の国旗

 南アフリカランドの外国為替市場での取引量はそれほど多くなく、マイナー通貨という位置づけにありますが、日本では、ほぼすべてのFX会社で南アフリカランド/円(ZAR/JPY)が取引できることからも、FX投資家からの注目度の高さがわかります。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:南アフリカランド/円が取引できるFX会社はここだ!

 2021年5月上旬現在、南アフリカランド/円は7円台半ばから後半を中心に推移しています。仮に8.00円としても、南アフリカランド/円の取引に必要な証拠金は、1000通貨取引で320円、1万通貨取引でも3200円と、非常に少ない資金で取引できます(※)。このことも、南アフリカランド/円が人気を集める理由の1つになっているのではないでしょうか。

(※レバレッジ25倍の場合。為替レートの水準が同じでも、取引に必要な証拠金の金額はFX会社によって異なる場合があります)

南アフリカランド/円(ZAR/JPY)リアルタイムレート

 南アフリカランド/円は長期的に下落傾向をたどってきて、2020年3月には節目の6円を割り込み、史上最安値を更新しました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染者数が世界規模で拡大し、南アフリカにも大きな影響が及んだにもかかわらず、そこからの南アフリカランド/円は下落が落ち着き、下値の堅さを感じさせながら7円台後半まで下げ幅を縮めてきた状況です。

南アフリカランド/円 週足チャート

 そういった面からも、今は「高水準のスワップポイントが期待できる」「少額で取引できる」といったメリットがある南アフリカランド/円の取引を始めるのに、良いタイミングであると考えることができるかもしれません。

 そこで、本記事では南アフリカの経済情勢や取り巻く環境など、南アフリカランド投資に関する基本的な情報を確認し、南アフリカランド/円の今後の見通しやポイント、できるだけ有利な条件で南アフリカランド/円が取引できるFX会社などについてご紹介します。


【目次(もくじ)】

南アフリカの基本情報と経済情勢
- 南アフリカの基礎データ
- GDPと物価の動向
- 国際競争力と成長率
- 極めて高い失業率
- 基本情報と主要経済データのまとめ

南アフリカの貿易とコモディティ価格の関係
- 主な輸出入品目と貿易相手国
- 南アフリカランドと金価格の関性

南アフリカの格付けと政策金利
- 格付けは「投資不適格級」
- 政策金利は「過去最低」水準

南アフリカランドの見通しと投資のポイント

南アフリカランド/円取引でおすすめのFX会社
- 買いのスワップポイントが有利なFX会社
- 売りのスワップポイントが有利なFX会社
- スプレッドが有利なFX会社


■南アフリカの基本情報と経済情勢

・ 南アフリカの基礎データ

 南アフリカランドを法定通貨とする南アフリカの正式名称は、南アフリカ共和国(Republic of South Africa)

 面積は日本のおよそ3.2倍、約122万平方キロメートル。世界で24番目に大きい国であり、アフリカ大陸最南端にあります。首都は北東部に位置するプレトリアで、その南部に、南アフリカ経済の中心地として知られるヨハネスブルグが位置しています。

南アフリカの地図

(出所:Google)

 南アフリカ統計局の推計によると、2020年半ば時点の南アフリカの人口は5962万人。そのうちのおよそ8割を黒人が占めます。過去に、少数の白人による支配を確立するために法制化された人種隔離制度、「アパルトヘイト政策」によって、黒人や有色人種に対する差別的な政策が存在していたことは、ご存知の方も多いでしょう。

 その後、アパルトヘイト政策の関連法は1991年に廃止され、英連邦と国連(国際連合)に復帰。1994年4月の全人種が参加した総選挙で、圧倒的な得票率を得たANC(アフリカ民族会議)の議長、ネルソン・マンデラ氏が大統領に就任し、白人と黒人間の対立や格差の是正、経済を立て直すための復興開発計画などが実施されました。

 以降、ANCは現在に至るまで、南アフリカ議会の上院(全国州評議会)・下院(国民議会)の両方で過半数を超える議席数を有し、大統領を擁立しています。現在の大統領は、ANCの第14代議長となる、シリル・ラマポーザ氏です(任期は2024年実施予定の総選挙まで)。

南アフリカの基本情報
南アフリカの基本情報

南アフリカ統計局南アフリカ財務省などのデータをもとに作成

・ GDPと物価の動向

 南アフリカは、アフリカ諸国で唯一のG20(主要20カ国・地域)メンバーで、2010年にはアフリカ諸国で初となるサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催地として成功を収めるなど、アフリカ有数の経済大国として知られています。

 2000年代初頭には、BRICs(※1)の構成国と言われるほど、大きな経済成長が見込まれていました。また、エコノミストの門倉貴史氏が提唱するVISTA(※2)の構成国としても注目を集めました。

 そんな南アフリカの2019年の名目GDP(国内総生産)は、およそ5兆776億ランド。物価変動の影響を除いた実質GDPは2010年を基準年として算出すると約3兆1493億ランドで、ともに金額ベースの経済規模は拡大が続いており、この先も拡大していくと予測されています。

南アフリカGDP(自国通貨建て)の推移
南アフリカGDP(自国通貨建て)の推移

※単位:億ランド
※2020年以降の数値(グラフの破線部分)はIMFによる予測
※実質GDP算出の基準年は2010年
IMF「World Economic Outlook Databases」(2020年10月版)をもとに作成

 実質GDPと比較した名目GDPの伸び方からも推測できるとおり、南アフリカは新興国特有ともいえるインフレ体質にあることがわかります。南アフリカのCPI(消費者物価指数)は、ここ数年、4~6%の間を中心に推移しています。

南アフリカ消費者物価指数(前年比)の推移
南アフリカ消費者物価指数(前年比)の推移

※単位:%
※2020年以降の数値(グラフの破線部分)はIMFによる予測
IMF「World Economic Outlook Databases」(2020年10月版)をもとに作成

 しかし、これは南アフリカの中央銀行であるSARB(南アフリカ準備銀行)が目標範囲とする4~6%の間でおおむね推移していることから、物価の面で見ると、現状ではSARBによる過度な金融政策の引き締めや緩和の必要性は感じられない水準と言えそうです。

(※1「BRICs」とは、今後、大きな経済成長が見込まれる新興国で、本来はブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の4カ国の頭文字をつなげた造語であるが、最後の文字「s」を南アフリカとして、計5カ国を指す場合もあった。2001年に米投資銀行、ゴールドマン・サックスのエコノミストが投資家向けレポートで紹介し、世界中に広まった)
(※2「VISTA」とは、地理的なバランスと高成長のための条件が揃っていて、ポストBRICsの候補として選出されたベトナム(V)、インドネシア(I)、南アフリカ(S)、トルコ(T)、アルゼンチン(A)の5カ国の頭文字をつなげた造語)

・ 国際競争力と成長率

 国際的な競争力を測る上で参考にもされる、米ドルベースでの南アフリカの名目GDPは、2019年時点で3513.54億ドル。世界第38位と、アフリカ大陸に位置する国の中ではナイジェリア(27位)に次ぐ経済規模を有します。

南アフリカGDP(米ドルベース)の推移
南アフリカGDP(米ドルベース)の推移

※単位:ドル
※2020年以降の数値(グラフの破線部分)はIMFによる予測
IMF「World Economic Outlook Databases」(2020年10月版)をもとに作成

 しかし、国民1人あたりの名目GDPでは世界第97位へと低下することから、南アフリカの労働生産性は、それほど高くないということが推測されます。また、南アフリカランドの軟調な推移も影響して、米ドルベースで見た近年の経済規模は、鈍化傾向にあったこともわかります。

 さらに、ここ数年、南アフリカの経済成長率(実質GDPの伸び率)は、1%前後で停滞することが多くなっており、BRICsやVISTAとして期待されていたほどの成長を遂げられていないこともわかります。また、IMFの予測では、新型コロナウイルスの影響で2020年の成長率はマイナス8%近くまで落ち込むことが見込まれています。

南アフリカ経済成長率の推移
南アフリカ経済成長率の推移

※単位:%
※2020年以降の数値(グラフの破線部分)はIMFによる予測
IMF「World Economic Outlook Databases」(2020年10月版)をもとに作成

・ 極めて高い失業率

 低い労働生産性や経済の伸び悩みには、南アフリカの高い失業率も影響していると考えられます。IMF(国際通貨基金)の統計による南アフリカの2019年の失業率は28.7%。世界的にも極めて高く、2020年には新型コロナウイルスの影響で30%を大きく超え、その後も高止まりすることが予想されています。

南アフリカ失業率の推移
南アフリカ失業率の推移

※単位:%
※2020年以降の数値(グラフの破線部分)はIMFによる予測
IMF「World Economic Outlook Databases」(2020年10月版)をもとに作成

 アパルトヘイト政策が撤廃されてから、まもなく30年が経とうとしているものの、依然として人種間格差が根強く残り、非白人の教育水準が極めて低いことに加え、近隣諸国からの移民の急増や、グローバルな経済の低迷が起こるたびに南アフリカ経済も大きな影響を受けてきたことなどが、高い失業率が続いている理由と考えられています。特に、15~24歳の若年層の失業率は50%を超えていて、2人に1人以上が仕事に就けない状況にあります。

 南アフリカ政府は、失業率を半減させるために必要な経済成長率を5%と試算しているようですが、先ほどお伝えしたとおり、近年の南アフリカの経済成長率はここ数年、1%前後で停滞しています。さらに、IMFによると、2020年の経済成長率はマイナス8%近くへ落ち込むことが予想されていますので、現状では失業率の大きな改善も見込みにくいと考えられそうです。

 また、AIDS(後天性免疫不全症候群)の蔓延や、治安の悪化が続いていること、常態化している電力不足など経済以外の面で懸念材料が多いことも、南アフリカのネガティブな要素として挙げられます。

・ 基本情報と主要経済データのまとめ

 ここまでご紹介したものを中心に、南アフリカの主な経済データを一覧にしました。

南アフリカ経済データ一覧(2019年)
南アフリカ経済データ一覧(2019年)

※対外債務残高は2018年のデータ
※経常収支と貿易収支は国際収支ベース
IMFSARBのデータをもとに作成


■南アフリカの貿易とコモディティ価格の関係

・ 主な輸出入品目と貿易相手国

 南アフリカ歳入庁によると、南アフリカの通関ベースにおける2018年の輸出金額は約1兆2430億ランド、輸出金額は約1兆2313億ランドになります(ともに暫定値)。

 南アフリカは、金(ゴールド)・白金(プラチナ)・ダイヤモンドなど貴石・貴金属の世界的な産出国です。石炭も豊富で、鉱物性燃料として海外へ輸出していますが、石油や天然ガスの生産量はほとんどなく、ほぼすべての石油資源を輸入に依存しています。

南アフリカの輸出入品目と貿易相手国(2019年)
南アフリカの輸出入品目と貿易相手国

※2019年のFOB(本船渡価格)で集計した通関ベース(暫定値)
南アフリカ歳入庁のデータをもとに作成

・ 南アフリカランドと金価格の関性

資源国通貨でもある南アフリカランドは、コモディティ(商品)価格に影響を受けやすく、特に、金(=ゴールド)の価格と相関性が高いと言われることもあります。しかしながら、南アフリカの金の算出量は、1970年をピークに減少の一途をたどっていて、近年、金が輸出に占める割合は、昔に比べてかなり低下しています。

 そうした理由もあってか、時期的には似たような動きをすることがあっても、長期的な推移をたどると、南アフリカランドと金価格の間に、常に高い相関性が認められるとは言いにくい状況です。

米ドル/南アフリカランド(左軸)・NY金(右軸) 月足
米ドル/南アフリカランド(左軸)・NY金(右軸) 月足

※金価格との相関性が視覚的にわかりやすいよう、米ドル/南アフリカランド(左軸)の価格を反転して掲載
(出所:TradingView

 これには金の産出量減少だけでなく、世界的なリスクオフの局面では、安全資産とされる金が買われる一方、新興国通貨の南アフリカランドは海外からの投資資金が引き上げられることで売られやすいということも影響していると考えられます。

 2020年に入って、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で金が堅調となる一方、南アフリカランドが売られたのは、まさに典型的な例と言えるでしょう。


■南アフリカの格付けと政策金利

・ 格付けは「投資不適格級」

 2020年3月27日(金)に、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(以下、ムーディーズ)が南アフリカの信用格付けを引き下げたことで、南アフリカの長期債務格付けは大手格付け3社すべてで「投資不適格級(ジャンク級)」とされるランクになりました。

 ムーディーズは、格下げの理由に「南アフリカ経済の構造的な成長停滞、政府の構造改革の遅れ、財政赤字の拡大、不安定な電力の供給状況」などを挙げています。ムーディーズの格下げが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出禁止(ロックダウン)措置の実施とタイミング的に重なったことから、南アフリカランドは格下げ発表後に大きく下落しました。

 その後も、債務拡大や財政基盤の弱さを背景に、格付け大手3社による格付け引き下げは段階的に行われ、現在の大手3社による南アフリカの信用格付けは、以下のようになっています。

大手3社における南アフリカの長期債務格付け
格付け会社 格付け 見通し
ムーディーズ・インベスターズ・サービス Ba2 ネガティブ
フィッチ・レーティングス BB- ネガティブ
S&Pグローバル・レーティング BB- 安定的

※2021年5月10日現在

 南アフリカに限った話ではなく、新興国にとって国家や企業が海外で起債して調達した資金の多くは、経済成長や国家の発展に大きな役割を果たします。大手格付け3社による南アフリカの格付けが、すべて投資不適格級になったことで、一部のファンドが南アフリカ債券をポートフォリオから外したとも伝わりました。

 今後、信用力の低下による債券利回りの上昇(価格が下落)で債券発行コストが増加し、利払いや償還が行われなくなるデフォルト(債務不履行)に陥る可能性も絶対にないとは言いきれません。それが、南アフリカランドの上値を抑える要因になりえることにも、十分に注意しておく必要がありそうです。

・ 政策金利は「過去最低」水準

 2020年5月時点の、南アフリカの政策金利にあたるレポ金利(レポレート)は3.50%。これは史上最低水準です。

 南アフリカの中央銀行であるSARB(南アフリカ準備銀行)は、新型コロナウイルスの拡大に伴って南アフリカ国内で外出禁止措置が延長された直後の2020年4月14日(火)に、臨時の政策決定会合を開催。政策金利を4.25%に引き下げました。さらに、5月には0.50%、7月には0.25%の利下げが実施され、3.50%になりました。

南アフリカ政策金利の推移(2008年~)
南アフリカ政策金利の推移(2008年~)

※SARBのデータをもとに作成

かつてに比べて金利の優位性が低下していることも、南アフリカランドが米ドルや円に対して下落した原因と考えられています。

 こうした南アフリカのファンダメンタルズを総合的に考えると、近い将来、南アフリカランドが底打ちを果たし、上昇相場へ転換していくとの見通しは、現状では、なかなか描きにくいと言えるかもしれません。

 かつては政策金利が10%を超える高水準だったこともあり、「高い経済成長が見込める高金利の新興国通貨」といった理由から人気を集めてきた南アフリカランドですが、現在は、以前のような高いリターンを得にくい状態になっている、ということも押さえておきましょう。


■南アフリカランドの見通しと投資のポイント

 このように、ファンダメンタルズの面ではネガティブな材料が多いように見える南アフリカランドですが、南アフリカランドへの投資が絶対にNGかといえば、そうとは言い切れないと思います。

 利下げや格下げが実施され、南アフリカで新型コロナウイルスの感染者数が増加する中で、ここ最近の南アフリカランド/円が、底堅さを感じさせる動きをしていることは、冒頭で紹介したとおりです。

 また、世界的に金利が低下している中、南アフリカの3.50%という政策金利は、主要先進国などと比較すると、依然として金利の優位性が確保されていると言えます。

 そして、南アフリカランド/円は過去20年ほどの期間で、高値から20円以上も下落してきましたが、ここからは南アフリカランドという通貨がなくなるなどして価値がゼロにならない限り、どれだけ下がっても下落幅は8円弱です。過去20年程度で見られた20円を超えるような下落は起こらない、ということになります。

南アフリカランド/円 月足
南アフリカランド/円 月足チャート

(出所:TradingView

 ですから、長い目で一定の利回りが見込める南アフリカランド/円の買い取引は、資金量によっては検討に値すると言えそうです。

 ただし、それには、リスクを抑えた投資を行うことが必要投資資金に対するポジションのレバレッジを低く設定し、長期的な視野に立って、外貨預金と同じぐらいの感覚で臨むのがベストでしょう。

 長期的な下落トレンドが続いていることは確かですから、スワップポイントによる金利収益を優先してレバレッジを高く設定しすぎるような、前のめりなトレードは避けたほうが無難と考えます。

 また、FXには売りから取引をはじめられるという最大の特徴があります。もし、南アフリカランド/円が下がると予想するならば、南アフリカランド/円の売りポジションを保有して、為替差益を狙う取引もありです。

 その際は、日々、スワップポイントを支払わなくてはなりませんから、支払うスワップポイントの金額が、できるだけ少ないFX会社で取引すると、最終的な損益に有利に働くでしょう。


■南アフリカランド/円取引でおすすめのFX会社

 南アフリカランド/円を取引できるFX口座の買いのスワップポイントやスプレッド水準は、以下の【参考コンテンツ】にて一覧で確認できますが、ここでは、取引で有利になりそうなおすすめのFX口座をいくつかピックアップしてご紹介します。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:南アフリカランド/円が取引できるFX会社はここだ!

・ 買いのスワップポイントが有利なFX会社

 まず、南アフリカランド/円のスワップポイント狙いで長期的な運用を目指すなら、買いポジションの保有で受け取ることができるスワップポイントの金額が、できるだけ有利なFX会社で取引するのが得策です。

 時期によっては、南アフリカランド/円のスワップポイントを高水準で提供する、期間限定キャンペーンを行っているFX会社もあります。しかし、長期目線でスワップポイントによる金利収益を狙う運用を目指すなら、日々のスワップポイントの平均付与実績が、ある程度の期間にわたって相対的に高いFX口座を選ぶのが良いと思います。

 そこで、今回は、当サイトに掲載があり、取引ツールや公式サイトなどでスワップポイントの付与実績を確認できたFX口座について、南アフリカランド/円1万通貨の買いポジションで受け取ることができたスワップポイントの1日あたりの平均金額を確認してみました。対象とした期間は、2021年4月の1カ月間です。

 結果、もっとも高かったのは、裁量取引と自動売買が両方できるアイネット証券「ループイフダン」と、同社の裁量取引専用口座「アイネットFX」10.38円でした。

アイネット証券「ループイフダン」
アイネット証券「ループイフダン」の公式サイト

 この10.38円という金額は、南アフリカランド/円が8円で推移し続けると仮定した場合、年率換算で約4.74%になります。南アフリカの政策金利3.50%と比べると、約1.35倍の利回りとなる計算です。

 当然、為替レートが下落すれば為替差損が発生しますし、スワップポイントの水準は日々、変化するのが普通なので、正確な投資収益を予測するのは不可能です。上述の利回りは、あくまで仮定での計算にすぎません。しかし、たとえば、金融機関に日本円を預けて得られる雀の涙のような利息と比べると、破格の利回りであることは一目瞭然です。

 また、ヒロセ通商「LION FX」JFX「MATRIX TRADER」岡三オンライン証券「岡三アクティブFX」も、1日あたりのスワップポイントの平均金額が10.10円と高水準で、同じように計算した年率の利回りも約4.61%と、高い水準となっていました。

 現時点では、これらの口座は南アフリカランド/円をスワップポイント狙いで取引する際、有利な口座として考えることができるのではないでしょうか。

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・ 売りのスワップポイントが有利なFX会社

 南アフリカランド/円の下落を予測して売りポジションを保有するなら、売りポジションの保有で支払うスワップポイントの金額が相対的に少ないFX口座を選ぶと有利になります。

 ここでは、当サイトに掲載があり、取引ツールや公式サイトなどでスワップポイントの付与実績が確認できたFX口座について、南アフリカランド/円1万通貨の売りポジションで支払うスワップポイントの1日あたりの平均金額を確認してみました。対象とした期間は、2021年4月の1カ月間です。

 結果、もっとも少なかったのは、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」6.00円でした。

セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」
セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の公式サイト

>>>セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の最新スペック詳細はこちら

・ スプレッドが有利なFX会社

 中長期視点の投資では、そこまで過剰に気にする必要はないと考えられますが、取引のコストに直結するスプレッドも狭いに越したことはありません。

 かつては、外国為替市場の中での取引量が少なく、流動性に乏しい新興国通貨ペアのスプレッドは、広くてもしかたないというのが一般的な認識でした。しかし、近年ではFX会社同士の熾烈な競争の結果、南アフリカランド/円のスプレッドも、一部のFX口座では、かなり狭い水準で提供されています。

 また、期間限定のキャンペーンなどで0.3銭原則固定などという、一昔前では考えられないような狭いスプレッドで取引できることもあります。以下の【参考コンテンツ】の中では、各社のキャンペーンスプレッドを含めた一覧を確認できますので、ぜひチェックしてみてください。

【参考コンテンツ】
FX会社おすすめ比較:南アフリカランド/円が取引できるFX会社はここだ!

 ちなみに、スワップポイントの水準が非常に魅力的だったアイネット証券「ループイフダン」のスプレッドは7.0銭原則固定、アイネット証券「アイネットFX」に至っては15.0銭(ともに2021年5月時点)。FX業界の中では、かなり広めのスプレッドになりますので、取引コストを重視される方は注意が必要です。


 新型コロナウイルスの感染拡大によって、南アフリカの政策金利は過去最低水準へと引き下げられ、ただでさえ伸び悩んでいた経済は、今後さらに厳しい状況に立たされることが予想されています。

 しかし、相場の世界には「ピンチの中にチャンスあり」や、「ピンチこそチャンス」といった格言もあります。

 史上最安値圏での推移が続いている南アフリカランド/円ですが、取引に必要な資金が少なくて済み、現在も主要国と比べると相対的に高い金利収益が見込めるのも事実です。

 リスク管理をしっかり行って、無理のない計画を立てて臨むことができれば、魅力的な投資対象になるとも考えられます。

 南アフリカランドへの投資に興味を持たれた方は、ぜひ、当記事に掲載した情報を参考に、取引を検討してみてはいかがでしょうか。

(ザイFX!編集部)

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