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エリオット波動論で説明! なぜドル/円は
79円台前半への深押しがなさそうなのか?

2012年04月20日(金)東京時間 18:50

 今週に入ってから、米ドル全体の状況を測るドルインデックスは一進一退を繰り返しているが、はっきりした変化を見せてくれた通貨ペアもある。

 それは英ポンド/米ドルと米ドル/円だ。

■予想どおり、高値を更新してきた英ポンド/米ドル

 まず、英ポンド/米ドルだが、先週のコラムでも強調したように、英ポンド/米ドルのメイントレンドに関する筆者の判断は変わらず、いずれ高値を更新してくるとみていた。

 すると案の定、4月19日(木)に年初来の高値更新となった。

【参考記事】
ドル/円は79円台前半までの深押しはなく、早晩85円台を目指すと予想する!

英ポンド/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足

 英国の中央銀行(以下、英中銀)の議事録が市場の予想ほどハト派ではなかったという説明は、今でこそあちこちから聞こえてくるが、つい最近まで、英中銀の量的緩和拡大を懸念した向きが多く、それを根拠に英ポンドの売りポジションを建てた方も多かったようだ。

 この点も実に重要だ。売りポジションが多い一方で、見込まれた方向に動かないとなると、逆の方向に大きく振れるのは為替相場でいつも見られる習性である。

■英ポンド/米ドルが高値を更新できた本当の理由とは?

 ところで、3月23日(金)から本コラムの記事をひととおり読んでいただければ、英ポンド/米ドルが高値更新できた本当の理由がおわかりいただけると思う。

【参考記事】
ポンド/ドルは今度こそ「教科書どおり」に反落する! ドル/円は引き続き上昇基調か(陳満咲杜、3月23日)
教科書どおりに動かず“ダマシ”発生。それこそがドル安トレンドの強力なシグナル(陳満咲杜、3月30日)
米雇用統計がどうなっても影響は限定的。米ドル全体の上昇は長く続かない!(陳満咲杜、4月6日)
ドル/円は79円台前半までの深押しはなく、早晩85円台を目指すと予想する!(陳満咲杜、4月13日)

 英中銀の政策動向を知らなくても──いや、知らないほうがよりいい──きちんと判断ができたわけだ。要するにマーケットにおける本流(メイントレンド)と傍流(サブトレンド)を見極めれば、英ポンドの上昇傾向はとらえられたのである。

 このような見方を再度証左してくれた値動きが今週もあった。くどいようだが、再度4月5日(木)のチャートを掲載し、それと比較してみよう。

 まずは4月5日(木)のチャートだ。

英ポンド/米ドル 4時間足(4月5日作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 そして、本稿執筆時点のチャートは以下のとおり。

英ポンド/米ドル 4時間足(4月20日作成、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 チャート上に丸囲みで示したように、1月安値から引かれたメインサポートラインは4月16日(月)に再度試された。

 が、そのサポートラインの役割が確認されたわけだから、遅くても4月17日(火)から英ポンドのショートポジションは手仕舞いすべきだった。

 英中銀の議事録云々よりも、値動きの内部構造に集中していれば、おのずと判断と行動の基準が得られたと思う。

■トレンドの本流と傍流を見極めろ!

 このように、相場における本流と傍流を見極めることはとても大事であるがゆえに、よく間違われがちだ。

 人間である以上、時には迷いや間違いを犯すことは避けられないものだが、大事なのは常に値動きから内部構造のあり方を探り出すこと、また常に自らのロジックを検証し、その正誤を見極めることではないだろうか。

 筆者の場合も、3月23日(金)における「一葉知秋」(※)なしでは現在に至るまでメイントレンドの進行を見誤っていたところであろう。

【参考記事】
ポンド/ドルは今度こそ「教科書どおり」に反落する! ドル/円は引き続き上昇基調か(陳満咲杜、3月23日)

 本来、テクニカルアナリシスの醍醐味は相場における内部構造の把握にあり、またマーケットにおける「宿命」的な方向や転換ポイントの発見にあるが、残念ながら、市販の教科書程度の知識と経験では、なかなかそこまでは至らない。

 そのせいか、テク二カルアナリシスの視点でまとめられた多くの市況分析は表面的なものにとどまり、単純に価格の高安のあとを追う形に終始してしまっているわけだ。

 最近の米ドル/円はその好例であろう。

(※編集部注:「一葉知秋」とは一枚の葉が落ちることから、秋の訪れに気づくこと。わずかな前兆から、ものごとの大勢や本質などを察知することをいう)

■米ドル/円の深押しがなさそうと判断した理由は?

 米ドル/円がぐんぐん上がっていくにつれて、85円、87円や90円といった上値ターゲットが多くの方から提示されたが、3月15日(木)の高値から反落してくると、一転して78円、75円など下値ターゲットが提示されるようになった。

 そして、トレンドと合っているように見えるから、ついには72円台の下値目標を示すレポートも出回ったほどだった。

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陳満咲杜 (ちん・まさと)

中国・上海生まれ。1992年に所持金5000円で来日し、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。現在は陳アソシエイツ代表/アナリストとして活躍している。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。最新刊は『勤勉で勉強家の日本人がFXで勝てない理由』(ダイヤモンド社)、その他、『相場の宿命 2012年まで株を買ってはいけない!』、『CFDトレーディングの真実』『FXトレーディングの真実』(以上、扶桑社)、『着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』(青月社)などの著書がある。

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