■トルコショック収束も、世界的な政治混乱は続く
みなさん、こんにちは。
先週(8月13日~)までマーケットの話題をさらっていたトルコショックも、いったん収束。
【参考記事】
●中期的にはリスクオフ継続で円高進行中! 銅価格20%強急落が意味するものとは…!?(8月16日、西原宏一)
●日銀はステルステーパリングをしている!? 歴史的珍事! ゴールドが異例の売り越しに(8月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
金融市場は沈静化を見せ、大きく値を下げていたユーロ/円も128円台を回復しています。

(出所:Bloomberg)
ただ、グローバルには政治的混乱の報道が相次いでいます。
たとえば、米国の3大ネットワークとCNNでは、トランプ大統領批判がヒートアップ。
トランプ氏が口止め料を指示、元弁護士が有罪答弁
ドナルド・トランプ米大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン氏は21日、ニューヨークの連邦裁判所で2件の選挙資金法違反を含む8つの罪について有罪を認めた。
出所:Wall Street Journal
この報道に基づいて、米民主党は「弾劾だ」との流れに、なんとかもっていこうとしていますが、マーケットの反応は、いまひとつ。
米メディアの報道が加熱するのとは裏腹に、この報道が米大統領の地位を致命的に脅かすわけではなさそうです。
■豪州の政情不安で豪ドル下落
一方、豪州では、政局の混乱が金利の低下を招き、通貨安(豪ドル安)の流れに傾斜。
豪州のターンブル首相が窮地に陥っています。
8月21日(火)に実施された自由党の党首選では、「48対35」でターンブル首相が勝利しました。
ただ、この選挙自体、突然行われたものであり、党内ではターンブル首相に対する不満が高まっています。
そして、本日(8月23日)日本時間未明、ターンブル政権の主要閣僚3人が辞任を表明。
呼応して、豪ドル/米ドルへの売り圧力が高まり、8月23日(木)のマーケットでは、豪ドル/米ドルが0.7354ドルから0.7285ドルまで反落。豪ドル/円は、81.31円から80.73円まで下落しています。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
■豪州の長期金利低下にともなって、豪ドルは軟調に
トルコ情勢が、いったん収束したことから、ユーロ/米ドルが節目の1.1500ドル台を回復して反発したことに呼応して、豪ドル/円も8月15日(水)に到達した安値の79.70円から81.37円まで反発していました。

(出所:Bloomberg)
ところが、前述の豪州の政情不安から、豪州の長期金利が低下(豪3年物国債利回りは、一時3bp低下して1.987%、同10年物国債利回りは、一時3.1bp低下して2.511%)しました。
以下は、米国と豪州の長期金利のスプレッドと豪ドル/米ドルの月足チャートです。

(出所:Bloomberg)
米国と豪州の長期金利のスプレッドと豪ドル/米ドルとの相関が、なかなか戻ってこなかったのですが、豪ドル/米ドルを支えていた2001年からのサポートがブレイクし、豪ドル/米ドルがスプレッドに追随してじり安で推移しています。
この豪州の金利低下にともなって、豪ドルは、再び軟調な展開に。
前回のコラムでもご紹介させていただきましたが、「中国商務次官の訪米」といったヘッドラインなどで戻る局面もありますが、上海総合指数の上値が重いこともあり、豪ドルは軟調な動きが続いています。
【参考記事】
●中期的にはリスクオフ継続で円高進行中! 銅価格20%強急落が意味するものとは…!?(8月16日、西原宏一)

(出所:Bloomberg)
豪州の政情不安もあり、調整局面はあるものの、じわじわと値を下げている豪ドル/米ドル、豪ドル/円の行方に注目です。
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