西原宏一氏のFX手法は、ファンダメンタルズとチャート分析を駆使したシンプルなスタイル。メルマガはリアルタイムな為替予測でタイムリーな配信。トレード戦略に役立つ内容を月に50~100通ほど配信中。

株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2021年3月

・2021年03月22日配信号のサンプル

(西原宏一のトレード戦略指令!)


トルコリラ暴落


早朝からトルコリラが暴落しており、この流れに簡単に。

リラ暴落の要因はエルドアン大統領が、トルコ中銀アーバル総裁を更迭したこと。


20日未明に、エルドアン大統領は、トルコ中銀アーバル総裁の更迭を発表。
後任に「利下げ派」と言われるカブチオル氏を指名しました。



アーバル総裁は、18日の金融政策委員会で、市場予想(+100b.p.)を上回る+200b.p.の利上げに踏み切ったばかり(利上げ後、政策金利は19.00%)。
この大幅利上げ発表を受け、リラは、対ドルで7.50近辺の水準から、急上昇、週引け前までに7.21前後まで急上昇。

しかし、今回の人事を経て、週明け為替市場では一時8.4700ととんでもない暴落を演じています。


そして問題は、エルドアン大統領とカブチオル新総裁が、次の一手としてなにを考えているかです。

まず、考えられるのが緊急金融政策委員会を開催して、大幅な利下げをする。
その場合、通貨は続落しますが、外貨準備が十分ではないため、為替介入によるリラ安阻止は難しいかもしれません。

その場合、資本規制などを行うのかどうか?

どちらにせよ、リラ円も一時13.00円を割り込んでおり、先週末の15.00円レベルから13%も急落しており、リラは仮想通貨なのか?という暴落劇。

リラ円の暴落から、リスクアセットの豪ドル円の下落により、ドル円も一時108.51円まで値を下げていたようですが、現在108.90円レベルまで戻しています。


リラの急落により、AUDUSD などは上値が重いかもしれませんが、ドル円のスタンスは変わらず。

取り急ぎ。

・2021年03月22日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 3月22日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■ハト派のFOMCでも長期金利は上昇

ひろこ 先週はFOMC、日銀と続きましたね。FOMCではドットチャートの変化が注目されていました。利上げ時期が前倒しされるのではとの予想があったものの、2023年まで利上げしないとの見通しは変わりませんでしたね。

西原 思っていたよりもハト派だという印象。発表直後は米ドルが売られ株が買われてダウ平均は史上最高値を更新しました。これは想定どおりですが、違和感を覚えたのは米10年債利回りが下がらなかったこと。

ひろこ FOMC翌日の米10年債利回りは1.75%まで上昇。注目されていたSLR(補完的レバレッジ比率)の延長についてFOMCで結論が出なかったことも影響したのでしょう。結局、翌々日に打ち切りが発表されましたが、それが織り込まれていたのかもしれませんね。

西原 SLRはもともとコロナ禍での措置でしたから延々とやるわけにもいかないのでしょう。



■日銀は日経リーク記事どおりの結果に

ひろこ 日銀は長期金利の変動幅を拡大し、ETFの買い入れ目標を撤廃しました。前日の日経新聞に掲載されたリーク記事どおりの内容でしたね。

西原 リークすることで市場へのショックをやわらげたいのでしょうが、おかしな話ですね。

ひろこ ETFの購入対象についてもTOPIX型のみに変更。株式市場では日経平均で大きな比率を占めていたファーストリテイリングやソフトバンク、アドバンテストなどが売られ、金利変動幅の拡大で恩恵をこうむる銀行株が買われる展開となっています。

西原 NT倍率(日経平均とTOPIXの比率)も低下していますね。

ひろこ 米ドル/円はいかがですか。日銀は長期金利の変動幅を±0.25%程度と明確にしました。変動幅の拡大はわずか0.05%ですが、方向としては引き締め。ECBやFEDとは逆方向です。円高要因とされてもおかしくありませんが、先週の米ドル/円は高値を更新しました。

西原 チャート的にも崩れそうな形をしているのですが、下がっても50銭程度ではないかと想定しています。先週も話したように、中長期のプレイヤーが108円台を買ってきており、ゲームチェンジとの見通しは変わりません。いずれ120円をめざすのでしょう。



■IMMの円ポジションが大転換!

ひろこ IMMでは前回までロングだった円が約4万枚のショートへと大転換しています。驚きですね。これだけ急に米ドル/円が買われてしまうと、ここから上は重たくなるのでは、とも思いますが。

西原 IMMのプレイヤーが見方を変えてきたというのはポジティブに捉えています。円ショートが長期間たまって利食いできないという状態なら、その投げに気をつける必要があるのでしょうが、円ショートに転換したばかり。ここから積み上がる余地も充分あります。ただチャートだけを見れば下がりそうに見えるのも事実。時間調整した上で上昇再開となるのでは。

ひろこ 3月は日本の年度末であり、欧米勢にとっても第1四半期の終わり。特殊な月ですし実際、ポジション調整による米国債の売りも出ていたようです。価格で調整するのか、時間で調整するかはともかく、4月になれば米ドル/円の上昇再開に期待できそうです。



■トルコ中銀、総裁解任! 緊急利下げも?

西原 トルコでは週末、中央銀行の総裁が更迭されました。トルコ中銀はサプライズ利上げをしたばかりですが、エルドアン大統領の怒りを買ったのでしょう。今朝のトルコリラ/円は2円の大暴落で始まりました。仮想通貨さながらのボラティリティですね。注目は新総裁の次の一手。利上げを嫌うエルドアン大統領の視野には緊急利下げも入っているのでしょう。

ひろこ 豪ドルはいかがですか?

西原 RBAが意識している豪ドル/米ドルの0.80はさすがに重い。いったん調整でしょうか。今朝もトルコリラに連れ安しましたが、トルコリラ続落なら豪ドルもひっぱられるかもしれません。今週は米ドル/円の押し目買いでいいのでしょう。まだ調整が続くかもしれませんが、上昇再開に備えて買いポジションは持っておきたいところです。