青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2023年12月29日配信号のサンプル
ドル円(西原宏一のトレード戦略指令!)
ドル円を141.88円でスクエアにしました。
・2023年12月25日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 12月25日配信 #nishiharafx(今週の戦略会議&読者からの質問)
■2024年は「政治の年」。1月には米大統領選の予備選開始
西原 今日はクリスマスのため欧米は休場。15時前後で取引できなくなる会社がほとんどです。通常の取引時間に戻るのは明日の朝。気をつけてください。
ひろこ 今日は今年最後の更新なので「2024年展望」がテーマです。
西原 2024年をひと言でいえば「政治の年」。1月の台湾総統選挙を皮切りに多くの国で選挙が行なわれます。
ひろこ 5月に英統一地方選、6月に欧州議会選挙とメキシコ大統領選挙、9月に自民党総裁選と続きます。
西原 1月15日には米大統領選(11月5日)へ向けた党員集会がアイオワ州で始まります。党員集会・予備選挙が集中するスーパーチューズデーは3月5日です。こうした政治イベントが為替にどう影響するかはまだ不透明ですが、近づくにつれ注目度は高まってくるでしょう。
■BOJピボット、FRBピボットの行方は
ひろこ 足もとのテーマは米利下げですね。FEDは本当に3月から利下げを開始するのかどうか。
西原 パウエルFRB議長の「豹変」が話題ですが、選挙に向けてバイデン政権に忖度したのではと邪推する向きもありますし、FEDウォッチャーのニック・ティミラオス記者も「2週間で何が変わったのか」と揶揄しています。
ひろこ 先週発表された米PCEコアデフレータでは6か月平均が1.9%(年率)まで下落しました。FEDがめざす2%を割ってきましたから、こうしたデータがわかっていての豹変だったとすれば納得できなくもないですが……。
西原 一方で日銀は動かず、直後は買い戻されましたが145円にも届かず、反落しています。
ひろこ 植田総裁の会見でも、1月のマイナス金利解除を感じさせる発言はありませんでしたし、4月まで動きはなさそうですね。
西原 思い込みは危険ですが、植田さんのコメントを素直に聞けばそうなりますね。ただ、いずれ利上げするわけですし、ここから145円に戻すのと140円を割れるのと、どちらが確率が高いかといえば140円割れでしょう。
■新NISAの外貨投資が下支え、132~150円のレンジか
ひろこ 1月から始まる新NISAも話題ですね。積立予約は外国株で運用する投信に人気が集中しています。年間で数兆円の資金が海外に流れるとなると円安圧力になりませんか?
西原 円高になりにくくはなるでしょうね。また、積立で買われるわけですから「毎月◯日ころになると買われやすい」といった傾向が出てくるかもしれないとも想像しています。
ひろこ 来年の米ドル/円はどの程度の水準を予想していますか?
西原 BOJピボット、FRBピボットによりドル安・円高基調であるとは思いますが、新NISAだけでなく海外企業のサービスに支払う「デジタル赤字」による資金流出も加わり、円高になりにくい構造になってきてもいます。そのため、130円を大きく割り込むような円高も想定しておらず、下値は132円から135円程度ではないでしょうか。
ひろこ 上値メドは?
西原 チャート的には去年よりも鮮明にトップアウトを示唆していますから、152円はもうないでしょう。ただ利下げが急すぎるとインフレが再燃し150円程度まで戻す可能性はゼロではないと思います。レンジでいえば132円から150円でしょうか。
■米利下げでゴールドは史上最高値更新へ
ひろこ ゴールドは来年、史上最高値更新を予想する声が増えています。
西原 米金利がここまであがったのにゴールドはよく耐えましたから、米利下げが始まれば上がっていくのでしょうね。
ひろこ 中国をはじめ新興国の中央銀行は2022年を上回るピッチでゴールドの現物を買っていますし、米利上げでゴールドETFを売っていた欧米の機関投資家もFRBピボットで買ってくるでしょう。中銀の買いに加えて機関投資家の買いも加わるため、2000ドルで足場を固めて2300、2400ドルといった水準をめざすのではないか、とも予想されます。
西原 今年はスイスフランでわかりやすいトレンドが出てくれました。来年もスイスフランのような動きのある通貨が出てくれることを期待したいですね。今年1年お付き合いいただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします!