青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2021年12月30日配信号のサンプル
2022年はgame change 2(西原宏一のトレード戦略指令!)
外貨ex by GMOさんとの動画第2弾がアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=1LMpCQitIKk&t=447s
■市況と雑感
来年のマーケットを占う上でかかせないのが、中国の動向。
注目はNASDAQ Golden Dragon China index.
https://jp.investing.com/indices/nq-golden-dragon-china
中国の共同富裕の発表、evergrandeのトラブルも含め、今年の2月の高値から半値以下に落ち込んでいます。
この中国株の行方に関しては、参加者の間で意見がわかれています。
前回ご紹介させていただきましたが、米系の中には強きな参加者が多数。
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香港市場のオフショア中国株は今年、世界的にもパフォーマンスの悪さが目立った。
ナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数は2月の高値から50%余り下落。
MSCI中国指数は世界の株式に対し、2006年以来の低水準近くにある。
それでも、多くの世界的機関投資家は中国株に前向きになりつつある。
ブラックロックは規制のピークが過ぎ去ったとみて、年明け後は経済促進策の強化が効果を発揮し始めると見込んでいる。同社のポートフォリオマネジャー、ルーシ-・リュー氏は「まさに今がポジションを作るタイミングだと判断している」と語る。
ゴールドマン・サックス・グループは、再生可能エネルギーなど、習近平国家主席が掲げる「共同富裕」政策に関連する投資機会に強気だ。
UBSグループは、規制強化は織り込み済みで、企業利益とバリュエーションは改善に向かうとみている。
Bloomberg
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個人的にも半値以下にまで下がっている中国株関連は中期では大きく値を戻すのではないかと想定しています。
ただJanuary effectで値をあげてきた米株ですが、米国が金融緩和引き締めに入る局面では
一方的にあがる相場ではないと想定しているため、大きく調整する局面があると警戒しています。
加えて、どうも海外では岸田政権の人気が悪く、この政権の間は日本株の急騰は考えにくいのではないかとの意見も多数。
今回の局面で30,000円を超えていけなかったこともあり、日経平均のputを
2月@22,000円をlongにしました (premiumは20円)
■FX chartとposition
January effectsに備えてlongにしていたAUDUSD、豪ドル円、そしてユーロ円のlongは全てすでに利益確定済み。
Demarkのoverboughtのサインとフラッシュフラッシュの可能性に備えてkeepしているドル円の
shortのみ。
■USDJPY
0.6のshort@113.79
(0.1のshort@115.01,0.5のshort@113.55)
113.20で0.1の売り注文を出しています。
注文がつけば、0.7のshort
Stopはdemarkのシステムが示唆する115.60円越え
では、年末のため慌ただしくなりがちですが、できるだけのんびりとお過ごしください!
・2021年12月27日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 12月27日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
■欧州では天然ガスが最高値を更新
ひろこ クリスマス休暇の中、先週の米国株は上がりました。11月からの下落はオミクロンショックとも言われましたが、タックスロス・セリング(年度末の節税売り)だったようですね。
西原 そうであれば欧米勢が戻ってくる今週からは「January Effect」(1月効果)で上がるということになりますね。
ひろこ コモディティで話題となっているのが欧州の天然ガス価格高騰。欧州での天然ガス価格の指標となる「オランダTTF」は過去最高値を更新しており、原油価格に換算すると300ドル台に達しています。
■ドイツを苦しませる「三重苦」
西原 ロシアが欧州向けの天然ガスを止めているという話ですね。
ひろこ ロシアの意図はまだ判然としないのですが、ウクライナ情勢も絡んでいるようです。それに加えて、ドイツはフランスから電力を購入しているのですが、フランスの原子力発電所4機が技術的な問題で操業を停止。ドイツでは風況が悪く風力発電の効率も悪化。三重苦が天然ガスを高騰させたようです。
西原 天然ガス高騰と聞くと買いたくなるのが豪ドル。オーストラリアの天然ガスはアジア向けが多いのですが、資源国通貨にはポジティブな材料となります。またIEA(国際エネルギー機関)は来年の石炭需要が過去最高になるとの見通しを示しました。脱カーボンに逆行しますが、中国やインドでの需要増が主な原因だそうです。中期的に見ても資源国通貨はやはり強いのではないでしょうか。
■市場の注目戦略は米ドル/カナダドルの売り
ひろこ 今回は年内最後の更新ということで来年の見通しについても話しておきましょうか。
西原 大手銀行などは米ドル/カナダドルの売りに注目しているようです。エネルギー価格の高騰もあり、1.20を大きく割り込んでカナダドル高が進むと見られています。一部では1.12とのターゲットも出ています。
ひろこ 西原さんご自身の予想は?
西原 近年の為替市場の特徴はプライス・イン(織り込み)の速さです。経済指標や金融政策などの予想が出た瞬間に織り込んでしまい、動きが続きません。カナダは22年4回の利上げが予想されていますが、利上げ観測が少しでも後退すればむしろ売られるリスクもある。その意味で、同じ資源国通貨でも利上げがまだ織り込まれていない豪ドルを選択したいと思います。
■2%インフレ達成で日銀は出口の議論へ?
ひろこ 円についてはいかがでしょうか。菅政権で大きく下がった携帯料金は物価の抑制圧力となりました。実際、携帯料金を除いたCPI(消費者物価指数)はすでに前年比2%を超えている、との試算もあります。携帯料金値下げの影響が薄れてくる22年3月以降、CPIが2%を超えてくる可能性もありそう。そうなると日銀では金融緩和の出口が議題に上がってくるかもしれません。
西原 米ドル/円についてはドル高円安予想が多く、その根拠とされるのは米利上げ。ところが米5年債も米10年債も金利はさっぱり上がりません。
ひろこ 米利上げでドル高といっても、「上がりそう」という織り込みの段階がいちばん反応しやすく、実際に利上げしてもそれほど上がらない傾向がありますね。意外と来年は1ドル110円を割るような場面があるかもしれませんね。
■インフレ高進でECBにタカ派転換のリスク
西原 もうひとつ注目したいのがユーロ。ドイツの11月CPIは6%(前年比)まで達しており、さらに足もとでは天然ガスが暴騰しています。インフレ圧力によりECBがタカ派に転換するサプライズも一部では話題に。このサプライズが起きればユーロは大きく上昇するのでしょう。
ひろこ インフレの高進リスクが高まっていますし、私も今すぐではないですがユーロは買い目線です。
西原 来年は1.18まで、25年には1.30をターゲットにする予想も出ています。今すぐ買うわけではありませんが、22年のどこかでユーロ買いとなる場面が出てくるのでしょう。
ひろこ 来週の更新はお休みとなり新年は1月10日からとなります。お正月の為替市場は1月3日から。日本勢がお休みとなるためフラッシュ・クラッシュを警戒する声も出ています。念のため警戒したいですね。
西原 今年1年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします!