青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2024年04月29日配信号のサンプル
介入 3(西原宏一のトレード戦略指令!)
オフィシャルではありませんが、本日一回目の介入額は約3兆円。
本日は祝日でもあるため、銀行に介入のドル売りを依頼したわけではなく、EBSという電子ブローキングを使用した模様。
ロンドン時間の2回目の介入額は2兆円。
総額、5兆円との憶測。
一日の介入額としてはこれで終了というイメージ
ただ仮にドル円が再び160円に向けて上昇するようだと、
もう一度NY市場で介入が出てくるの可能性もまだ残っています。
問題はその回数。
これまでだと介入の回数は気にならなかったのですが、
「イエレン財務長官が「介入は極めてまれで例外的」としているので
何度もできないというのが問題になりそう。
日経平均は、現在38,400円と回復基調。
日経平均は2,000円〜3,000円と強烈に動くのを覚悟してトレードしているため
先週の急落もたえました。
一方今日のドル円の値幅は550pips程度ですが、
最初160円まで急騰した後の乱高下は、日経平均と同じようなvolatilityになっているため、
ドル円に関しても当面、荒っぽい相場を覚悟しないといけないようです。
このvolatilityにたえられるようなリスク管理に気をつけたいところ。
ともあれ、介入が入った局面では、ドル円をlongに戻そうと考えていたので
現在ドル円のlongのみ。
今日5円以上動いているので、stopを近くするのに神経を使いますが、
0.5のstopを153.50円にしておきます。
155円を割り込んだ場合longを増やす予定。
・2024年04月29日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 4月29日配信 #nishiharafx(今週の戦略会議&読者からの質問)
■入らない介入、問われる発言の重み
ひろこ 日銀会合は緩和を継続、植田総裁からも円安を容認するかのような発言があり、米ドル/円は158円台まで上昇しました。日銀は「通貨の番人」ではなく「物価の番人」ですから、円安の責任はないとはいえ……。
西原 2022年9月のように植田総裁が会見が終わった17時に介入が入るかと思ってショートにして待ち構えたのですが、入りませんでしたね。同じように考えた人が多くアルゴが反応したのか介入を思わせるような急落はありましたが。
ひろこ 1日で3円近く急騰しましたから介入の大義名分としては充分だと思うのですが、このまま入らないのでしょうか。
西原 神田財務官が先週から大人しくなっていたので入らない可能性もあるのかもしれないとは思いましたが、鈴木財務相は金曜日にも「(円安には)しっかり対応します」と話しています。額面どおりに受け止めれば介入するはずですが、それでも介入しないとなると鈴木さんの信頼に関わる問題になってきます。
■158円台はバイイング・クライマックス?
ひろこ イエレン米財務長官からは「介入はまれであるべき」との発言がありましたから、アメリカの合意が取れていないのかもしれませんね。イエレンさんの発言が出たのは日銀会合1日目の夜。この発言が買い方を勢いづかせることになった感じもあります。なぜ、わざわざあのタイミングでと思ってしまいますね。
西原 政治的な問題で介入できなくなってしまっているのかもしれないですね。
ひろこ 介入を期待してショートして金曜日に損失を被った投資家も多いようです。介入を期待させた罪は大きいですね。
■投機筋の円売りポジションは過去最高レベルに
西原 とはいえ金曜日はバイイング・クライマックス的に158円台まで噴き上がりました。円を売っていた海外勢もそろそろ利食いを考えるタイミングです。
ひろこ チャート的には伸び切った形ですし、IMMポジションは円売りが17.9万枚まで積み上がりました。過去最高に匹敵する水準ですから、さらに円売りが積まれる余地は小さい。このまま放置しても、いったん押し目を作る可能性もあります。
西原 日本が祝日である月曜日もさらに伸びるようだと火曜日の警戒感はマックスとなりますし、それでも入らないなら今回のフェーズでは入らない、ということなのでしょう。
ひろこ 月曜日に159円台をつけるようなことがあれば火曜日は朝から気をつけないといけませんね。
西原 イエレンさんの発言を聞く限り、介入できたとしても何度も入るのは難しい。1発大きく入って終りとなるのかもしれません。だとすれば、そこは買い場でしょう。
■円高誘導の切り札は「レパトリ減税」か
ひろこ 市場関係者の間では「レパトリ減税」の可能性も取りざたされています。6月ころに発表される骨太の方針に盛り込まれるのではないか、との観測もあります。
西原 レパトリ減税を市場は織り込んでいませんから、そうした新たな円高要因が出てくると深めの調整が入る可能性がありますね。
ひろこ 今週はFOMC、そして米雇用統計の発表が控えています。
西原 年内の利下げ見送りとの声も出てくるなど総じて市場の見方がタカ派に傾いていますから、今回のFOMCがハト派的な会合となったときの反応のほうが大きいかもしれません。
ひろこ 雇用統計も今年はどこかでガクッと下がる場面があるのではとの指摘が出ています。カードローンの延滞率などを見ても米景気はいっぱいいっぱいの感じですし、「やはり6月利下げがあるのではないか」との予想も聞きました。
西原 もしそうなればインフレが沈静化せず、景気も悪化する最悪の状態ですね。
ひろこ そのときには米ドル/円が急落するかもしれませんし、上に伸びたところでの介入ではなく、下がるところへ追い打ちをかけるような介入が入る可能性もありますね。
■介入しないのか、できないのか
西原 今週も焦点は結局、「介入が入るか、入らないか」。今週前半、さらに円安が進んだときに入るかどうかに注目です。そこで入らなければ、介入できないのでしょう。
ひろこ 今週の戦略はどう考えますか?
西原 円安はまだ続くと見ていますが、160円を超えるかどうかはまだ確信が持てない。そうなると158円を買いたくありませんから、介入が入ったところを拾っていくのがいいでしょう。