昨日はアジア時間でドル円がゆるんだ。やはり経済対策で財政支出するという事業規模が足りなかったのであろう。小手先の積み上げだけでは、なかなかごまかされないものがある。いったいいくら出すのだということにしか興味がないのだから、官僚の作文みたいなものだったら、マーケットには失望を誘わないではいられない。
東京市場では完全にリスクオフとなって、日本株の下落をともなってドル円は下げた。先週は107円台を喜んで買っていたはずなのに、いとも簡単に104円台へ。こうなると俄然、意識されるのはイギリスのEU離脱後の半値押しである103円台の前半だ。そこまではあっても驚かないという態勢で臨まないといけない。
欧州序盤ではドル円はいっそうの下攻めを敢行して瞬間的に103円台にも突入した。すぐに104円台に戻したが、それもやっと104.10とか104.20を維持している程度。いかにも再度の下攻めをやりたがっているようだ。私は昼間の105円割れから戻りを売ろうと構えていたのだが、他の作業などにもかまけて、ついつい売りそびれてしまっていた。
やっと104.40あたりまで戻してきたので、しかもそこでピタッと止められたようでもあったので、私はちょっとだけドル円を売ってみることにした。随分と中途半端なレベルなのだが、売れずにきたことにシビレを切らしたようなものである。
しかしここからはドル円は腰が強かった。下がっても10ポイントほどであって、ニューヨーク勢が参入してきても、大した深押しはしなかった。むしろ米国株オープンとともにドル円、ユーロ円は上昇に向かい、私はこの時点でロスカットすることを強いられた。
まあポジションはスモールなのでクリティカルではないのだが、昼間に手を出さなかった分だけが悔やまれる。結局はドル円は下げらしい下げを演ずることもなしに、105円台乗せの手前まで持ちあがっている。
今日になってマーケットのリスク許容度が回復したものか、ドル円は105円台に乗せてきた。そして昼間には経済対策の規模が27兆円になるということが報道されて、106円台までジャンプした。
ファーストアクションはリスクテークで反応したものの、高値が106.50あたりまでつけて午後の日本株が始まると急落。ちょうど1円幅ほどアッという間に落ちた。昨日のドル円の下げ分は埋めきったものの、これで余計に不安定さを増した形になっている。金曜日の日銀会合まではチョッピーな展開が継続しそうである。
ところで今晩のFOMCだが、ノーアクションが見込まれている。問題は年内利上げのあるなしである。イギリス問題の頃は年内の利上げですら完全に吹き飛んでいたのだが、ここ最近の米国株の歴史的な最高値更新が続いたことで、12月利上げの目も出てきた。
これを強調するのか、マイルドに包むのか。声明文がハトかタカかが明確に出てくる内容だったりすると、ドル相場はひと騒動ありそうだ。しかし現実には「注意深く見守る」とかの文言が並ぶものだと見られる。
日本時間 16時00分
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