西原宏一氏のFX手法は、ファンダメンタルズとチャート分析を駆使したシンプルなスタイル。メルマガはリアルタイムな為替予測でタイムリーな配信。トレード戦略に役立つ内容を月に50~100通ほど配信中。

株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2022年8月

・2022年08月30日配信号のサンプル

豪ドル円(西原宏一のトレード戦略指令!)


合成がわかりにくという意見があるため、
Simpleに下記のように変更します。

AUDUSDを@0.6884で、ドル円を@138.50円でカットします。
あらためて、豪ドル円を0.5@95.38円でshortを追加。

オリジナルの0.7のshortをとあわせて、現在1.2の豪ドル円のshort.

Stopは97.00円超えで変わらず。

・2022年08月29日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 8月29日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■パウエルの「あざとさ」が炸裂

ひろこ 今月最大のイベントだったジャクソンホール会合が終わりました。パウエルFRB議長の講演、西原さんはどう聞きましたか?

西原 インフレ退治への強い決意を示しましたね。事前のコンセンサスでは、タカ派的な講演になるだろうと言われていましたが、一部では「パウエルは日和る」との懸念もありました。「よくやった」という評価になるのでしょう。とくに話題となったのは、「インフレファイター」として知られるボルカー元FRB議長を引き合いに出したことです。

ひろこ ボルカーさんは政策金利を20%にまで引き上げてインフレを封じ込めました。そんなボルカーさんの名前を出したのは強い印象を与えましたよね。10分ほどの短い講演でしたが、大きなインパクトの講演でした。

西原 パウエルさんのコミュニケーションが上手でしたし、あざとかったとも言えますね。



■パウエル発言、株には「超Bad」

ひろこ S&P500は今年の下落幅の50%戻しを超えていましたし、ボルカーさんを引き合いに出さないと株式市場の楽観が収まらなかった、ということもしれませんね。米政策金利は年末か来年早々の4%がメインシナリオとなりつつあります。ただ、来年後半の利下げ開始観測もまだ払拭されていませんよね?

西原 来年の見通しは経済指標などで簡単に変わりますし、むしろ米金利は高止まりする可能性が高まっています。気をつけたいのが株式市場です。パウエルさんの発言は株式市場には「超Bad」で、アノマリー的にも9月は株式市場が崩れやすい時期。クラッシュする可能性さえあります。

ひろこ ○○ショックのような暴落は、大手金融機関の破たんなど何らかのトリガーが必要ですが、今はそうした相場とは違うようにも感じます。ただ、ショックは起きなくてもジリジリと下げていく冴えない相場が続くのかもしれませんね。

西原 クラッシュはともかく、株式市場は今年の安値を更新していくと見ています。先週も話したように米金利が4%になってくると、リスクをとって株で運用するよりキャッシュでいい、という発想が増えます。キャッシュ=米ドルですから、ドル高は続くし株式市場は弱い。さらに言えば金利のつかない仮想通貨も下がるでしょう。



■豪州はLNG輸出規制へ。日欧、影響の違いは

ひろこ 午前の日経平均は789円安と大きく下げました。一方で、NISAの恒久化と拡充や原発の再稼働・新増設など岸田政権も動き出しています。安定した電力は工場誘致などで有利に働きますし、日経平均はまだ200日移動平均線よりも上にあります。リスクオフが落ち着いたとき、意外と日本株の上値は軽いかもしれませんね。

西原 それに対して相変わらず悪材料が目立つのは欧州。今週の焦点は31日から9月2日までメンテナンスに入るノルドストリームからの天然ガス供給がちゃんと再開されるのか、です。

ひろこ リスクを織り込む形で欧州向けの天然ガス価格は高騰しています。予定通りに供給が再開されれば、天然ガス価格も落ち着くかもしれません。

西原 イタリアでは9月25日に総選挙が行なわれます。世論調査で首位に立っているのはファシストの流れをくむ右派政党。懸念する声も出ています。

ひろこ 政局の混乱に乗じてイタリア国債が売り込まれる、なんてことも想像できますね。オーストラリアはLNG(液化天然ガス)の輸出規制を検討しています。国内需要を優先するためです。最大の相手国である日本への影響はあるでしょうが原発を再稼働する分、欧州よりはマシとも言えます。ドイツは稼働中の原発を年末に停止する予定ですが、この期に及んでもその決定を覆せないままです。

西原 9月8日のECB理事会では0.75%利上げの可能性も高まっていますが、そこは売り場になりそう。「1%利上げでも売りだ」とする声も出ています。



■1ドル140円、1ユーロ0.97ドル

ひろこ 今週は31日に中国PMI、9月2日に米雇用統計が発表されます。人民元は2020年8月以来の元安水準まで下がっていて中国から資金が逃げ出しているようにも見えますし、そのときに逃避先となるのは米ドル。これもドル高要因です。

西原 今週もドル買いの継続ですね。米ドル/円の買いでもいいのですが、140円をターゲットとするとあと1円50銭しかない。このところボラティリティが高まっており、初心者にはリスク管理も難しくなっています。0.97ドルがターゲットのユーロ/米ドルで戻りを売っていくほうが安心できそうです。