青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2022年05月30日配信号のサンプル
Nasdaqは反発するのか?(西原宏一のトレード戦略指令!)
おはようございます。
■市況と雑感
以前のメルマガでご紹介させていただいた通り、4月〜5月の米株の下落は凄まじいものがありました。
以下は5月23日のメルマガ。
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4月からの米株は大きな反発もなく続落。
NYダウは8週連続で下落しています。
こんなに長期に渡って続落するのは記憶にないため、チェックすると1932年の世界大恐慌以来であり過去最長だそうです。
S&PとNasdaqも7週連続での下落。
これはドットコム・バブルがはじけた2001年以来最長だそうです。
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そしてやっと先週の米株は反発。
Web掲示場に添付したのが、Nasdaqの週足。
Nasdaqが7週連続急落した後、先週は大きな陽線を出しています。
50%戻しが11,421ドルですので、一時そこを下回ったものの、先週末は回復しています。
Nasdaqが底打ちだと考えれば、米株もリスクアセットの豪ドルも一気に買いで回りたいところ。
ただそれを躊躇させるのが、米の利上げはまだ始まったばかりで、6月も7月もFRBの0.5%の利上げが待っているという点。
そうした段階で株を大きく買えるかと思うとまだ難しいのではないかと想定してます。
米株の上値が重いのであれば、ドル円の本格反発も難しいのではないかと考えています。
ドル円は当面125~130円のレンジでのもみ合いでしょうか?
週超えしているのは、週足でカウントダウンを出し、教科書的に反発している
ユーロドルのlongのみ。
■ユーロドル
(いったん1.0738で利益確定して同値で買い直しているため持ち値はあがっています)
0.7のlong@1.0727
(0.2のlong @1.0700と0.5のlong@1.0738)
stopは1.0590
本日もよろしくお願いします。
・2022年05月30日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 5月30日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
■米株は本当に底入れしたのか
ひろこ 8週連続で陰線だったダウ平均は先週、陽線が立ちました。底入れしたと見る強気派も出てきましたね。
西原 7週連続陰線だったナスダック総合指数も陽線に。先々週にはコロナ安値と高値で結んだフィボナッチ・リトレースメントの50%を割り込んでいましたが、回復しています。チャート的には買っていい水準ではありますが、FEDの利上げはまだ始まったばかり。ここで買えるかというと難しい。
ひろこ 米経済指標は景気失速の兆候を示しています。先週発表された4月新築住宅販売件数は予想を大きく下回り、5月リッチモンド連銀製造業指数も予想外のマイナスに。こうした指標の悪化からFEDが金融引締めの手綱を緩めるのではないかと見るトレーダーも増えてきたようです
■6、7月の0.5%利上げは揺るがない
西原 6月15日、7月27日の0.5%利上げはほぼ確実でしょうが、米株のリバウンドが10%、20%と思ったよりも大きくなるリスクはたしかにある。とはいってもFEDは5月からの3会合で計1.5%も利上げする異例の事態ですから、何が起こるかわかりません。6月にまた急落する事態も充分考えられます。
ひろこ 6月1日からはQT(FEDのバランスシート縮小)も始まります。予告されたことですから織り込み済みでしょうが、実際に始まったことで市場がどう反応するか。QTの規模は当初300億ドルですが、9月からは600億ドルへと倍増されます。長い話になりますが6、7月はもみ合いのなかで緩やかに上昇し、8月下旬のジャクソンホール会合あたりから崩れ始めて、9月のQT倍増で崩れる――そんなイメージも描けます。
西原 ありえるシナリオでしょうね。あるいは米株が底をつけたのは5月20日。そこから2、3週間ほど調整して6月15日FOMCから下落再開といった、より早く下落が再開するケースも想定できます。
■じり高の原油、さらなる上昇は
ひろこ どちらにせよ、中途半端なところで米株を売ると踏まれるリスクがありますね。さて、スケジュールを見ていくと今日30日は米国がメモリアルデーで休場です。メモリアルデーの翌日から「ドライブシーズン」入りとなり、ガソリンの需要が高まる季節が始まります。6月2日はOPECプラス会合ですが、今までどおり日量43万バレルの小幅な増産を粛々と続けていくのでしょう。
西原 WTI原油は116ドル前後。じり高ですね。
ひろこ 上海ロックダウンも緩和に向かうとの報道もある中、同時に中国は景気テコ入れ策を打ち出しています。中国での需要増が期待される中、EUがハンガリーの反対を押し切ってロシア産原油の禁輸を決定、そこにドル安が加わると原油にかぎらずコモディティ市場全般、強含むかもしれません。リスクオンっぽい雰囲気となりさらに株価が上がるという、今週はそんなフェーズかもしれないですね。
西原 昨年末時点で「2022年の注目トレード」のひとつが原油高を背景にした米ドル/カナダドルでした。ターゲットは1.20です。ところが原油は予想通りに上がっているものの米ドル/カナダドルはレンジ。米ドル高となったためです。
ひろこ ドルインデックスを見ると、2017年高値104ポイントの上抜けにいったん失敗した形に。米国株のリバウンドとともにドル安が進み、原油も一段高となれば、米ドル/カナダドルにも下落圧力が高まりそうですね。
西原 米ドル/円は長期的には上を見ていますが、今週はまだまだ難しい。下がれば買いは出てくるものの、上がったところを売って下で買い戻してと回転させたほうがよさそうです。
■ユーロ/米ドル、巨額オプションが下値支える
ひろこ 明日は月末、そして3日には米雇用統計も発表されます。米株強気派がインフレが沈静化すると考える根拠のひとつが賃金の上げ止まり。雇用統計で平均賃金が弱含んでいるようだと米株強気派の勢いが強まって米株がポンと上がってドル安となるかもしれません。西原さん、今週の通貨ペアはどう考えますか?
西原 ユーロ/米ドルの押し目買いですね。31日まで1.0590ドルから1.0600ドルの間に約80億ユーロと大きなオプションがあり、下値は固いでしょう。