青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2023年01月20日配信号のサンプル
ドル円(西原宏一のトレード戦略指令!)
残っていたドル円のlongを130.55円でスクエアにしました。
これでいったんスクエア。
・2023年01月23日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 1月23日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
■日銀会合で上へ下への乱高下!
ひろこ 先週の日銀はボラティリティが高まりましたね。発表直後に3円急騰してからの全戻しでした。
西原 海外勢を中心に何らかの政策変更があるのではと期待が高まっていましたが、結果は現状維持。ところが共通担保資金供給オペの拡充を決めたことが「金融緩和の強化」と受け止められて急騰したものの、「YCCの修正・撤廃に動くのは時間の問題」と見た海外勢の戻り売りに押されて急落した、というところでしょうか。
ひろこ 政策変更を期待していた海外勢からの恨み節があちこちから聞こえてきます……。
西原 サプライズ好きな黒田さんの性格を考えれば市場の期待が高いときは動かないと予想できたのでしょうが、今回は前のめりになりすぎましたね。
■日銀が動くのは4月以降か
ひろこ 先週も話したとおり、次回の日銀会合は3月10日。本決算の直前に為替や金利が急変することは避けたいでしょうから、政策変更や政府とのアコード(共同声明)見直しは4月以降に先送りとなりそうですね。とはいえ共通担保オペは今日からです。その結果や効果も見極めたいですね。
西原 米ドル/円はチャート的にいったん底をつけた可能性があることもたしか。僕の見ているTDシーケンシャルでも日銀会合の18日に底打ちのシグナルを出しています。
ひろこ 先週安値127.22円は昨年来高値・安値で引いたフィボナッチ・リトレースメントの50%とほぼ一致しています。止まるべきところで止まっています。米ドル/円はいったん戻りを試す可能性もありますね。
■「ブレトンウッズ3.0」でドル安が進む
西原 今年のトレンドがドル安であるとの見通しは変わりませんが、当面は米ドル/円よりもユーロや豪ドルなどのドルストレートが注目となりそうです。先週のダボス会議では「ドル以外の通貨での石油貿易決済、サウジはオープン」との記事が出ました。人民元やユーロを想定した発言でしょうが、以前から話している「ブレトンウッズ3.0」への移行が連想され、米ドルは値を下げやすくなると想定しています。
ひろこ ゴールドも代替手段のひとつですね。決済通貨の再構築といった動きが強まるとゴールドの価値が高まりやすくなります。
西原 コモディティ高を為替で表現するなら豪ドル高でもある。
ひろこ IEA(国際エネルギー機関)は今年の石油需要が過去最高を更新するとの予想を出しました。中国のリオープニングによるところが大きいかと思われますが、景気減速の予想も多い一方で原油需要が高まるということは景気が悪くないということ。悲観的になりすぎないほうがいいかもしれません。
■バッドニュースはGoodからBadへ
西原 株式市場でも、今年は米利上げが効いてきて企業収益が悪化し株価は低迷するという予想が多かったのですが、中国のリオープニングが効いてきて意外と落ちないという意見も出てきました。ここまでの値動きはそのとおりになってきています。
ひろこ 去年までは米経済指標が悪化すると利上げ打ち止め期待が高まって「バッドニュース・イズ・グッドニュース」で株が買われました。ところが先週は素直に「バッドニュース・イズ・バッドニュース」で反応する場面がありました。今週から米企業の決算発表が本格化し24日にマイクロソフト、25日にテスラ、来週2日にはアップル、グーグルやアマゾンなど金利上昇局面で売り込まれたテック企業の決算が発表されます。金利上昇が影響し決算期待値に届かずに売られる「逆業績相場」の様相となると厳しい。中国リオープン期待と決算、どちらに軍配が上がるかに注目ですね。
■ドル安が調整なく進むか、見極めを
西原 いずれにせよ米ドル/円は2年前とは比べものにならないほど、ボラティリティが高まっています。当面は130円を挟んで上下2、3円ほどのレンジを見込んでいますが、値が飛びやすくスウィングトレードには向かないかもしれない。デイトレードくらいに時間軸を下げたほうがやりやすそうです。
ひろこ 今週の戦略はどう考えますか?
西原 英ポンド/米ドルは9月以降、大きな調整もなく2000ポイントほど上げています。ユーロ/米ドルも1000ポイントほど上げており、このまま調整なくドル安が進むのかどうか見極める週でしょうか。