西原宏一氏のFX手法は、ファンダメンタルズとチャート分析を駆使したシンプルなスタイル。メルマガはリアルタイムな為替予測でタイムリーな配信。トレード戦略に役立つ内容を月に50~100通ほど配信中。

株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2023年3月

・2023年03月30日配信号のサンプル

豪ドル円(西原宏一のトレード戦略指令!)




ヘッジファンドの思惑を更新しました。
https://zai.diamond.jp/articles/-/417032


豪ドル円の89.15円のorderがつかないので、キャンセルして
0.2を@88.70円で売りました。

残りは0.4のlong.

・2023年03月27日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 3月27日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■金融不安はドイツ銀行へ飛び火

西原 今週で3月が終わります。シリコンバレーバンク(SVB)の破たんからクレディ・スイスの救済合併、そして先週はドイツ銀行の株価急落――。このところ毎週、金融不安が高まり当局が対応しつつも徐々に危険水域へと近づいている印象です。

ひろこ ドイツ銀行はそこまで中身が悪いわけではない、ヘッジファンドなどの投機筋が仕掛けているだけだ、との指摘もあります。銀行業界だけの問題ではなく本質的な金融危機を引き起こすほど悪い状況なのでしょうか。

西原 潰れるほどかどうかはともかく、ドイツ銀行がよくないのはたしかでしょう。たしかに金曜日のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)急騰や株価急落は仕掛けっぽい動きでしたが、クレディ・スイスですらあっという間になくなってしまう今、安心できる状況とは言えません。



■「年末1%利下げ」を織り込む

ひろこ 発端となったSVBの取り付け騒ぎですが、SNSでのあおりが火をつけたとの見方もあります。

西原 ツイッターなどのSNSであおれば企業を潰せてしまう時代ですし、とくに銀行のように信用を基盤にするビジネスはもろい。また、SVBのように米国債が値下がりしたくらいで潰れてしまうほどリスク管理が甘い銀行があった、ということも問題です。そう考えると金融危機はまだ続くのでしょう。

ひろこ 先週はFOMCもありました。0.25%の利上げは予想どおりでしたが、ドットチャートが5月の利上げを示唆したままだったのは驚きました。タカ派な印象ですが、マーケットはイエレン米財務長官の発言には反応しても、FOMCにさほど反応しませんでした。FEDウォッチを見てもドットチャートに反して据え置き予想のままです。

西原 マーケットはパウエルFRB議長を信用していない、ということでしょう。金利先物市場の織り込みを見ても7月から下がり始めていて、年末・年始には3.75~4%程度の水準となっています。政策金利は上げるときは0.25%ずつ細かく刻んでいくのが通例ですが、ショックが起きて下げるときには一気に1%動かすこともある。そうした事態を織り込んでいるのでしょう。



■利上げ打ち止め、金融不安で有望なゴールド

ひろこ 利下げを織り込み始めたのか、金融不安が高まっても株価は崩れませんね。

西原 ほんのわずかでも緩和姿勢が見えれば、これまでの金融緩和で供給された流動性が株、そしてゴールドへと流れるのでしょう。

ひろこ 過去のサイクルだと、利下げが始まると株価が崩れる傾向があります。米金利が上がらない、銀行への不安が高まっている、株価も崩れるかもしれないとなると買われるのはゴールドですね。足もとでは2000ドルの大きな節目に差し掛かり上値が重くなってはいますが。



■欧米は利上げ停止、消去法で買われる円

西原 米2年債利回りは一時3.5%台まで急落しました。さすがに下がりすぎですが反発も弱い。

ひろこ 利上げ停止はBOEやECBも同様です。次回の利上げ織り込みはほぼゼロ。どこもかしこも一斉に利上げ停止となると、どの通貨に優位性があるのか、わかりにくいですね。

西原 そうなると消去法で円買いということになりますね。米2年債利回りにしても一時的な反発はあっても5%へ戻ることはもうない。今月の米ドル/円は137円91銭から130円割れまで8円下げましたから一時的な戻りはあるにしても、そこは売り場となるのでしょう。今週も米ドル/円の戻り売りでいいと思います。

ひろこ 金曜日は月末、そして本邦勢の年度末です。

西原 これだけイベントがあったのでリバランスどころではないかもしれません。ただ、年度末にからむ本邦勢のフローは出るはず。水曜日、木曜日あたりには予想が出てくるでしょうから目につくものがあればメルマガで紹介したいと思います。