青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2023年10月30日配信号のサンプル
日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に(西原宏一のトレード戦略指令!)
ユーロ/円を戻り売り! 今年の円安を牽引してきたスイスフラン/円が失速し、米ドル/円含め調整に警戒。
ユーロは中東情勢があり、金融政策の面からも上がる力はなさそう
https://zai.diamond.jp/articles/-/431520
下記の日銀速報が出て、急速に円高に。
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日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に
日銀は31日に開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論する。現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力だ。米金利上昇を背景に日本の長期金利は1%に迫っている。日銀が金利を抑えつけることで、市場機能のゆがみが膨らむ事態を避ける狙いがある。
日銀は7月の決定会合で金利操作の運用を柔軟にし、それまで上限としていた0.5%を「めど」に変えた。さらに長期金利1%の水準で国債を無制限に買い入れる「連続指し値オペ(公開市場操作)」を実施する措置を導入。1%を長期金利の事実上の上限とした。
日銀内で浮上しているのは、連続指し値オペの運用などを改めることで、一定程度1%を上回る金利上昇を容認する案だ。市場実勢に配慮することで日銀の国債購入が過度に膨らまないようにし、投機筋が債券を売り浴びせる状況を未然に防ぐ考えだ。
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ドル円とユーロドルのshortで変わらず
取り急ぎ
・2023年10月30日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 10月30日配信 #nishiharafx(今週の戦略会議&読者からの質問)
■中東情勢は「新たな段階」へ
西原 中東情勢が動いていますね。金曜日にはアルジャジーラが停戦交渉を報道。週末を控えていたこともあり手仕舞いの動きが進みました。
ひろこ 停戦の可能性も情勢が悪化する可能性もどちらもあり、週末を持ち越すのは怖いですよね。
西原 実際、停戦交渉については目立った続報もなく、土曜日にはイスラエル軍が「戦争の新たな段階に」との声明を発表。地上での軍事行動を拡大しています。
ひろこ 地上戦の開始は新たなステージに変わったことを意味するのですが、イスラエルが限定的な規模で慎重に開始したこともあり、市場も反応しにくいですね。先週末、WTI原油はこの報道で84ドル台へと上昇しましたが、買いは続かず、週明けは反落しています。
■ゴールドのセル・ザ・ファクトは?
西原 戦争などの地政学リスクに対して市場は「始まるか?!」という段階でいちばん過敏に反応し、実際に始まるとセル・ザ・ファクトで反転していくのが、これまでのパターンです。イラク戦争などがそうでした。
ひろこ それが如実にあらわれるのがゴールドですよね。「危ないぞ」と言って買われ、リスクが現実化すると急騰し、利食い売りが出て反転する、というのがゴールド・トレーダーのセオリーです。
西原 それでいえば地上戦の開始は利食い売りへの区切りとなってもおかしくないのですが、今回はアルジャジーラの報道が挟まったこともあり、区切りがはっきりしません。
■有事で買われたスイスフランは調整入りか
ひろこ ゴールドは先週、2000ドルを超えましたが、急騰したというほどではない。2000ドルを超えてさらに新高値をつけるようなら資金が集まってきた感じとなりますが、まだそこまでではありません。
西原 今回の中東不安で買われているのはスイスフラン、次いで米ドルです。そのため僕はスイスフラン、とくにスイスフラン/円で見ているのですが、170円はおろか169円も超えられず3円近く下げてきました。地上戦が始まっているため、セル・ザ・ファクトが始まっているのかもしれません。ゴールドとスイスフランの動きがそろってくれれば、わかりやすいのですが。
■株式市場の調整、ゴールド史上最高値への道のり
ひろこ ゴールドが史上最高値を更新して新たな局面にいけるかどうかはここからの米金利動向が重要。今は高金利ですから金利のつかないゴールドにとっては向い風。金のETF市場からは資金流出が続いています。いつになるかはわかりませんが、FOMCの利下げが始まれば新たな上昇トレンド入りの可能性が出てきます。
西原 ただ利下げはまだ先ですし、今はまだ中東情勢がテーマ。地上戦がどの程度の規模になるのか、世界の世論がどう変わるのか、そしてイランやアメリカが大々的に関与してくるかどうか――。
ひろこ 今週のFOMCは利上げ見送りがほぼ確実なのにもかかわらず株式市場の下落が続いている背景は戦争の不確実性を嫌気しているということでしょう。日本では高配当銘柄まで売られていますが、これは米金利上昇の影響も大きいと思われます。「米国債で5%の利回りがあるなら、下落リスクが高い高配当株よりも安全だ」とリバランスの動きも出てきますから。
■FOMCはパウエルコメントが焦点、米雇用指標も集中
西原 今週は明日31日に日銀、11月1日にFOMC、2日にはBOEと金融政策発表が続きます。FOMCとBOEは据え置きでほぼ決まりです。
ひろこ 今回のFOMCはSEP(経済見通し)も出ないですし、ボラティリティを作る可能性があるとしたらパウエル議長のコメントですね。
西原 無風だろうと思っているとボラが出る可能性があるため、なめてかからないほうがいいですね。
ひろこ 今週は中銀ウィークではあるのですが、米雇用指標ウィークでもあります。1日にはADPとJOLTS、3日に雇用統計です。こちらのほうが意外と反応するかもしれませんね。
■日銀は24年度物価見通しが注目
西原 日銀は一部でYCC修正なども予想されていますが、現状維持の可能性が高そうですね。
ひろこ 注目されているのは物価見通しです。24年度のインフレ見通しが2%を超えているようだと「次はマイナス金利の解除か」との思惑が高まることもありそうです。ブルームバーグなどが物価見通しの引き上げを事前に報道しているので織り込み済みかもしれませんが……。もうひとつ気になるのは11月2日に閣議決定される岸田政権の経済対策。それまでにあまりに円安が進んでしまうと国民の反発を招く恐れもあり政府は円安牽制の態度を強めるかもしれません。
西原 今週の戦略ですが、今年の円安を牽引してきたスイスフラン/円が169円にも届かずに失速していることから米ドル/円も含めて調整に警戒しています。とくにユーロは中東情勢があり金融政策の面からも上がる力はなさそうに思えます。中長期的にはパリティ(1.00)の可能性もあり、ユーロ/円の戻り売りがいいのではないでしょうか。