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株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2023年7月

・2023年07月17日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 7月17日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■ドル円の急落はオプションの影響か

ひろこ 米ドル/円は下げるところまで下げましたね。先週金曜日につけた137.23円の安値はちょうどフィボナッチの50%戻し(3月24日からの上昇に対して)です。

西原 その付近は200日移動平均線の水準でもありました。200日線くらいまでの調整もあるのだろうなとは思いましたが、もっと日数をかけて下がると想定していました。わずか1週間で調整したのは驚きです。

ひろこ 1週間前には142円台でしたから早かったですね。

西原 急落の原因はさまざまに解説されていますが、個人的にはオプションの影響だと思います。昨年に比べ今年はボラティリティが低下しており、今回のようにたまに動くとき以外はベタっとした展開が続いていました。そのため相場が動かないと考えたオプションのポジションが増えており、それが今回の下落で連鎖的に切らされ、売りが売りを呼ぶようにして急落した、という見方です。



■ミニCPIショックで米金利低下

ひろこ 下げのきっかけとなったのが米金利の低下ですね。先々週には5%へ到達した米2年債利回りは4.6%台まで下げました。

西原 CPI、そしてPPIの低下の影響と解説されていますね。

ひろこ とはいえCPIは総合で前年比3%。コアだと前年比4.8%です。ターゲットとする2%までインフレを徹底的に退治するなら、今月に加えてもう1回の利上げは充分にあり得ますし、そうしたムードに回帰して米金利が再び上がる可能性もありますよね。

西原 経済指標次第ですから、あと2回の利上げも充分あるでしょう。今回、2年や10年の利回りは低下しましたが、金利先物市場での見通しはさほど変わっていません。米金利がオーバーシュート気味に下がった印象ですね。

ひろこ CPIショックのミニ版のような動きでしたね。今週はテスラ、バンク・オブ・アメリカなどの決算発表もあります。強い数字が続くようだと米金利が巻き戻すのかもしれません。



■スイスフラン/円は「貿易黒字vs貿易赤字」

西原 先週の為替市場はドル全面安でした。米ドルに対して、どの通貨も上がったのですが、中でも強かったのが、このコラムでも再三話題にしているスイスフラン。米ドル/円とともにスイスフラン/円も調整しましたが、あっというまに史上最高値をうかがうところまで戻ってきました。

ひろこ なぜスイスフラン/円はそこまで強いのでしょうか?

西原 スイスフラン/円は「貿易黒字vs貿易赤字」と見ることもできます。日本は貿易赤字が積み上がっており、円安要因となっています。それに対してスイスは安定的な貿易黒字国。通貨高と通貨安の構造が対照的です。

ひろこ 日本企業による海外企業のM&Aも活発なようです。構造的に円が外へ出やすくなっていますね。先週の金融政策発表ではカナダが利上げ、NZは据え置きでした。先週のように米利上げの打ち止め感が強まるなら他国の金融政策へとフォーカスが移るかとも思ったのですが……。

西原 そういった部分もあると思います。NZドルは思ったよりも底堅いのは、5,5%と主要通貨でもっとも高い政策金利が効いているのでしょう。今月は据え置いたとはいえ利下げするわけではないですから、底堅さはまだ続くのかもしれませんね。



■トルコもロシアを見限ったか

ひろこ 今週、大きなイベントや経済指標は見当たりません。20日にトルコ中銀の政策金利発表はありますが……。

西原 エルドアン政権のやることは見通しづらく、予想したところでサイコロをふるのと大差ありません。ただ、トルコがスウェーデンのNATO加盟指示を打ち出したというニュースは、いよいよトルコもロシアを見限ったか、と注目されました。

ひろこ 来週26日のFOMC、28日の日銀に向けた1週間となりそうですね。米ドル/円はテクニカル的にはいい水準まで下げましたが、日銀の政策変更に期待した売りが続くのか、買い戻されるのか――。今週の戦略はどう考えますか?

西原 米ドル/円を買うのは日銀を通貨するまで控えたいですが、140円くらいまでふらっと戻す可能性もありそうです。目先は137円から140円、142円程度のレンジなのでしょう。ただ、対円以外でのドル安はまだ続くのでは。ドル安はとくに米ドル/スイスフランで顕著ですから、そうなると史上最高値をうかがうスイスフラン/円の押し目買いでいいのではないでしょうか。

・2023年07月28日配信号のサンプル

円安がYCC調整の真の理由?、日経平均の底堅さ(西原宏一のトレード戦略指令!)


こんばんは。


日銀がYCC調整に動いたことについては、様々な意見が交錯しています。

興味深かったのが、BNP Paribasのチーフエコノミストである河野さんの下記の意見。

「7月に日銀が動くとすれば、その真の理由は、12月同様円安回避にあると考えている。」

昨年12月に日銀が動いた後のドル円は急激に円高に向かっています。
しかし、昨年のドル円は年間すでに35円急騰しており調整しやすかったこと、加えて日銀が大規模介入していたこともあり、日銀が動いたことが大きな円高を引き起こしたとは、言い難いものはあります。

つまり日銀の思惑が彼が指摘していた通りだったとしても、マーケットを円高に誘導できるとは限らないということ。


加えて、ドル円のダウントレンドが明確になるには、総じてクロス円の下落が必要になりますが、
本日のユーロ円は一時151.41円まで急落しましたが現時点では154.50円まで踏み上がっており、
仮に現時点でNY市場がひければ、日足は下ヒゲの長い陽線となり、下げ渋っているというより反発しています。

どちらにせよ、YCC調整が報道されているわりには、日経平均も反発しており現時点で33,000円レベルで推移。


こうした環境下、個人的に、ドル円は137~142(or 135~145)の間でのレンジトレード。

今回の日銀の決定が、為替のドライバーになり得るのかどうかもう少し検証します。



138円台で打診買いしたドル円のlongは早々にやめてしまったため、FXはEURCHFのSHORTのみ。