西原宏一氏のFX手法は、ファンダメンタルズとチャート分析を駆使したシンプルなスタイル。メルマガはリアルタイムな為替予測でタイムリーな配信。トレード戦略に役立つ内容を月に50~100通ほど配信中。

株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2023年6月

・2023年06月26日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 6月26日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■プーチンの威信失墜。市場の焦点は「戦後」へ

ひろこ 週末、ロシアで民間軍事会社「ワグネル」が武装反乱を起こしました。

西原 大変なことになったと思ったのですが、意外とあっさり収束しましたね。

ひろこ プーチン大統領の威信は失墜しましたし、ワグネル抜きで戦うとなると形成はウクライナに傾きそうですね。そろそろ「ウクライナ戦争が終わったら株やゴールドはどうなるのか」と「戦後」のシナリオを描くストラテジストが増えてきそうです。

西原 そうですね。ただシナリオは戦争の終わり方によっても変わるでしょうし、まだコンセンサスといえるものは醸成されていません。

ひろこ 今はまだ予断を持たず慎重に見る時期ですね。

西原 コンセンサスが固まってくると今度は実際に戦争が終わったときにはセル・ザ・ファクトのようなことも起こる。焦らなくてもいいでしょう。



■株式市場ではリバランス売り・ETF換金売りか

ひろこ 今週は月末、四半期末です。

西原 先週金曜日にはGPIFから利益確定売りが出たのではとウワサが出ていました。GPIFが実際に動いたかどうかはともかく、年金基金のリバランス売りは出てくるのでしょう。

ひろこ 毎年この時期になると出てくるETFの換金売りも話題です。7月7日、10日で1兆1000億円の換金売りが出るのではとの試算がブルームバーグに出ていました。7月を前に先回りして利益確定しようと考える投資家もいるでしょうね。

西原 そうしたこともあり、今週は下落を見込む人が目立ちます。ただ、下がったところは拾いたいと考えている投資家も多いため、大きく崩れることもないのではと思います。

ひろこ 今朝も落ちたところはすかさず買いが入っていますね。



■円安はまだ続くのか

西原 為替市場では、メルマガでも配信したとおり今朝になり神田財務官から円安牽制発言が出ています。

ひろこ クロス円もだいぶ上昇しましたし、ここから上をさらに買っていいのかどうか――どう考えますか?

西原 クロス円の上昇を引っ張ってきたスイスフラン/円は160円に達しました。いいところまで上がったなと思います。一方で豪ドルは利上げ織り込みが低下したこともあり、利食い売りが出ています。株でいう循環物色のように買われる通貨は移ろいながらも円売りは続くのだろうと思います。

ひろこ 英中銀は先週、0.5%の利上げを発表しました。0.25%との声も強かっただけにサプライズですね。ただ先週発表されたPMI速報値は予想を下回り、インフレもなかなか収まりません。スタグフレーションめいてきました。

西原 利上げは続く見通しなのですが、スタグフレーション懸念もあり英ポンドに対する見方は買いと売りで割れていますね。



■米インフレはここからが正念場

ひろこ アメリカのインフレはいかがですか?

西原 4%程度まで落ちてきましたが、ここから2%へ落とすのが難しい。もちろん利上げすればいいわけですが、上げ過ぎれば景気や株価を潰してしまう。ここから下げ渋るようなら利下げは遠のきます。

ひろこ インフレ指標としてFRBがもっとも重視するPCEデフレータが30日に発表されます。インフレが減速しないようだとドル高になるかもしれませんね。中銀動向では、26日からECBフォーラムが開催され日米欧英など主要中銀の総裁が勢ぞろいします。以前はECBフォーラムでサプライズ発言が飛び出て市場を動かしたこともありました。しかし、フォワードガイダンスやインフレターゲットが導入された今はサプライズが起きにくくなっている、との指摘もあります。

西原 ウクライナ情勢など不透明感も高まっていますから中銀総裁もサプライズどころではないでしょうね。



■米ドル/円の押し目は拾いたい

ひろこ 今週の戦略はどう考えますか?

西原 米ドル/円は節目の145円に近づき介入懸念が高まっていますが、円安牽制発言や日本株の調整で下がったところは拾っていいのでは。145円が近づくと売りも増えるでしょうから145円を一気に抜けるとは思いませんが、いずれショートが切らされて上がらざるを得なくなる展開をイメージしています。

・2023年06月29日配信号のサンプル

145.00円(西原宏一のトレード戦略指令!)


ヘッジファンドの思惑を更新しました。
https://zai.diamond.jp/articles/-/423185


昨年、初めて日銀の介入が行われたのが、9月22日、145.00円を超えた局面。

先程のドル円の高値は144.90円。


到達した後、あっという間に144.50円まで反落しています。

145.00円超えは実弾介入が入る可能性も高いため、
ドル円をshortにする価値はあるかも知れませんが、個人的にはドル円は押し目買いスタンス。

そのため、短期potisionは別として、swing positionではドル円はshortにせず、豪ドル円のlongのまま。