西原宏一氏のFX手法は、ファンダメンタルズとチャート分析を駆使したシンプルなスタイル。メルマガはリアルタイムな為替予測でタイムリーな配信。トレード戦略に役立つ内容を月に50~100通ほど配信中。

株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
関東財務局長(金商)第2756号
FXトレード戦略指令! ZAiFX!
西原 宏一(にしはら こういち)

青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

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青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

2020年2月

・2020年02月27日配信号のサンプル

新型ウイルスの状況悪化あり得る、日経先物22,000円割れ(西原宏一のトレード戦略指令!)



トランプ米大統領は記者会見で、
「政権の取り組みが奏功し、国民へのリスクは非常に低い」
ただ「大幅に悪化する可能性もあるが、避けられない事態などない」とコメント。

ペンス副大統領が対策の責任者となる模様。


新型コロナウイルスの国内感染拡大を阻止する取り組みについて説明し、「どんな事態が起ころうとわれわれは十分に備えている」と、国民に安心するよう呼び掛けた形。

なにかサプライズのコメントがあるのでは?と期待(懸念?)したマーケットでは、一時NYダウ先物が買い上げられていましたが、会見後反落。

現在日経平均は22,000円を割り込んで、21、910円で推移。



株の下落はキャリー・トレードの巻き戻しも誘引し、ユーロキャリー、円キャリーの巻き戻しで、ユーロドルは1.09台を回復。
ただドル円は110.00円レベルのサポートをなかなか割り込めず、現在110.20円で推移。

ドル円は110.35-40円レベルで0.1だけshortを増やし現在0.7のshort.


ご質問にもいただいたのですが、日経先物が2.00でドル円が0.7のshortだとかなりriskが日経に偏っているわけですが
それはvolatilityの違いとこれまでのトレードの違い。

2−3年前まではrisk off=株安、円高の相関が高く、どちらも同じようなriskをとっていたのですが、
NYダウがこれだけ暴落しているなか、ドル円はまだ110.00円台をサポートしているというvolatilityである事と、
後追いになっているドル円はどうしても戻りがないとなかなかriskを増やせない状態であること。

日経先物は21,300~500円レベルで半分shortを買い戻す予定。

・2020年02月24日配信号のサンプル

FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 2月24日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)



■ドル円急騰、もう円はセーフ・ヘイブンではない?

ひろこ 今朝の米ドル/円は窓を開けて下落、日経平均先物も下落しています。日本市場は祝日、嫌な週明けですね。

西原 米ドル/円は先週、112円19銭まで上昇し、昨年4月高値の112円40銭に迫るところまで来ました。

ひろこ 突然の上昇の原因について、見方が割れていますね。「GDPの悪化や新型コロナウイルスへの日本政府の対応などから『日本売り』が始まった」とする見方と、「本邦機関投資家勢が外債投資を活発化させたことによる円売りだ」とする見方と。

西原 日本売りが始まった可能性もあるでしょう。GDPの悪化に加えて、ダイヤモンド・プリンセス号への対応で日本政府は後手に回っています。外国人からすると「福島原発の再来」をも想起させるようです。これまで円、それに米ドルがリスクオフで買われる「セーフ・ヘイブン」(避難通貨)でしたが、円はその座から転げ落ちてしまったのかもしれません。



■セブン&アイの超大型M&A、外債投資の活発化、

ひろこ でも、もし日本売りだとすれば、日本株や日本国債も投げ売りされるはずです。今はまだ、そこまでの反応はでていませんよね。

西原 この数年の相場では、アセット間の相関性が薄れています。「為替は為替、株は株、コモディティはコモディティ」と分けて考えたほうがトレードしやすいようです。

ひろこ 時期的に年度末が近くリバランスによる外債投資の影響が指摘されていますし、年金などはマイナス金利のものは買えないでしょうから「償還された日本国債の資金が外債へシフトされているのでは」との指摘もあります。また、先週はセブン&アイ・ホールディングスによる2.4兆円規模のM&A交渉が大詰めとの報道も出ました。ドル円は月足レベルの三角持ち合いを上抜けてきましたが、外債投資の活発化やM&Aの影響による上昇が本筋だったとするなら、持ち合いブレイクがダマシとなる可能性もあります。

西原 さまざまな見方はありますが、米ドルが買われているのはたしか。年初から対オセアニア通貨でドルが買われ、次に対ユーロで買われ、今度は対円で買われと、ドル買いが巡回しています。対円でのドル買いは先週から始まったばかり。まだ続くのではないでしょうか。



■東京五輪中止、そのとき円は?

ひろこ 新型コロナウイルスは世界に広がり、韓国やイタリアで感染者が急増。韓国の株価指数KOSPIは今朝も急落しています。

西原 KOSPIが下がるなら、プロキシーとして日本株での売りが出るのかもしれないですね。

ひろこ イタリアではサッカーの試合が中止されましたし、中国では全人代の延期が今日にも正式発表されます。日本でも金融イベントやセミナーの中止が目立ち始めていて、私の仕事にも影響が……。

西原 もし「東京オリンピック中止」のようなことになれば日本株は急落するでしょうね。

ひろこ コロナ騒動でリモートワークを導入する会社も増えてきました。いち早くリモートワークを宣言したGMOインターネットの熊谷社長は「在宅勤務開始から3週間。何が凄いかと言うと、業績に影響がほぼ無い。この結果を見て、そもそもオフィスが必要なのか真剣に考えている」とツイートしています。リモートワークの一般化で、オフィス不要論が台頭すれば、オフィスビル市場に影響が出てくるシナリオも……?

西原 インターネット関連はオフィスにいなくともできる業務が多いですからね。



■ドル円の押し目買い方針

ひろこ WTI原油市場では50ドルの大台が重要な節目。協調減産に否定的な態度を示しているロシアに対し、とうとうサウジアラビアやクウェート、UAEはロシア抜きでの減産の検討にはいっています。2016年から協調減産を続けてきた「OPECプラス」の枠組みが崩れるかもしれません。50ドル割れが定着すると、シェール企業のジャンク債市場にも影響が及びますし、ひいては株式市場などへの影響も出てくるでしょう。

西原 これまでならリスクオフで円買いとなる可能性を考える話ですが、円がもはやセーフ・ヘイブンではないのなら、米ドル/円の押し目買いでいいのではないでしょうか。ユーロ/米ドルは過去3週間、徹底的に売られてきて、ドル買いが積み上がっているでしょうし、どこかで反発の場面もあるでしょう。対円でのドル買いがいいと思います。