青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2017年10月09日配信号のサンプル
朝鮮労働党創建記念日(西原宏一のトレード戦略指令!)
作戦会議を更新しました。
http://zai.diamond.jp/articles/-/271242
今週の注目は明日=10月10日(火)に北朝鮮で予定されている「労働党創建記念日」。
過去にはこの日の前後に核実験やミサイル発射などの挑発行動を行なっており、今年も何かやるのではと警戒されています。
これが先週金曜日ドル円が112円台ミドルまで引き戻された要因のひとつ。
まず週超えでは北朝鮮からなにも有事の報道がなかったことからドルの買い戻しもあり、ドル円が底堅い展開。
ただ明日の「労働党創建記念日」を控えてまだドル円は神経質は動き。
前回、北朝鮮の建国記念日である9月9日が近づくにつれ警戒感が高まり、米ドル円は今年の安値107.32円に到達。
同日、ユーロドルが年初来高値の1.2092ドルまで上昇。。ゴールドもこの日に今年の高値1357ドルをつけています。
ユーロ円はフランス大統領選が終わった後から反発。
このところの相場は、米大統領選、フランス大統領選、そして北朝鮮の建国記念日などといった
リスクイベントを終えた後、ドル円やクロス円が反発する傾向にあります。
この意味においては明日の「労働党創建記念日」以降の相場動向に注目しています。
中期のトレンドにおいては9月8日以降のドル高の流れは継続していると想定しています。
ユーロドルは、ドイツの総選挙、カタルーニャの独立問題などの報道はユーロという通貨全般の問題ではないため、短期的には大きな影響はありませんが、negativeな材料であることには変わらず、じわじわとユーロドルの上値を抑える要因になると想定しています。
先週メイ首相の辞任の噂などで調整にはいっていたポンドは週があけるとeurgbpはあっさり反落、ポンド円は反騰しています。
個人的なeurgbpの見方はかわりませんが、 週足でentryしたわりには日足ベースでいったんカットしていたこと、
加えて、keepしているドル円とユーロドルも、10日を控えていることもあるのか
ドルが上がりきれず、ラリーがあればドルを減らし、押し目で追加するといった細かいトレーディングになっており
同様のトレードが増えるとリスクが増えるため、現在はドル円とユーロドルのみ。
特にドル円はdemarkの日足が売りサインを点灯していますが、本邦投資家のドル買い需要がひかないため、
認識しているドル需要と、demarkのテクニカルのサインがあわないため、113円台では必ずロングを減らし、
dipがあればドルを増やすといった丁寧なトレードをしています。
本日のNY cutです。
DTCCデータによると、NYカットで行使期限を迎える大規模なオプションは以下の通り。
ユーロ・ドル: 1.1690 (2.9億ユーロ)、 1.1700 (16億ユーロ)、 1.1750 (2.76億ユーロ)、 1.1765 (11億ユーロ)、 1.1795 (3.03億ユーロ)
ドル・円: 112.50 (3.3億ドル)、 113.00 (5.55億ドル)
注目のストライク: 112.80 (13億ドル 期限10月11日)
ポンド・ドル: 月曜日期限の注目ストライクは無し
豪ドル・ドル: 0.7700 (3.29億豪ドル)
出所Bloomberg
結果、ドル円のロングとユーロドルのショートの方針は変わらず。
・2017年10月16日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 10月16日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
■21年ぶり高値の日経平均でも円安進まず
ひろこ 日経平均が強いですね。先週末の終値は2万1155円。21年ぶりの高値だそうです。
西原 日経平均は2万1000円にデリバティブ系の「ついたら困る」玉が多くあったようです。それがついたために勢いが強まった。ところが、米ドル/円がついてきません。先週は何度も「なぜ日経平均が上がるのに米ドル/円は上がらないのか」と聞かれました。今はリンクが切れており、ダブルデッカー(2階建てバス)のようには上がらないかもしれませんが、為替と株価のどちらが正しいかといえば日経平均。米ドル/円もいずれ追随して上昇が再開すると見ています。
ひろこ 足もとの米ドル/円は米金利に相関しているようですね。米金利がダレてきているために米ドル/円の頭が重くなっている。米国サイドの材料を見ているのが、今のドルですね。
西原 米金利はなかなか上がらないですが、かといって昨年の想定からすれば今の金利水準は低すぎるため、2%を割って崩れるようなイメージもありません。
■税制改革、次期FRB議長、トランプのツイッターバトル
ひろこ 12月の利上げは織り込まれつつありますが、市場は来年の利上げがあるのかどうかを意識し始めているのでしょうか。先週の米CPIは予想を下回りましたし、インフレ指標に力強さが感じられないことが、米金利の上昇を阻んでいるのかもしれません。
西原 次期FRB議長をめぐる報道も増えてきましたね。過去の例からすると今週あたりに指名されてもおかしくない。タカ派のウォルシュと、ハト派のパウエル、それにイエレンの再任――3つのシナリオがあるようです。ドル買いの材料となりそうなのは、ウォルシュの指名でしょうね。
ひろこ トランプ政権の目玉のひとつである税制改革もいよいよ佳境です。今週にも上院での可決をめざすとされています。ところがトランプ米大統領が上院の重鎮議員とツイッターでバトルを繰り広げたことから、可決が難しいのではとの観測が出ているんですよね。米金利の低下はこれが嫌気されことも一因のようです。もし今週、税制改革法案が可決されればドル買い、否決ならドル売りの材料と考えていいのでしょう。
■1.16ミドルの節目に注目のユーロ
西原 こうしたヘッドラインはいろいろあるんですが、大きな相場観としては米ドル/円、ユーロ/米ドル、それにゴールドがそろって反転した9月8日以降の流れは変わらないと考えています。
ひろこ ドル高ということですね。ユーロについてはどうですか?
西原 ドイツでは盤石だったメルケル政権にほころびが見えていますし、15日のオーストリア総選挙でも極右政党が第2党に躍進、政治的な不安定感が高まっています。景気についても「思ったほどの強さはないのではないか」との声が増えてきた。先週の動きを見ても、9月8日高値と10月6日安値の50%である1.1880できれいに頭を抑えられています。1.16ミドルを割り込むと深めの調整がありそうですし、割れなければレンジでしょうか。
ひろこ 欧州では17日発表の英CPIも注目ですね。予想は3%。これを上回れれば利上げ期待が高まってポンド買いとなりそうです。
西原 このところの英ポンドは投機通貨としての色合いが強まっている印象。ヘッドラインによる乱高下が目立ちます。下手にさわるのは怖いですね。
■共産党大会を狙った北朝鮮の挑発行動も
ひろこ 18日からは中国で共産党大会が始まります。これに合わせて気をつけたいのが北朝鮮。過去にも中国での国際会議などにあわせて挑発行動を起こしたことがあります。最近の北朝鮮は中国への不満を高めているようでもあり、大会期間中に何らかの挑発行動を起こす可能性がありそう。共産党大会は18日から24日までです。
西原 北朝鮮リスクで米ドル/円が下げたところは、これまでどおり買い場と考えていいと思います。
ひろこ 週末には日本の総選挙も控えていますね。
西原 希望の党の登場で「自民党、危うし」の報道が流れると海外投資家も気にしていましたが、「与党の過半数は固いようだ」と伝わり出すと興味を失っているようですね。今週の戦略としては、ユーロ/米ドルの戻り売りを中心に見ていきたいと思います。米ドル/円の押し目買いもいいのですが、日経平均の過熱感が気がかり。ユーロ/米ドルの戻り売りがいいのではないでしょうか。