青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2018年11月06日配信号のサンプル
Appleと「世紀の空売り」アイズマン氏(西原宏一のトレード戦略指令!)
5日のNY市場に話題を移すと、注目はapple.
5日の米株の足を引っ張ったのが再びappleだったため.
日経新聞の報道によれば、「iPhone Xrの増産計画中止を委託先の企業に要請した」とのこと。
これにより、appleに対する懸念が一気に拡大。
AppleはXsやXs Maxといった値段の高い上位機種で、利益率をあげるものの、台数がさばけないので、併存して売っている 8 や8 plusで収益をあげようとする戦略のようですが、iPhone Xrの増産計画中止の報道で、一時4.5%も急落しています。
結果、米国のテクノロジー株は依然として上値が思い展開。
本日のNY cutです。
ユーロ・ドル: 1.1350 (2.98億ユーロ)、 1.1380 (5.78億ユーロ)、1.1450 (2.73億ユーロ)
注目のストライク: 1.1300 (12億ユーロ 期限11月7日)、 1.1500 (16億ユーロ 期限11月7日)
ドル・円: 112.00 (3.58億ドル)、 112.10 (3.7億ドル)、 112.50(6.2億ドル)、 112.85 (4.8億ドル)、 113.00 (4.09億ドル)、 113.25
(6.2億ドル)、 113.75 (3.5億ドル)
ポンド・ドル: 1.2925 (11億ポンド)、 1.3000 (5.87億ポンド)
豪ドル・ドル: 0.7145 (5.02億豪ドル)
注目のストライク: 0.7200 (10億豪ドル 期限11月8日)
NZドル・ドル: 0.6750 (2.52億NZドル)
出所 Bloomberg
やたら巨大にあったユーロドルのoptionはかなり消滅。
注目はAUDドルの0.7200.
加えて、ポンドの1.2925.
もうひとつ昨日の海外市場で話題になったのは「世紀の空売り」で有名なアイズマン氏。
「世紀の空売り」アイズマン氏、英銀2行空売り-合意なき離脱に賭け2008年の金融危機に先立ち、サブプライム
(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券の下げを見越した投資を仕掛け、 一躍有名になったニューバーガー・バーマン・グループのマ
ネーマネジャー、スティーブ・アイズマン氏は、合意が成立しないまま英国が欧州連合(EU)から離脱するとの見通しに基づき、英国の銀行
2行を空売りしている。
アイズマン氏は4日にドバイで開かれた会議で、英国は自分が注目している最大のリスクの一つだと指摘。英政府はEU離脱で合意す
るものの、議会がそれを承認しない可能性が高いと予想した。空売りしている英銀の具体名は明らかにしていない。
アイズマン氏は「私は英国の2銘柄をショートにしているが、約50銘柄がスクリーン上にあり、(労働党党首の)ジェレミー・コービ
ン氏が首相になると考えれば、これら全てをショートにするかもしれない。トロッキー主義者が首相になるとすれば、英国を投資対象にしたい
とは思わないだろう」と語った。
出所 Bloomberg
直近は米中間選挙が注目ですが、Brexitに関する注目度は依然として高いまま。
米中間選挙の結果は、日本時間の明日の午後ちかくから大勢が判明する模様。
Keepしているpositionはユーロドルとポンドドルのlong.
ユーロドルは現在1.1407で推移。
ユーロドルのlongのstopは変わらず1.1295.
下落して仮にstopがついても、戻ればまたlongにするというorderにしていましたが、
イベントが近いため、素直に1.1295われのstopだけに変更。
ポンドドルは現在1.3057で推移。
ここで少しlongを落として
Stopを1.2800われと近場に変更しました。
・2018年11月05日配信号のサンプル
FX戦略! FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 11月5日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
■トランプ当選を的中させた識者の中間選挙予想は
ひろこ 今週はいよいよ米中間選挙ですね。今までになく高い注目度を感じます。
西原 米大統領選のサプライズが記憶に新しいですからね。あの経験があるからか、今回はアナリストの予想も慎重ですが、コンセンサスとしては「上院:共和党、下院:民主党」が過半数を握るという予想。この場合、マーケットに大きなインパクトは出ないと想定されています。このシナリオがおおよそ85%の確率でしょうか。
ひろこ トランプ当選を的中させたジャーナリストの木村太郎さんは今回、上下院とも共和党の勝利だと予想しているようです。このシナリオの可能性はいかがですか。
西原 上下院とも共和党が制するシナリオも15%ほどの可能性を見込んでいます。この場合は株高・円安の「ミニ・トランプラリー」が進むのでしょうが、気をつけたいのが米金利の急騰。株式市場が急騰後、米金利の急騰に耐えられず、急反落する可能性があります。
ひろこ 東京時間に買われても、欧州以降で金利急騰ともに株がガクッと下がるような可能性もあるということですね。ただ、2年前の教訓があるだけに決め打ちせず、あらゆる可能性を考えておきたいですね。
■米中雪解けは選挙向けリップサービスか
西原 先週後半には米中首脳が電話協議を行ない、トランプ米大統領は「いい話し合いができた」とツイートしました。米中貿易摩擦への懸念が緩和し、リスクオンとなる場面がありました。会談は11月末のG20に合わせて行なわれるわけですし、まだ何ら合意ができたわけではありません。選挙へ向けてのリップサービスとしての側面が大きいのではないでしょうか。
ひろこ クドローNEC(米国家経済会議)委員長からは、「対中貿易協定案の策定を指示した事実はない」とのコメントも出ていますが、米中が雪解けムードを演出してくるようだと、豪ドルを売りにくくなってきます。
西原 豪ドルはチャート的にいったん調整する形となってきています。ペンス米副大統領が中国への強硬姿勢を示した10月初旬あたりはわかりやすい売りの場面でしたから、その踏み上げもあるのでしょう。長期的にはまだ落ちる可能性がありますが、今は様子を見たい場面ですね。もう一段の踏み上げも充分にありえます。
■「幽霊船」が形骸化させるイラン制裁
ひろこ 今週は8日にFOMC、それに豪ドルやNZドルの政策金利発表もありますね。
西原 いずれも据え置きの見通しですね。
ひろこ 10月の世界同時株安で12月の米利上げを危ぶむ声も出ていましたが、先週の米雇用統計は強い数字でしたし、声明文から改めて12月利上げを確認する動きもありそう。
西原 12月の利上げ織り込みは75%程度なので、反応があるかもしれませんね。
ひろこ 今日からはイランへの経済制裁が再開されました。トランプ米大統領は「かつてない最大の制裁」としていますが、日本を含む8か国は当面、適用が除外される見込みですし、イランではこれまでもGPSを切った「幽霊船」による闇輸出があるようで、実効性に疑問符がつく部分も。マーケットは当初、制裁再開により日量100万バレルの供給不足になると懸念していましたが、WTI原油は60ドル台前半まで下落しています。
西原 ガソリン価格の下落は選挙対策にもなり、トランプにとってはありがたい話でしょう。
ひろこ これまではOPECの減産や制裁再開などの材料で買われWTI原油先物市場は逆ザヤ(現物価格>先物価格)でしたが、10月下旬から順ザヤ(現物価格<先物価格)に転じています。先物市場でのファンド勢のロング解消の動きはもう少し続く可能性があり、60ドル割れを試す場面があるのかもしれません。
西原 中間選挙次第でトランプの戦略も変わってくるでしょうから、やはり中間選挙の結果が注目ですね。
■グッドニュースへ感応度高める英ポンド
ひろこ 為替市場では、先週のポンド急騰には驚きました。
西原 週末に英紙がEUからの譲歩を取り付けたと報じたことで今朝もギャップアップして始まっています。バッドニュースには反応しづらく、グッドニュースへ反応しやすくなってきており、さらなる上昇を予想する銀行も出てきているようです。
ひろこ 今週の戦略はどう考えますか?
西原 ポンド買いもいいのですが、それ以上に注目しているのがユーロ。イタリアの予算やブレグジット交渉など悪材料がひと通り織り込まれてもユーロ/米ドルは1.13を割れません。1.13割れをストップに買っていきやすい場面です。いずれにせよ、今週の注目は中間選挙。その結果次第では戦略が大きく変わることもありえます。とくに米金利の動向には気をつけたいですね。