青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2015年03月03日配信号のサンプル
FX戦略! 今週の注目イベント(西原×美子対談) 3月3日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
【ECB】欧州のテーマはギリシャ支援からQEへ
美子 今週は木曜日にECB(欧州中央銀行)、金曜日に雇用統計があります。今月からはいよいよQE(量的金融緩和)が実施されますが、その詳細がECB後のドラギ総裁記者会見で明らかになってくるのでしょう。マイナス利回りとなっている国債も購入対象にするのかどうか、「ECBの中銀預金金利(現在はマイナス0.2%)の水準までの債券なら購入対象」(日経ヴェリタス)との記事も出ていますが、ドラギ総裁の口からはっきりと見解を聞きたいところ。また、総裁の発言からは期限を定めない「オープンエンド型」と読み取れるのですが、声明文では「 2016 年9月まで」と期限が明記されている。このあたりが声明文や記者会見で明らかになってくると、ユーロが動意づくのでしょう。下値を追いたくはないですが、戻りを待って売りたい。
西原 米ドル/円の120円、ユーロ/米ドルの1.11~1.12ドルでは米当局からドル高牽制発言が出るかと警戒していましたが、先週も「ドル高は米経済にとって大きな問題ではない」(ブラード・セントルイス連銀総裁)などのコメントが出ていたので、このレベルで気にする必要はなさそうですしね。
美子 あとは6月に棚上げされたギリシャ支援問題が、ECBで再燃する可能性があります。ECBがギリシャの短期債入札の上限引き上げてくれないと、ギリシャの銀行の資金繰りが危機に陥るためです。似た境遇にあるはずのスペインでギリシャへの反感が強まっていますし、「北vs南」だったユーロ圏内の対立が「南vs南」へと拡大傾向ですから、ギリシャの火種はまだまだくすぶりそうですね。
【大注目】ドラギECB(欧州中央銀行)総裁 記者会見
開催:3月5日(木)22時30分~
ポイント:QEの詳細、ギリシャ短期債の発行上限引き上げの有無
【雇用統計】日経平均に遅れて為替も追随、円安へ
西原 今週は米ドル/円にも注目したい。先週、安倍首相が日本株セミナーに出席して、「エンジン全開の今年の日本を買わない手はない」と気勢を上げました。
美子 去年はダボス会議で安倍さんが「バイ・マイ・アベノミクス」といった途端に日経平均も米ドル/円も下げましたが。
西原 今回はこの日本株セミナーのあと欧州リアルマネー、米系ヘッジファンドからの日本株買い、円売りが断続的にマーケットに持ち込まれ、どちらも上昇しています。黒田日銀総裁も「デフレ脱却にはロケットのような大きな推進力が必要」とブレない姿勢を示したことで、日経平均は1万9000円間近まで上昇しています。日経平均の力強い上昇力と外国人投資家によるヘッジの円売り、それに米当局のドル高容認姿勢からすると、日経平均に追随して米ドル/円も上昇する可能性が濃厚。120円のオプションの影響なのか120円台前半では伸びきれていませんが、中期の買いポジションを持ちながら、120円台では利益確定して回転させたいところ。米雇用統計までにどれだけ上昇できるか、注目です。
【注目】米雇用統計
発表:3月6日(金)22時30分
前回:+25.7万人
予想:+24万人
【RBA】主要国の25%がマイナス金利! 豪ドル高は必然か
美子 今週はイギリス、カナダ、オーストラリアでも中央銀行会合がありますが、イギリスは無視してよさそう。5月の総選挙が終わるまで金融政策の大きな変更はないでしょう。
西原 RBA(豪準備銀行)の利下げ織り込み度は60%。今回下げなくとも5月に下げるのでしょうが、最近の経済指標の悪さからすると今回、利下げされる可能性が濃厚。「3月で利下げはいったん打ち止め」との見方が先週までは優勢でしたが、ここにきてさらにもう一度下げる可能性が浮上しています。そのため、スティーブンス総裁の記者会見が注目。今回の利下げでの打ち止めを示唆するよう発言が出るかどうか。
美子 主要国の国債全体の25%がマイナス金利となっているそうですが、足もとの10年債利回りはアメリカが2%ですがオージーは2.5%。利下げ中でも買いたくなる水準ですね。
西原 金利を狙う投資家からすると、アセットアロケーションを考えて「ドル以外に何を買うか」と見たとき、オージーが際立ちます。2%で利下げが打ち止めとなるのを確認したら買いたいですね。
【大注目】RBA(豪準備銀行)政策金利発表とスティーブンス総裁の記者会見
発表:3月3日(火)12時30分
前回:2.25%(0.25%引き下げ)
予想:2%(0.25%引き下げ)
ポイント:スティーブンス総裁の記者会見で利下げ打ち止めを示唆する発言があるか