青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
・2016年03月02日配信号のサンプル
GPIFとNYダウ(西原宏一のトレード戦略指令!)
報道によると、昨年4月から12月までのGPIFの運用成績は、5100億円の損失にのぼる模様。
この実績と、今年の相場展開から想定される損失は10兆円に膨れ上がるという試算になる模様。
このままだと報道されているように「アベノミクスの終焉」につながるため
3月期末のレートを持ち上げる必要があるのですが、問題はその手段が明確でないこと。
しかし今月は昨日のような、ドル円や株の押上とも思われる相場展開がなんどかみられるのかもしれません。
ドル円は短期的には111.00円がダブボトムとなり反発し、レンジ形成中。
先週ご紹介したとおり、NYダウの日足がカウントダウンを点灯して、調整中。(添付図)
結局本丸のNYダウが下落しないと、「ドル円と日経平均」のみ続落という展開にはならなかったという展開。
ドル円はしばらく111~115(coreが112〜114円)の動きが続きそう。
ドル円が114.19円まで上昇する仮定で、ポンド円がスクエアに。
と同時に114.00円に設定していたドル円のofferがついたため、
結局合成のポンド円のショートに。
ポンド円の159.00円という節目にはテクニカル上、特に意味があるわけではありませんが、個人的には収益をロックする意味で設定していました。
ただ今回のポンド円はvolatilityが高く、swing positionというより、156〜159円の間で5−6回以上sell on rallyを繰り返し、短期売買をしたというイメージ。
ポンドドルのショートは変わらず。
114.00円のドル円のショートが追加となっていますが
ドル円はレンジが続いているためswingとしてキープするかどうかをこの後検証しなおす予定。
現時点では115.00円にstopをいれています。
・2016年03月01日配信号のサンプル
FX戦略! 今週の注目イベント(西原×美子対談) 3月1日配信(今週の戦略会議&読者からの質問)
【G20】リスクオフの打開はならず
西原 注目されたG20ですが、リスクオフの原因である中国経済の減速や原油安に対する根本的な対策は出てきませんでした。先週後半はG20への期待から株式市場も米ドル/円もジリ高でしたが、今週はジワジワと株安・円高が進むのでしょう。ヒラリー・クリントンの「日本は輸出を増やすために円安に誘導している」との認識は有権者向けの人気取りなのでしょうが、気になるのはユーログループのダイセルブルーム議長が日本について「競争的な通貨切り下げの状況に陥るのではないかとの多少の懸念があった」と釘を刺した発言。ジリジリと円高が進んでも協調介入はもちろん、単独介入も難しくなっています。
美子 G20の声明文で注目したいのは「Brexit」(イギリスのEU離脱)リスクについての文言が付け加えられたこと。これでいったんポンド安に対しては調整が入るのかもしれませんが、戻しは限定的でしょう。
【ポンド売り】31年ぶりの月足を示現
西原 Brexitリスクの文言が加えられたのは、加えなければいけないほど、Brexitのリスクが高まっていると読むこともできます。Brexitリスクを織り込もうとするオプションの動きからポンド売りが出やすく、上値を抑える可能性が高い。結論から言えば、今週もポンド売り。英ポンド/米ドルの月足は31年ぶりの1.40割れでクローズしました。今までにない領域に入っており、もう一段下げる可能性が高まっています。
美子 最初のターゲットは1.37くらいでしょうか。1.40を割れてから財務相やカーニーBOE総裁が為替水準についての発言を繰り返していますから、かなり居心地が悪い水準なのでしょう。ただ、イギリスにはソロスとの戦いで敗北した苦い経験があります。この段階だと口先介入はあっても、実弾介入はないでしょう。実弾介入があるとしたら6月の国民投票でBrexitとなりポンドがさらに大暴落した場合。そのときは為替の水準がどうのではなく、通貨としてのクレディビリティの問題です。
西原 BrexitはEU全体の問題でもありますから、ユーロも弱くなっています。まして来週10日には追加金融緩和の発表を明言しているECBが控えている。欧州通貨全般、当面は弱いのでしょう。
美子 週末のアイルランド総選挙では連立与党が大敗。欧州統合のメインストリームが崩れ始めています。ユーロに対するネガティブな動きも続きそうです。
【震源地】G20から中国全人代へと関心は移行
西原 G20は一部の期待を裏切る結果となりましたが、次に期待を集めているのが5日から開催される中国の全人代。足元のリスクオフは原油安も含め、中国経済の減速がきっかけでした。震源地である中国がリスクオフを払拭するような政策を打ち出すことができるのかどうか。今週も落ち着かない週末となりそうです。
美子 全人代開幕の前日、4日金曜日には米雇用統計が控えています。NFP(非農業部門雇用者数)は先月の15.1万人増に対して19.3万人増の予想。2014年と比べて最近の雇用者数は大きく増えませんが、もう何年にもわたり雇用は伸びています。2016年は17万-20万人くらいの水準ならよし!となるのではないでしょうか。
西原 雇用統計があり、週末からは全人代も開催され、神経質な動きになりそうですね。米ドル/円は2月11日に110円台へと突入してから2週間、調整が続いています。一度、110円台を見たことには大きな意味があり、今後114円、115円と戻すことがあっても110円台を見てしまった輸出勢は売ってくる。調整はもう少し続くのかなと思いますが、上値は重い。アベノミクス開始以来始めて200週線を割った英ポンド/円、それに月足1.40を割り込んだ英ポンド/米ドルの売りを継続でしょう。
【大注目】中国第12期全国人民代表大会(全人代)開幕
開催:3月5日から
ポイント:景気減速に歯止めをかけるような経済政策を打ち出せるか
【大注目】米2月雇用統計
発表:3月4日(金)22時30分
前回:+15.1万人(非農業部門雇用者数)
予想:+19.3万人(同)