昨日は日本が休みだったが、欧州ではストレステストについての見方によって、評価する意見と、信用できないとする意見が出てきて、かえって信用不安が増大した。そもそもギリシャがデフォルトかどうかを問題にしているのに、民間の銀行の保有しているポートフォリオに負荷をかけてどうなるかを見るのがストレステストだ。
しかも半端なストレスではないはずで、これが米銀だったら「もっている株価が半分になったら」くらいのすごいストレスをかける。それほどのストレスをかけても、ギリシャの銀行の二つしか不合格でないというのでは、確かにテストのやり方自体に疑問が投げかけられても仕方のないところだ。
ここ2カ月間のユーロドルは、週足の陰線か陽線かの反対方向を、翌週に攻めるという逆張りしか儲からない展開が続いていた。しかし先週はついに陰線が連続した。このストレステストの話に絡んで、イタリア、ポルトガル、スペインの短期債が暴落したからでもある。
そもそも2年の金利が20%を越えてくるのは異常な事だ。逆にいうとEUで保証されていない1年以上の資金手当ては不可能になったことを意味する。このことは先週の金曜日に鮮明になってきたが、週明けの昨日も継続。ユーロは全面安の状態でニューヨーク市場に入った。
私は3連休を伊豆で過ごしていた。ちょっと東名渋滞の疲れもあって(^^;)、PCで為替レートは追ってはいるものの、1.40台を割り込んでくるなど、大きな動きが見えてこないと、基本的には手をだしたくはない感じでいた。ロンドン時間でのユーロドルの安値は1.40台の前半まで。しかも3回くらい攻め込んでいる。
やはり1.4000は大台の節目ということでサイコロジカルにサポーティブだ。ドル円は相変わらず79.00のあたりでウロウロしているだけだ。ポジションも持っていなかったので寝てしまったが、朝見てみるとユーロドルだけがノロノロとではあるが、1.41台まで戻しきっていた。米国株も大きく下へ突っ込んだ後に、半分ほど値を回復している。
ドル円は動かないからやる気はないものの、ユーロドルはそれなり動いているので手を出したいところだ。金利的な側面からいえば、ユーロドルは買い、少なくとも押し目買いのスタンスを取らなくてはいけない。トリシェ総裁はインフレ重視で利上げを実行しているし、バーナンキ議長は国内景気重視でいまだにQE3の選択肢を捨てきれていないからだ。
その半面で、ユーロ固有の問題で欧州の信用不安が付きまとう一方で、ドルにも8月初旬までは債務の上限問題を引きずるだろう。テクニカル的にもだんだんと収束し、どちらかに跳ねそうだが、どちらに行くかはわからない。
とにかく1.41台ではショートに振ってみて、1.40台では買い戻すのミニトレードを繰り返しているだけだが、本格的な動きは夜の8時以降の米企業決算あたりからだろう。BOA、GS、ウェルズファーゴなど、金融系が集中しているので特に注目である。私としては、ユーロドルの週足で2本陰線が並んでしまったことを重視して、ショートからしか入らないことにして、戻り売りに徹するつもりでいる。
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