先週はずっとリスクテークの相場が続いてきたのに、週明けの月曜日はいきなり流れが反転。リスク回避で失職の相場となった。そこで昨日は昼間からユーロ円の106円台があったら売ろうと思っていたのだが、ついに到達しなかった。105円台の後半までならいくらでもあったのだから、思い切って売っておけばよかったなぁ。
欧州序盤ではトレンドフォロー的なユーロ売りも出てきて、ユーロ円は104円台を見にいくこととなった。どことなく後悔が残る展開だ。自分に明確なアイデアがあったのに、相場を待ってしまったからだ。こなってくると、いまさら戻して105円台に乗せてきても売れるものではない。入り損ねたときは、私は無理をしないことにしている。ムキになってやったところで、結果が良かったことが圧倒的に少ないからだ。早めに就寝してニューヨーククローズを拝むことにした。
夜中の3時半ころに目を覚ました。画面を見ると米国株が上がっている。だったらリスクテークになっているだろうと、ユーロを中心に為替レートも調べたら、ユーロドルは1.37代のミドルで、ユーロ円は105円台の中盤まで戻してきている。とりあえず当面の底は売ったかなという感じだ。このままニューヨーククローズまで株高の状態が続けば、翌朝からのアジア市場ではまたユーロ買いとなりそうだ。
そうしていると、急激にユーロドルが上がってきた。ものすごい勢いで1.39台までかすりそうだ。米国株も上がっているので、何か出たのだろう。さっそく調べにいくと、英紙に「独仏の間でEFSFの規模を2兆ユーロに拡大する」とか出ているらしいとのこと。事の真偽はともかく、ユーロのダイレクトの買い材料ではあるのは間違いない。ユーロ円も106円台に乗せてきてもいたが、さすがに売り込むことはできなかった。
ユーロドルもユーロ円もすぐに下落に転じて、今度は何事かと思いきや、スペインが格下げされたり、先ほどの2兆ユーロの話は確認が取れていないという話しが出てきたりで、ニューヨーククローズに向けてはかえってリスク回避のほうが強くなってしまい、引け味としてはとても悪いものが残った。
今晩も企業決算や経済指標がたくさん出る予定だが、さすがに市場の関心はEFSFの2兆ユーロ問題である。これに関するコメントが海外市場で出てくるはずなので、賛否両論ともに相場を動かす動機になりそうだ。すでにある程度、リスクテークの方向に動いてしまっているのだから、積極論が出てきても反応は薄くなる。反対に反対論が出てくれば、一筋縄では資金の拡充はできそうもないということになって、一気に昨日積み上げたポジションのアンワインドということにもなりかねない。
値動きの大きさとしては後者の方が断然大きい。実際に先週のスロバキアであれだけもめたのだから、さらなる拡充案には反対も出てくると思われる。それがわかっていての2兆ユーロなのだ。先日、やっと議会で承認が取れた拡充案の際の4400億ユーロのおよそ5倍である。これは最近言われているレバレッジを利かしての話なのかもしれない。そうだとすると、かなりの失望感がマーケットを襲いそうだ。
今日もユーロ円の106円台を待っていたが、アジア市場の終盤に乗せてきて106円ちょうどをはさんで神経質に上下を繰り返している。売りたい気持ちはあるものの、昨日手を出すのを失敗しただけに、こんなときに無理に相場入りしてもロクなことがないことを私の経験が物語っている。ここはじっくりとユーロ円のラリーを待つことにしよう。
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