昨日のアジア時間まではユーロドルが1.3000をはさんで、前後10ポイントずつの動きだった。いよいよ煮詰まってきた感も強まってきたが、どちらに跳ねるにしても、なんとなく材料不足。しかし17時半にスウェーデン中銀が利下げをしてからは、ちょっと様子が変わって来た。確かに先週までノルウェーもデンマークも利下げしてきたので、スウェーデンもユーロゾーンにならって利下げで追随するだろうという観測はあった。
しかし市場の事前予想では今回はいじらないだろうという見方も強かったので、ちょっとしたサプライズを与えることとなった。利下げを素直に受け取ると、通貨の魅力減退ということで通貨安にならないといけないところだ。
だがさすがに欧州の信用不安を前にして金融当局の積極姿勢を示したものだと解釈され、欧州通貨は強まった。強くなったのはストッキーだけでなく、ユーロも、特にポンドが強くなった。北欧に続いて、イギリスも利下げや金融緩和などの手を打ってくるだろうとの思惑からか。
そうしてユーロドルはちょっとビディッシュな状態が続いているところへ、ドイツIFOの景況感が出た。景況感は予想よりも良かったことで、さらにユーロが強ぶくんだ。その上、スペインの国債入札が順調に終わり、ますます安心感を漂わせた。1.3050近辺からユーロを売ろう売ろうと心掛けていた私としては、このステージではまったく手が出ず。おしなべて欧州株も高くて、マーケット全体がリスクテークに向かいつつあった。
アメリカの住宅関連の指標もたいへん良くて、ますますリスクテークになった。ユーロドルは早期に1.31台に乗せてきたので、今日は入り損ねたと思って取引しないことにした。一晩終わって、1日の足型が確定してから、それを吟味して参加すればよいのだ。
ニューヨーク時間のうちにユーロドルは反転した。とくにユーロポンドが今月の安値を下抜けしてきて、1月の安値レベルをトライする局面に入った。このユーロクロスの下落がユーロドルの足を引っ張った形となって、再び1.30台のミドルまで押し込まれて終了。ドル円は相変わらず動かずで、ユーロ円も101円台でアジア市場へバトンタッチ。
今週に入ってからはずっとそうだが、アジア時間ではダイナミックな動きは出てこない。やはり海外市場待ちということになるのだが、今晩の注目点もリスク許容度となろう。欧州株は続伸できるのか、それとも利食いに押されるのか。
本日の欧州序盤では欧州株も高くスタートし、これにしたがってユーロドルは昨日の高値である1.3130近辺は越えている。しかし私としては、ユーロドルの1.31台はいちどは売り込んでみたい誘惑に負けてしまいそう(笑)。なにしろユーロクロスは安値圏からまだ脱出できていない。
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