昨日の欧州時間は、ドル円は93円台の前半で始まった。今週になってから相次ぐG20に向けての各国の要人のコメントに振り回されていることには変わりがない。アジア時間では92.80レベルまでドル円が押しを見せていたので、円売りには要注意といった感じで海外市場に突入した。
私としてもドル円が93円ちょうどを割り込んできたとしたら、そこが相場の入りどころであろうと考えていた。前日の安値をも下回ってくるなら、かなりの深押しもあり得るのではないかとも思っていた。あとは欧州の要人発言で、どんなものが出てくるかである。
そうして下向きに準備をして構えていた私だが、ドル円はあまり下がらない。そのうちロシアの高官が「円は過大評価されてきた」とコメントしたことで、円売りが強まってきた。ドル円は93.75あたりまで上がってしまい、ここまで上がってくると今度は94円台が見えてくる。
その次には、キャメロン首相が「先進国の競争力のある国は通貨の切り下げを望んではいけない」といった内容のことを言って、やや円の買い戻しも出てきたが、ドル円はあんまり深くは下押ししなかった。
だれもがG20を前にした要人発言に気を払っているので、経済指標ではまったくマーケットは反応しない。小売売上高が予想通りだったのもあるが、指標発表の前後ではまったくの無風だった。こうなると高値圏に張り付き状態の続いている米国株の動向に異変でも生じるのを期待するしかない。
しかしその米国株もとても強いスタートとなった。今年の最高値を更新している。ちょっと相場に乗るのがいまくいかなかったあきらめることにした。そして朝になるとドル円は93.50くらいだった。いちおう上攻めはおさまって、少しゆるんできたようだ。そして7時過ぎにドル円がいきなり下落。といっても93円台を割れるほどのこともない。面白いレベルをやらないので、私としてはたいへんつまらない。
東京オープン前には日本のGDPの数字が発表されるし、昼には日銀の会合もある。これから数時間はドル円が強ぶくむ可能性も高い。朝の下げで92円台に突入できなかったとあれば、ちょっと買ってみてロング攻めするのが面白そうだ。ドル円がブルでもないので、私は少しだけ買ってみて昼までもってみようと思った。
またもしもその間にドル円が92円台に突入するようなことになれば、喜んでショート攻めに転換するつもりだ。そうすると今もっているスモールロングのド転場は93.00あたりということでよいだろう。
日本のGDPは予想を下回ってマイナスの0.1%だった。それでも目下、アベノミクスの最中なので将来への期待が高いのか、市場は反応しなかった。むしろ10時過ぎに日銀の元副総裁が「90円から100円でも回帰の過程」だと表明したことで、いつものようにドル円の買いが進んだ。これでまた94円台まで行くのかと思ったが、存外に上がらず、93.65あたりまで。私もランチタイムには93.52で利食い売りしてしまった。
それにしても要人発言で左右によく振らされる展開が続いている。各国の要人は好き勝手にしゃべっているようでもあり、とても共同声明を出して意志の統一を図っているとは思えない状況だ。これはG20の前日となった今夜はとくに激しくなるだろう。
ただ日本批判に方向のコメントが流れても、段々と耐用性ができたものか、あまり円の買い戻しに激しさがなくなってきた。できればショートで入りたいと思っている私にとってはやりづらいところでもある。まさかG20などの国際会議の場で現行のレベルが是認されるようなことはないと思っているのだが…。
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