昨日の注目は夜中に公表された前回のFOMC議事録だった。それまでは様子見の素性が強まって、マーケットは全体的に小動き。ドル円はアジア時間で97円台の前半から97円台の中盤まで上がったが、その付近での前後10ポイントの小さい値動きになってしまった。
欧州序盤でユーロドルは1.3400を割り込んできて、ややドル高傾向なのが見て取れる。もう何もしないで一度寝て、2時頃から起きてPC画面に向かった。為替相場のレベルは寝る前とあまり変わっていない。ドル円は97.55あたり、ユーロドルは1.3375。
議事録が公開されたら、まず米国債の値動きに注意しようと思っていた。株価を参考にしてもよいのだが、株価の場合は上にも下にもどちらにもブレるので、どちらに行きたいのか、ファーストアクションの段階では判断しかねるからだ。
債券相場であれば、経済指標の発表の時と同じように、方向感が明瞭である。債券価格が下がっていれば長期金利が上昇ということで、緩和縮小が時期も含めて前向きに議論されたということが想像できる。反対に債券価格が上がるようなことになれば、緩和縮小に対してはまだ先だということで話し合われたことを意味する。
実際に相場にあたる身としては、議事録の中味なんかのんびり読んでいる場合ではない。読んでいたらマーケットの方が先に走ってしまって、自分のポジションを作る頃には、ひと相場終わってしまっているかもしれない。それでは間に合わないので、債券相場の動きを参考するしかない。
さて3時になって議事録が発表になった。米国債は下落。最近注目されているアメリカの長期金利が上昇したのだ。とりあえず目をつぶってドル円を買っていった。97.81でしか買えなかった。しかしユーロドルも下がっていて、ドル高に向かって進んでいる。とりあえず15Pポイントアゲインストで損切ることにして、公表直後のチョッピーな状態をなんとか乗り切って欲しいと願うばかり。
ドル円は98円ちょうどの手前まで上がったが、98円乗せとはならなかった。30分もすると、ユーロドルが反転してきた。これはドル円の逃げ時だと思って、速攻で売り注文を出したが、買った時と同じようなレートでしか売れなかった。さすがに参加者みんな不安を感じながらのトレードなのだろう。その後も97.80を中心に上下に振れたが、結局は50ポイントも動かなかった。騒いだ割には、値幅が小さかった。
議事録では、緩和の縮小は時期尚早としながらも、年内に縮小という方針は既定路線になっているようだった。つまり9月に縮小はないとしても12月の会合までには縮小するというのだから、よほど悪い経済指標でも出てこない限りは、やはり近いうちに緩和は縮小されるということだ。言葉は尽くしているが、縮小は余儀ない。これが大方のメンバーの意見のようだ。
朝になると材料出尽くしで、もうちょっとドル円は下げてくるかなと思っていた。しかし97円台の後半に張りついていた。そこに中国の景況感の数字が11時前に出ると、予想よりも良かったことで、ドル円は一気に98円台に乗せてきた。リスクテークになったからだとは思うが、昨日の議事録に比べれば材料としては小さいようにも思える。それでも過剰に反応しているのは、それだけ材料がないからなのだろう。私としては98円台ではどこかでドル円を売り込んでおきたいとも考えている。
今晩は失業保険くらいしか注目すべきイベントがない。関心が集まるのは米国債の値動きだろう。昨日の議事録の結果を完全に消化しているとは思えない。すでにアジア時間では米国の長期金利は昨日の水準よりも高くなっており、2.92%台まで10年ものの利回りは上昇してきている。この上昇傾向が続くようならば、米国株も一段安の可能性が高まる。リスク回避でドル円、ユーロ円の下値を意識した動きになろうものと思われる。
日本時間 15時10分
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