連日のように、欧州序盤からドル円を含めたクロス円全般が軟調となり、そしてニューヨークオープンまでは不安心理からかリスク回避が急がれる展開が続いている。その直前までは、もうクロス円のショートはダメなのかと考えなさないといけないほど、大きなショートカバーに見舞われる。昨日の欧州序盤でもユーロ円は133円台まで戻しきっていた。ドル円も高く、97円台の後半まで押し戻されていた。
オバマ大統領の斡旋による両院の首脳による話し合いは決裂したことでもあるし、財政協議の行方は依然として不透明。やはり欧州時間からはドル売りが活発化するだろうと思われる。毎日、同じことだが、やはりドル円でも売り込んでいくしかなさそう。ユーロ円でもよいのだが、ここのところユーロドルの上げもなかなかにきつい。
ドルが問題になっているのだから、ここはドルストレートで勝負するほうが無難なようにも思える。さっそくドル円の97.77で売っていった。ロスカットは97.90でよいだろう。それまでの日中の高値を越えたレベルだからだ。
失業保険のデータが出るまで、ユーロドルは1.3600をはさんだ動き。そしてドル円は着実に下がってきた。それでも勢いはない。やっと97.50近くまで落ち込んできたものの、失業保険の数字が良かったものだから、下げ止まった格好。しかしニューヨーク勢もドル売りで参入したようで、やはりドル円の上値は重い。23時の景況指数が発表されると、それを契機に97円台の前半まで沈んだ。
私は朝がたの安値である97.25の手前ではいったんは利食いしようと思っていたのでスクエアにした。それでも金曜日の雇用統計の発表が中止されると正式に公表されたので、史上の不安心理はさらに増大し、株価も急激に下がり、ドル円も97円割れをトライするところまで突っ込んだ。
先日のバーナンキ会見でFRBの意向が分かりにくくなっているうえに、さらにその根拠になるとされている雇用統計が出てこないのでは、ますますマーケットは思惑だけが先行したりする局面が多くなりそうだ。そして質への逃避で米国債が高く、長期金利の低下は著しい。また米政府のデフォルトも可能性はあるということなのか、3週間とか1カ月のドルの短期金利が異常に上昇。これも市場の混乱を表している。
夜中には米議会の議事堂前での発砲騒ぎもあったようだが、それによってマーケットが崩れることはなかった。ドルは全面安なのだが、ポンドがやや逆行。これまで他よりも異常に買われていたポンドであっただけに利食い売りに遭ったものと思われる。ポンドドルだけは下げ基調で終わり、しかるにユーロポンドは大きく上昇している。
さて今晩は肝心の雇用統計がなくなったことで、関心は政治がメインとなる。今日にも何か米下院の方から妥協案めいたパッケージが出てくるとの観測もあるが、どうしたものか。予断を持たずに対処しないといけない。私としてはまた夕方以降からのドル円かユーロ円のショートで攻めるつもりでいる。
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