昨日の欧州序盤は、ドル円は122円台の後半でスタートした。アジア時間では上値攻めをしたものの、123円台にはクリアに乗せきれなかった。それでも8月下旬以降では高いレベルだ。けっしてドル安というわけではない。来週にはドル金利も上がるだろうし、ドルを買って持っておきたいという意欲には何ら不足はなかった。
同じドル安といってもユーロドルのほうも、ようやく1.09台に乗せてきてところ。先週のドラギ総裁の会見後のユーロ高値まではまだまだ届いていない。多くのプレーヤーがどこかでドルを拾おうと感じているのが読み取れるくらい、ドルの下げは限定的なものだった。
市場の関心は前日に大きく下げた株価である。米国株だけに限らず、欧州株も大きく下げた。むろん原油相場の動向が気になって仕方がない状況は続いている。そして原油価格も安値圏で張り付きだ。まったく戻りそうな雰囲気もない。待っているのは夜中に発表される原油在庫報告くらいだ。OPECの総会も終わったし、目先のイベントでは原油価格を左右するのはこの指標くらいしかない。
夜中を待つまでもなく、ドルは徐々に下がってきた。しかも全面安だ。私のように深押しはないと見ていた人が多い証拠だ。軽くそこをあさって、それでロングホールドしようと考えていたものが、つい損切りゾーンにまで至ったのだ。ドル円で言えば、122円台の中盤までは想定通りなのだろうが、121円台は考えていなかっただろう。
それでほとんど戻りらしい戻り場も作らずに一方的にドル円が下がってしまうというような状況を作り出してしまった。その間、原油価格はあまり動いていない。昨日のイギリス株の急落に続いて、今度はドイツ株の下げがきついくらいだ。グローベックスでは米国株は下がってはいても、許容範囲内だ。
そしてドル円は121.85あたりまでを底値にして、122円台まで戻して日付が変わった。石油在庫のレポートは0時半である。それまで私はトレードしていなかったので、ドル円をロングにしてみようと思った。理由は簡単で、原油が下がっていない。そしてドル円が底を見た後なので、121.80で損切りすればよいだけだということだ。
原油在庫は少なくなっていて、それにともなって原油価格は上昇。リスク的に好感されてドル円も上がったのだが、すぐに折り返してきた。私のストップ注文もあっさりとダンになった。私はフテ寝したが、朝になってマーケットを確認すると、ドル円は121円台の前半まで突っ込んでいた。
今晩も注目はリスクのありよう。リスクの大きさの順で言えば、まずは原油相場、そして次に株価である。今週になって大きくリスク許容度の減退が見られたが、それが今日も流れが変わらないのかどうか。あまり許容度が減り過ぎると、来週の利上げも見送られるのではないかという観測も出てきそうだ。それだけを警戒して、リスク回避の方向で臨みたい。
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