連休中に期待された大きなマーケットの変動は、結局のところ、まったくなかった。ゴールデンウィークの前半でアメリカから叱られたこともあり、ドル円も105円台まで差し込んだが、それでもたかだかそこまで。
ドル円は102円台くらいまで突っ込んでもよさそうなものだったのに、円相場が動かなかったことで日経先物も16000円を挟んでの前後100円ほどの狭いレンジ内にとどまった。
連休前のドル円のレベルから見るとかなり低い位置にいるようにも見えるが、連休中の値動きを探ると高いところにいるように思えてならない。もちろん先週にドル円の下げ材料がたくさんでただけに短期的にショートポジションもたまっていたのだろう。
これではいかにも底堅く思えて、ドル円の107円台はなかなか売りこんでいきにくくなっている。またこれでにわかに下げても106円台の後半も売りにくい。やはり今夜のアメリカの雇用統計待ちになるのだろうか。
その雇用統計だが、最近出てきている雇用関連のデータは悪いものが並んでいる。特にADPの民間調査では失望を誘うくらい、結果が悪かった。だから今回の雇用統計でも若干、悪くてもマーケットは完全に織り込み済みということで、相場は動かないだろう。
就業者の増加数が20万人の大台を割り込んできても、さほど驚くにはあたらないだろう。17万人台以下になってしまうと年内の利上げすら危うくなり、ドルの下落要因となる。ドル円は今月になってつけた今年の最安値である105円台の中盤を十分に狙えることになるかもしれない。
反対に雇用の状況が良かったら、瞬間的には株買い、ドル買いとなって反応せざるをえない。しかしドル金利の上昇は企業収益を圧迫することにつながるので、これまたリスクオフを導いてしまうことになるかもしれない。
そうすると最初はドル円が上がっても、結局は下げに転じる可能性が強くなる。ここはやはり中期トレンドに従って、ドル円は売り目で見ておくことにしたほうが無難なようだ。私も指標が出てからでも、ドル円のショートを構築していきたいと考えている。
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