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波乱の「トランプ為替乱高下相場」で
西原氏がドル/円を大底で買えた理由とは?

2016年11月22日(火)15:06公開 (2016年11月22日(火)15:06更新)
ザイ投資戦略メルマガ

【副業FXで勝つためのメルマガ】田向宏行さんのFXメルマガは儲かるのか? ダウ理論の転換トレードで検証したらこうなった!

米大統領選直前までは、米ドル/円を買い!

 11月9日(日本時間)の米大統領選の開票結果を挟んで急変している為替市場。米ドル/円は9月、100円割れ寸前とアベノミクス瓦解の危機にあったのに、11月になってみたら110~111円台へ急上昇している。そんな相場で巧みなトレードを見せてくれたのがシティバンクでチーフディーラーを務めていた西原宏一さんだ。

 先に結論を明かしておくと、9月末の100円割れの円高予想の中で「買い」に入り、その後、米大統領選相場では、クリントン優勢の予想の中では、しばらくは円安と予想し、買い、その後、結果が出る前には手じまい、トランプ優勢となると、市場の動きにいち早く反応して、米ドル/円を買っていった

 特にトランプ相場とも言われる、予想外の米ドル/円急上昇の中で、早めに「買い」に転換したことは特筆すべきことだ。

 どんなトレードだったのか、西原さんが配信しているメルマガFXトレード戦略指令!で事実関係を追って行こう。まずは米大統領選前の約1カ月前、9月26日のメルマガから見てみよう――。

FXトレード戦略指令!:2016年9月26日の配信メールから抜粋
「ポイントにあげた100.00円を割り込めなかったため、100円台前半で、ドル円をロングにしています。今のところドル円が明確に上がると考えているわけではありませんが、ストップは99.90円をタイトにおいているので打診買いのみ」

米ドル/円 日足
米ドル/円日足:100円割れ寸前の9月から11月には111円台へ急騰!

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

取り入れたい! リスク限定トレード術

 このときのファンダメンタルズを確認しておくと、前週に日米では中央銀行会合を終えたばかり。FOMC(米連邦公開市場委員会)の金利据え置きは既定路線だったけど、日本銀行は「イールドカーブコントロール」と「オーバーシュート型コミットメント」の新たな政策を打ち出してきた。

 日銀の政策がこれまでになかったものだったため、世間的な判断は「実質的な金融緩和の縮小」という評価が一般的だった。

 西原さんはこの時米ドル/円が100円割れしなかった事実を見て、ザイFX!で連載している「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」「もしも本当にテーパリング(金融緩和の縮小)ならば10円とは言わないまでも、もっと急落していい」と、一般的な100円を割れる円高になるのでは、という見方とは逆に買っていった。

【参考記事】
日銀会合への市場の評価は真っ二つ! 米ドル/円はこのまま反発しそうな感じも…

注目してほしいのがストップ(損切り設定)の位置である99.90円。このまま上昇トレンドへ転換するなら上値余地は大。一方。ストップは数十pipsの幅しかないから、もし下がってしまっても打撃は小。リスクとリターンのバランスに優れたトレードだ。

ここでロングし100円割れにストップをおけば、損失を抑えながら、トレンドが反転すれば大きな利益を狙える

デイトレの目安は移動平均線や公的機関のオーダー

 円高予想が圧倒的な中、買っていった西原さん。するとチャートはスルスル上昇していく。ここから西原さんは100円台前半で買ったメインの買いポジションをキープしながら、「一部を利益確定→押し目で買い増し」を繰り返していく。

FXトレード戦略指令!:2016年9月30日の配信メールから抜粋
「21日線が位置しているレベルで一部縮小したものの、ドル円のロングは継続。100.80~101.00円レベルで下げ渋れば、101円台後半で減らしたロングを買い戻す予定。ストップは同じ」

 たとえば、上記のような感じ。

 途中、雇用統計でいったん手仕舞った場面はあったものの、すぐさま買いポジションを構築。チャート分析や公的機関などの大口オーダーを参考にしながら、利益確定&押し目での買い増しを繰り返し、コアロング(※)のストップの位置も切り上げていった。

(※西原さんはポジションをコア=メインに当たる部分と、打診買い的なポジションに分けている。ここではそのメインの買いポジションのこと)

米大統領選当日、「セル・ザ・ファクト」で手じまい推奨!

 そうやって迎えた米大統領選の開票日。朝8時56分に届いたのが、このメールだ。

FXトレード戦略指令!:2016年11月9日の配信メールから抜粋
「ヒラリー優勢を見込んで、ドル円は105円台を回復。ここまでコアロングを引っ張ってきましたが、105.15円でドル円のコアロングを全てスクエアに。この後は、トランプ優勢はもとより、ヒラリー優勢でもセル・ザ・ファクトとなり、どちらかというと投票結果次第の超短期売買に限って売り目線

 朝9時はまだトランプ優勢が伝わる前。「ヒラリー大統領」への期待で105円台に乗せたところで、100円台前半から引っ張ってきた買いポジションをスクウェア(すべて決済)に。5円幅の利益となった。

ほぼ天井での利益確定の背景にあったのは、「セル・ザ・ファクト」(事実で売り)。ヒラリー当選への期待で買われていたポジションが、実際にヒラリーの当選が判明すれば決済されて、相場は下がるだろう、との分析だ。

西原さんのメルマガを購読していれば、100円から105円までの上昇トレンド第一弾は余裕で取れていたはず。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足:ヒラリー当選を織り込んで一時105円50銭まで上昇、しかしトランプ優勢が伝わると101円28銭まで急落!

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

円高が限定的と見るや、米ドル/円の買いに転換!

 11月9日午前(日本時間)にトランプ優勢が明らかになると、次に西原さんが始めたのが予告どおり、短期の売り

FXトレード戦略指令!:2016年11月9日の配信メールから抜粋
「開票速報に沿って、短期トレードとわりきってドル円を売りで回転させています」

 この日は相場が乱高下しただけに西原さんからのメールも頻繁。18時になると、次のメールが届いた。

FXトレード戦略指令!:2016年11月9日の配信メールから抜粋
「75日線を超えたあたりから短期売買でロングにしていますが、少額ドル円のロングをスウィングポジションに。ストップを101.00円においてドル円のロングをキープする予定

 事前のコンセンサスだと、「トランプなら瞬間的に100円割れも」。ところが、トランプの当選確率が高まるにつれ、米ドル/円は反転し上昇へ。100円どころか、アベノミクス直前の安値と、2015年につけたアベノミクス高値のちょうど50%である重要な節目の100.60円さえ割らずに上昇した。

 西原さんは、今年最大の想定外は6月のBreixtで、その時はどれだけ円高になるか予想もつかない、と言われたが、それでも米ドル/円は、一時的に98円をつけただけトランプ大統領誕生は、そこまでの想定外ではない」として、下がっても98円~99円と予想していたという。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足:アベノミクス安値・高値の50%を割らずに上昇

(出所:メタトレーダー(MT4))

8円の上昇幅で10円幅の利益に!

 西原さんから米ドル/円のロング(買い)再構築の「指令」が届いた時点の米ドル/円は103円台前半。これをメインのポジションとして再び、一部を利益確定→押し目で買い増しを繰り返し始めた。決済したのが11月15日(火)の108円台前半。

FXトレード戦略指令!:2016年11月15日の配信メールから抜粋
「200週線がどうしてもぬけてこないため、108.35円でドル円のデイトレ分のロングを全てスクエアに
「ドル円のコアロングもいったん108.25円でスクエアに

 結果、米大統領選で仕込んだ103円台前半のポジションは108円台前半まで5円幅の利益となった。第一幕とあわせ、10円幅の利益だ。この間の上昇幅は8円だったし、西原さんのようにデイトレ的に利益確定&買い増しを繰り返してくれば、利幅はさらに大きくなった。

 上記のように明確な理由があって、この乱高下相場でも大きな利益を上げた、西原宏一氏。西原さんのメルマガ読者ならこの乱高下した米ドル/円相場で大きな利益を得られていてもおかしくない。

 その後、11月18日(金)には「ドル円は110.00円のバリアをなんなくブレイクし、あっさり110円台を回復。次の目標は50%の112.44円。ドル円のlongは継続」というメールが配信されている。

 105円~110円のレンジ予想が多い中、あえて買い向かう西原さんの今後に注目したい。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足:105円~110円のレンジ予想が多い中、あえて買い向かう西原さんの今後に注目!

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

西原メルマガのメンバーによる特別番組!

 さらに今回は、ザイFX!の生放送番組、「ザイFX!TV(原宿)」にて、西原さんがトランプ大統領が就任する2017年相場を一足早く予測する「2017年FX大予測! 米トランプ大統領後の為替相場を読み解こう!」が11月25日(金)20時から放送されることになった。

ザイFX!TV(原宿) 2017年FX大予測! 米トランプ大統領後の為替相場を読み解こう!

 共演してくれるのは2人。足もとでは米金利の急騰が材料となっているが、金利の分析を得意とする、元HSBCチーフトレーダーの竹内典弘さん。聞き手として、コモディティ市場にも詳しい、フリーアナウンサーの大橋ひろこさんも登場する。

 トランポノミクスの行方、原油価格、米金利と注目材料を語らせるには最適の3人が揃い踏みしてくれる11月25日(金)のザイFX!TV(原宿)、今から予定を空けておくべし!

(ミドルマン・高城泰)

 


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