トランプ政権のゴタゴタを好材料にする展開が資本市場で続いている。先週は本予算が決まっていないので、2月中旬までの暫定予算を手当てできるかどうかが問題となった。市場のほうはもう楽観的にしか考えなくなっており、米議会で反対の意見など出たところでは、株の押し目買いが出てくるのである。
本来ならば悪材料なのに、どうせ何事もなく通過するのだから株を買っておけという妙なパターンが続いているのである。先週の金曜日も同じであった。ニューヨークオープンの当初はしおらしくリスク回避の動きも出ていたが、ニューヨーククローズに向けては株買いが加速した。
主要3指数は歴史的な高値を更新して、そのまま高値引けの形となった。日経先物も23800円台で終わっているが、こちらが伸び切らなかったのは為替相場で円高の効果もあったものと思われる。
こうした株価の動きというか、リスク相場の動向と為替相場でのドル円やユーロ円との動きに相関性がなくなってきている。ドル円が上がっているときは株を買っていってもよいという感じにはなるが、ドル円が下がったからといって単純な株売りにはつながっていないのである。相関性の低下は近い将来のリスクの増大を意味しているのではないだろうか。
暫定予算が通っても、次は政府債務の上限引き上げが迫ってくる。これまた無事に通過したということで株価はこうとうを続ける材料にしてしまうのだろうか。これだったら行政府はまともに予算案の本体を議論するのがバカらしくなってくるだろう。
やらねばいけないことをやらないほうが結果が良く出るとなれば、その行きつく先に不安を覚えずにはいられない。北朝鮮のことを瀬戸際戦術と言っているが、いまのアメリカのほうが瀬戸際を活用しているといえるかもしれない。
本日は重要なイベントもない。為替相場も東京市場もお静かなもので、ややドルの買い戻しが出ている程度で、クロス円に関してはまったく動きがない。引き続き注意すべきなのは、米国株の動向である。
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